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日経-518円の日にプライムの78%が上がった|ソフトバンクGは4日で積んだ+1,454円のうち781円を2日で返した|09月14日 日本株分析

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日経平均は518円下げました。でも東証プライムでは、78.5%の銘柄が上がっています。 TOPIXは+0.74%、グロース250は+2.26%。日経平均だけが逆を向いた1日です。

下げの正体はソフトバンクグループ1社でした。 -10.72%(一時13%安)で、日経平均を563.98円押し下げています。下げ幅518.35円より大きい数字です。きっかけは週末に伝わった「OpenAIは2026年中に上場しない」というニュースでした。

この記事では9月8日から、ソフトバンクグループが日経を押し上げた額を毎日記録してきました。9月4日からの4日間で積み上げたのは約+1,454円。そのうち781円を、9月11日と今日の2日で返しています。 今日はこの記録の話から始めます。

前回の仮説チェック

9月9日の記事で3つの仮説を立てました。記事は9月10日・11日を空けているので、それぞれ決めておいた判定日のデータで答え合わせします。

仮説①: 非鉄金属の上げは銅と電線の2本立てなので、銅が下げても電線株は下げない トリガー: 9/10に銅がマイナスで、古河電工・フジクラの少なくとも一方がプラス 結果: ❌ 否定された(無効条件に該当) 学び: 9/10は銅の先物が大きく下げ(海外の市況記事では約5%安、中国の銅需要の弱さと利益確定売りが材料とされています)、古河電工は4,129円→4,024円(-2.54%)、フジクラは-5.17%。 非鉄金属業種は-3.63%で下落率トップでした。銅と電線株は同じ方向に動いたので、「同じ業種に別々の材料が2本同居している」という自分の整理は弱めます。材料が2本あっても、売られる日は業種ごとまとめて売られる。 分けて考えるのは上がる日だけで足りるのかもしれません。

仮説②: 日経の下げは2社に集中していたので、アドバンテストが反発すれば指数はプラスになる トリガー: 9/10にアドバンテストがプラスで引け、日経平均もプラス 結果: ✅ 確認された 学び: アドバンテストは**+3.29%(33,920円)、日経平均は+128.17円(65,270.95円)で3日ぶりに上がりました。「少数の値がさ株(1株の値段が高く、指数への影響が大きい株)が指数の顔になっている」状態は続いていた、と記録します。そして翌9/11、アドバンテストは-2,200円で日経を1社で530.99円押し下げ**、日経は1,259.61円安。1日で逆側にも同じ形が出ました。

仮説③: 利上げ観測9割超と10年債利回りの低下というズレは、指標が出ても解消しない トリガー: 9/11の国内企業物価指数が予想を上回ったのに、10年債利回りが2.86%以下 結果: ❌ 否定された(無効条件に該当) 学び: 8月の企業物価指数は前年比+7.6%で、日経は「民間予想を0.2ポイント上回った」と報じています。10年債利回りは9/10の2.900%から、9/11に一時3.000%まで上がりました。条件の上では「債券市場がようやく利上げを見始めた」になります。ただ、9/11の金利上昇の理由として報じられたのは中東情勢による原油高(WTIが100ドル台)と、アメリカの卸売物価の上振れでした。企業物価の結果ではありません。条件は満たしたけれど、自分が想定した理由で満たしたわけではない。 ここは✅ではなく❌として、「ズレたままが普通」という仮説を捨てるところまでにしておきます。

3本のうち、自分の整理が正しかったのは②だけです。①は分け方が細かすぎ、③は結果だけ合って理由が違いました。判定の条件に「なぜそうなったか」を書き込んでおかないと、③のように別の理由で条件が満たされても区別できません。

主要指数

・日経平均 63,492.99円(-518.35 / -0.81%) ・TOPIX 4,058.21(+29.91 / +0.74%) ・グロース250 785.32(+17.39 / +2.26%) ・東証プライム 値上がり78.5% / 値下がり19.8% ・売買代金 7兆2,866億円 ・ドル円 154円台前半(円安方向)

日経平均を構成する225銘柄のうち、上がったのは158銘柄、下がったのは66銘柄です。上がった158銘柄が指数を+509.06円押し上げ、下がった66銘柄が-1,027.41円押し下げて、差し引き-518.35円。下げた66銘柄の押し下げのうち、55%はソフトバンクグループ1社でした。

日経平均をTOPIXで割った数字(NT倍率。日経が値がさ株に引っ張られているほど大きくなる)は、9/11の15.89から今日は15.65に下がりました。「日経だけが弱い」が数字でも出ています。

