今日のアメリカ株は4日続落でした。S&P500が−0.58%、ナスダックが−0.65%、ダウは316ドル安。ニュースの見出しは「中東の緊張で原油が100ドル超え、金利が上がって株安」です。原油(WTI)は1日で+6.69%、102.48ドルまで上がりました。
でも、数字を並べていちばん引っかかったのはエネルギー株でした。 原油が7%近く上がった日なのに、石油関連の会社を集めたエネルギーセクターは−0.58%。11業種の中でちょうど真ん中の6番目で、プラスにすらなっていません。
理由を追いかけたら、「1年以上先の原油の値段」に行き着きました。 10月に受け渡す原油は+6.69%でしたが、来年12月に受け渡す原油は−0.14%〜+0.60%で、ほとんど動いていません。市場は今日の原油高を「しばらくしたら収まる話」として値段をつけていて、同じ読み方が石油株にも金利の中身にも出ていました。
前回の仮説チェック
前回(9月8日)の記事で立てた3つの仮説と、9月4日から持ち越している1つを答え合わせします。
① 仮説: アムジェンの−10%は「4日分の材料が一度に出た」もので、追加の売りは続かない トリガー: 9月9日にアムジェンの下落率が−2.0%以内に収まる(ただし出来高が平均の2倍以上なら精算完了とは判定しない) 結果: ✅ 確認。9月9日は−0.48%。出来高は292万株で、3ヶ月平均(266万株)の1.10倍でした。値動きと出来高の両方で条件を満たしています 学び: 休場明けの一括精算は1日で終わっていました。ただし今日(9月10日)のアムジェンは−2.25%。これはHSBCという証券会社が評価を「買い」から「中立」に下げたという別の新しい材料によるものです。精算の続きと混ぜて数えないようにします。
② 仮説: 売られたのは「Lp(a)という考え方」で製薬全体ではないので、無関係な大型バイオは戻る トリガー: 9月9日にバイオジェン・ブリストル・バーテックスの3銘柄すべてがプラスで引ける 無効条件: 3銘柄のうち2つ以上がさらに−1.0%以上下げる 結果: 判定保留(どちらも成立せず)。バイオジェン−0.83%、ブリストル−0.43%、バーテックス−1.47%。3社とも戻らなかったけれど、−1%を超えたのはバーテックスだけでした 学び: 「全部プラス」と「2社以上が−1%以上」の間に、「戻らないけど崩れも広がらない」という広い隙間がありました。今回の結果はまさにその隙間に落ちています。次からは、トリガーと無効条件の間に何が起きたら何と判定するかまで、先に決めておきます。
③ 仮説(9月4日②の続き): 債券が動かないのはCPI待ちで、9月11日まで金利は動かない トリガー: 9月8日〜10日の3営業日で、2年国債の変化が累計±0.05%以内に収まる 無効条件: 累計0.10%以上の変動 結果: ❌ 否定。2年国債は4.37%→4.56%で、累計+0.19%。内訳は9月8日+0.02%、9日+0.04%、10日+0.13%。最終日に一気に動きました 学び: 債券はCPIを待ちませんでした。先に来た原油の急騰とPPI(企業間で取引されるモノの値段)の日に動いています。「〇〇を待っているから動かない」という仮説は、待っている材料より先に別の大きな材料が来ると崩れる。期限は切れていましたが、その期限の中に何が来るかまでは見ていませんでした。
④ 仮説(9月4日③の続き): アドビの下落は社長交代という1社の事情で、ソフトウェア全体の評価が変わったわけではない トリガー: 決算後、アドビが±3%以上動いてもソフトウェアETF(IGV)が±1.0%以内に収まる 結果: ⏳ 判定待ち。決算は9月10日の引け後に出ました。時間外取引ではアドビ−2.02%(米東部時間19時半ごろ時点)で、まだ「±3%未満=判定対象外」の範囲です。本格的な反応は9月11日の通常取引で出るので、判定はそこでやります
主要指数
・S&P500 7,591.70(−44.66 / −0.58%) ・Nasdaq 26,081.72(−171.62 / −0.65%) ・NYダウ 52,064.10(−316.56 / −0.60%) ・ラッセル2000 2,890.95(−30.29 / −1.04%) ・VIX(恐怖指数) 17.84(+1.38 / +8.38%)
VIXは「これから相場がどれくらい荒れそうか」を表す数字です。17.84は高すぎる水準ではありませんが、9月8日の15.72から3営業日続けて上がっています。
CNNのFear & Greed指数(市場の感情を0〜100で表す指標)は、今日も公式の数字を取れませんでした。非公式のサイトには値が出ていましたが、サイトによって33〜38と割れていたので載せません。
相場を動かした3つのポイント
① 原油+6.69%の日に、エネルギー株は−0.58%
原油が上がれば石油会社は儲かるので、株も上がる。普通はそう考えます。でも今日はそうなりませんでした。
エネルギーセクターの中身を、仕事の種類で分けてみます。
| 仕事 | 銘柄 | 騰落率 | |---|---|---| | 原油そのもの(参考) | 原油に連動するETF(USO) | +5.61% | | 原油を掘って売る | エクソンモービル +0.61% / コノコフィリップス +0.37% / EOG +0.31% | 小幅高 | | 原油を買ってガソリンなどに作り変える(精製) | マラソン・ペトロリアム −1.76% / バレロ −0.91% / フィリップス66 −0.87% | 下落 | | 掘る作業を請け負う(サービス) | ハリバートン −2.85% / シュルンベルジェ −1.82% | 下落 | | セクター全体 | XLE | −0.58% |
原油を掘って売る会社でさえ、上昇は+0.3〜0.6%程度でした。原油が+6.69%なのに、その10分の1も上がっていません。精製の会社にとって原油は仕入れの材料なので、値上がりはそのままコスト増になり、下げたのは筋が通ります。
引っかかるのは「掘る会社がほとんど上がらなかった」ほうです。
→ 僕のルール:「原油高=石油株高」を前提にしない。 エネルギーセクターの数字を見たら、まず中身を「掘る・作り変える・手伝う」に分けてから考えます。今日はそこを分けたおかげで、「掘る会社すら上がっていない」という本当の違和感にたどり着けました。
② 答えは「1年以上先の原油」にあった
原油の先物には、受け渡しの月ごとに別々の値段がついています(10月に受け取る原油、11月に受け取る原油……という具合です)。ニュースで「原油+6.7%」と言われるのは、いちばん近い月の値段です。
そこで、受け渡しが先の月まで並べてみました。
| 受け渡しの月 | 9月9日 | 9月10日 | 変化 | |---|---|---|---| | 2026年10月 | 96.05ドル | 102.48ドル | +6.69% | | 2026年11月 | 92.87ドル | 98.40ドル | +5.95% | | 2026年12月 | 89.32ドル | 93.93ドル | +5.16% | | 2027年1月 | 86.29ドル | 90.02ドル | +4.32% | | 2027年6月 | 76.12ドル | 76.80〜77.36ドル | +0.89%〜+1.63% | | 2027年12月 | 71.69ドル | 71.59〜72.12ドル | −0.14%〜+0.60% | | 2028年12月 | 68.29ドル | 68.10〜68.53ドル | −0.28%〜+0.35% |
※2027年1月までは9月10日の清算値(その日の正式な値段)です。2027年6月以降は清算値が取れなかったので、清算後の夜間取引の値を時刻を変えて2回取り、その幅で書いています(取る時刻によって数字が動