相場を動かした3つのポイント

① OpenAIの「年内は上場しない」で、ソフトバンクグループが一時13%安

週末、OpenAIのサム・アルトマンCEOが、2026年中の上場(株式を市場で売り買いできるようにすること)はないと明らかにしました。 海外メディアは同じタイミングで、AnthropicのCEOがAI業界に開発のスピードを落とすよう呼びかけたことも報じています。

ソフトバンクグループはOpenAIに巨額の出資をしています。持っているのは上場したときに普通の株に変わるタイプの株なので、上場が遅れると、その価値を市場で確かめられる日も遅れる。これが売りの理由として報じられました。

終値は5,839円(-701円、-10.72%)。9/9につけた6,810円から、9/10は変わらず、9/11に-270円、今日-701円で、**3営業日で-14.3%**です。

→ 僕のルール:1社への「期待」で上がった株は、その期待の日付が後ろにずれただけで下がる。会社の中身が変わっていなくても、「いつ」が変わると値段が変わる。ニュースを読むときは「何が起きたか」と同じくらい「予定がいつに動いたか」を見ます。

② 日経は下げたのに、TOPIXは上げ、33業種のうち27業種が上がった

AI関連から逃げたお金が、AIと関係の薄い業種に移った形です。 業種別の上位はサービス業+4.09%、保険業+2.45%、その他製品+2.03%、水産・農林業+1.77%、陸運業+1.74%。下位は非鉄金属-2.35%、情報・通信業-1.87%(ソフトバンクグループが入っている業種)、ゴム製品-0.75%でした。マイナスだった業種は33のうち6つだけです。

財経新聞は今日の相場を「値がさ株に売りが集中」と書き、株探は実質的には値上がり銘柄が8割のリスクオン(投資家が積極的にお金を動かす状態)だったと解説しています。同じ1日が、日経平均で見ると「AI売りの日」、プライム全体で見ると「幅広く買われた日」になります。

→ 僕のルール:日経とTOPIXが逆を向いた日は、ニュースの見出しを日経平均の数字だけで読まない。「日経大幅安」の見出しの日に、プライムの8割が上がっていることがある。値上がり銘柄の割合を先に見ます。

③ 押し上げの記録——4日で+1,454円、2日で-781円

9月8日の記事で「1社の押し上げ累計が1,000円を超えたら、その銘柄の方向だけを毎日記録する」と決めました。ここまでの記録です。

・9/4 +473円 ・9/7 +504円 ・9/8 +273円 ・9/9 +204円(ここまで累計 約+1,454円) ・9/10 ±0円(株価変わらず) ・9/11 -217.22円 ・9/14 -563.98円(2日で-781.20円)

4日かけて積んだ分の54%を、2日で返しました。 株価で見ると、9/3の5,001円から9/9の6,810円まで+36.2%上がり、今日は5,839円。9/3と比べるとまだ+16.8%上にいます。

もうひとつ気づいたのは、上がるときは材料が「期待」でゆっくり、下がるときは「ニュース1本」で一気にという速度の違いです。4日かかった上げの半分が、実質2日で消えています。

→ 僕のルール:1社の押し上げを記録するときは、上げ幅だけでなく「何日かけて積んで、何日で返したか」の日数も残す。額だけ見ていると、上がりと下がりの速さの違いに気づけませんでした。

セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」

売られたのはAIと非鉄金属、買われたのはそれ以外のほぼ全部でした。

上位のサービス業+4.09%は、リクルートホールディングス(+985円、+6.35%)が大きく、日経平均も1社で99.06円押し上げています。今日の押し上げ1位です。銀行業も+1.52%で6位。10年債利回りが2.995%と3%目前にある中で、金利が上がると儲けやすい銀行が買われるのは、前回までの「利回りが下がって銀行が売られる」とは逆の、素直な並びです。

非鉄金属-2.35%は、9/9に+6.88%で1位だった業種です。9/10に-3.63%、今日も最下位。2営業日で上げ幅をほぼ吐き出しました。

構図を一言でいうと、AI関連の中だけで売りが起きて、外側は普通に買われていた日です。

売買代金上位・注目銘柄

・キオクシアHD(285A) 50,590円(-6.37%) ・ソフトバンクグループ(9984) 5,839円(-10.72%) ・アドバンテスト(6857) 31,080円(-2.02%) ・太陽誘電(6976) 8,714円(-5.38%) ・フジクラ(5803) 4,834円(-2.97%) ・イビデン(4062) 19,140円(-2.15%) ・村田製作所(6981) 7,167円(-2.52%) ・日経レバレッジETF(1570) 63,920円(-1.13%) ・東京エレクトロン(8035) 50,930円(-1.03%) ・三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) 3,720円(+1.61%)

上位10のうち9銘柄がマイナスで、プラスは三菱UFJだけでした。プライムの8割が上がった日に、売買代金の上位はほぼ全部マイナス。 商いが集まった場所と、上がった場所がきれいに分かれています。

個別株で目立った動き(ストップ高/安含む)

・ソフトバンクグループ(9984)-10.72%:OpenAIの年内上場見送り。一時13%安で、プライムの値下がり率1位 ・キオクシアHD(285A)-6.37%:AI向けの需要が鈍るという見方で、半導体の中でも下げが大きい ・リクルートHD(6098)+6.35%:日経平均の押し上げ1位(+99.06円) ・次世代原発(SMR、小型の原子炉)関連でストップ高が相次ぐ:日本ギア工業+24.73%、TVE+15.19%、岡野バルブ製造+18.14%、助川電気工業 ・リンカーズ(5131)+44.25%:SBIホールディングスとの資本業務提携を発表 ・北川鉄工所(6317)+23.43%:業績の上方修正と増配

AIの「期待」で売られた日に、原発の「思惑」ではストップ高が並びました。テーマで株を買う人が、テーマを乗り換えただけという見方もできます。

為替と外部環境

・ドル円 154円25銭前後(前日比 円安方向) ・米国(9/11金) ダウ+0.98% / S&P500 +0.86% / ナスダック+0.96% ・上海総合 3,885.33(-0.07%) ・新発10年国債利回り 2.995%(+0.010%) ・WTI原油 103ドル台(+3%前後)

アメリカは金曜に3指数そろって上げていました。8月のCPI(消費者物価指数)はコアが前月比+0.3%と予想を上回ったのに、株は上げています。外からの材料は悪くなかった。 それでも日経が下げたのは、週末に出たAIのニュースがソフトバンクグループに直撃したからで、外部環境の問題ではありません。

気になるのは原油です。中東情勢の緊張で、WTIは100ドルを超えたまま。10年債利回りは3%目前です。今週は9/15〜16にアメリカのFOMC(金利を決める会合)、9/17〜18に日銀の会合が続きます。 市場は日銀が政策金利を1.00%から1.25%へ上げると見ています。

テクニカルで見る今の位置

今日はTradingViewのデータを取得できなかったので、公開情報での簡易版です。

・日経平均の日中安値は62,726.18円(9時28分)。1カ月強ぶりに63,000円を割り込む場面 ・9月限のSQ値(先物の清算に使う値段)は63,039.49円 ・大引けは63,492.99円で、安値から約767円戻して終わり

SQ値というのは、9/11に先物やオプションの決済に使われた値段です。今日の日経は朝にこの値段を割り込み、その後は戻して上で終わりました。割ったまま終わらなかった、というだけの話で、ここが下値の目安になったとまでは言えません。

※テクニカルの数値は公開情報に基づく簡易版です。投資判断は自己責任で。

全体像:AIの中だけで売りが起き、外側は普通に買われた日

週末に「OpenAIは年内に上場しない」と伝わり、ソフトバンクグループが-10.72%で日経を563.98円押し下げました。 同じ流れで、キオクシア・アドバンテスト・東京エレクトロンなどAI関連の値がさ株も下げ、日経は518円安。一方でプライムの78.5%は上がり、TOPIXもグロース250もプラス。アメリカ株は金曜に上げていて、外の材料はむしろ追い風でした。売りはAI関連の内側に閉じていて、お金はリクルートや銀行、原発関連へ移っています。

こういう相場で僕が意識しているのは、「日経平均が下げた」と「日本株が下げた」を同じ意味で使わないことです。今日の日経平均は、半分以上がソフトバンクグループ1社の値段の話でした。9月に入ってから、日経の動きを1〜2社で説明できる日を何度も記録してきましたが、今日はその状態が「上げ」から「下げ」にひっくり返った日です。指数を1社が作っている状態は、上げのときだけでなく下げのときにも同じように効く。 当たり前ですが、記録を続けて初めて数字で見られました。

今日の迷い・判断メモ

迷ったポイント: 前回の仮説③を✅にするか❌にするかで迷いました。条件だけ見れば「企業物価が予想超えで、利回りが2.92%以上」なので無効条件を満たしています。ただ、利回りを押し上げたのは報道を見るかぎり原油高とアメリカの物価で、企業物価ではありません。

結局どう考えたか: ❌(無効条件に該当)にしました。条件は満たしたので結果は変えない。そのうえで「理由が違った」と学びに書きました。条件を作った自分が、あとから「理由が違うからノーカウント」とすると、判定のルールを後出しで変えることになるからです。

後から振り返って: 判定は維持します。ただ、次から仮説を作るときは「何がきっかけで動いたら確認とするか」まで条件に入れます。今回の①も同じで、銅と電線が同じ方向に動いた理由が「業種ごとの売り」だったのか「中国の銅輸入」だったのかは、条件からは区別できません。

自分なら何を確認してから動くか

  • ソフトバンクグループの押し上げ・押し下げの記録を続ける。 9/4からの純額は約+673円。ここがマイナスに転じる日が来るかどうかだけを見る。売買の判断には使わない
  • FOMC(日本時間9/17早朝)と日銀会合(9/18)の結果が出るまで、金利に反応しやすい銀行株や輸出株の値動きに理由をつけない。 会合前の動きは「予想の予想」なので
  • 値上がり銘柄の割合と日経平均の方向が逆の日を数える。 今日は「日経マイナス・値上がり78.5%」。これが続くなら、ニュースの見出しを見る順番そのものを変える

明日の観測ポイント

明日9月15日(火)はアメリカでFOMCが始まり、中国で8月の鉱工業生産と小売売上高が出ます。結果の発表は日本時間9/17の午前3時。9/18は日銀会合の結果と、日本の8月の全国消費者物価指数です。

① 仮説: 今日のAI売りは、AI全体ではなくソフトバンクグループ固有のニュース(OpenAIの上場時期)の比重が大きい

トリガー: 9/15にソフトバンクグループとアドバンテストの騰落が逆方向で引ける → 「今日の売りの中心はSBG固有の材料だった」と記録する

無効条件: 両社が同じ方向で引ける → AI関連をまとめて売り買いする流れとして、SBGだけを別扱いする説明を捨てる

判定対象外: どちらかが前日比変わらずの場合

→ 僕のルール:同じ日に下げた銘柄を「同じ理由」でくくる前に、翌日に別々の方向へ動くかを見る。前回の仮説①(銅と電線)は、別々だと思ったら同じ方向に動きました。今回はその逆を確かめます。

② 仮説: 日経とTOPIXのズレ(NT倍率の低下)は、AI関連からそれ以外へのお金の移動なので1日で終わらない

トリガー: 9/15のNT倍率(日経平均÷TOPIX)が今日の15.65を下回る → 移動が2日続いたと記録する

無効条件: NT倍率が15.65を上回る → 今日のズレは1日だけの反動だったと整理する

判定対象外: なし(上か下かの2択にします)

→ 僕のルール:「お金が移った」と言うなら、2日目も同じ向きかを確認してから言う。1日だけのズレは、ただの反動かもしれないからです。

③ 仮説: 10年債利回りが3%目前でも、日銀会合の前に銀行株の上げは続かない

トリガー: 9/15に銀行業がマイナスで引け、かつ10年債利回りが2.95%以上 → 「金利は高いまま、銀行株だけ会合前に一服」と記録する

無効条件: 銀行業がプラスで引け、かつ利回りが2.95%以上 → 会合前でも金利の高さに素直に反応していると整理する

判定対象外: 10年債利回りが2.95%を下回った場合(前提の「3%目前」が崩れるため)

→ 僕のルール:大きなイベントの前の値動きには、判定対象外の範囲を必ず先に決めておく。9月8日の記事で、条件を片側だけに置いて何も判定できなくなった反省を、ここでも使います。

明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで。

今日の3語メモ

-563.98円:ソフトバンクグループ1社が日経平均を押し下げた額。下げ幅518.35円より大きい。日経平均が下げた日は、下げ幅より大きい押し下げを作った1社がいないかを最初に探す

78.5%:東証プライムで値上がりした銘柄の割合。日経は-0.81%でもTOPIXは+0.74%。「日経安」の見出しの日でも、値上がり銘柄の割合は別に見る

4日と2日:ソフトバンクグループが+1,454円を積むのにかかった日数と、そのうち781円を返すのにかかった日数。期待で積んだ上げは、ニュース1本で速く崩れる


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この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年9月14日時点のものです。

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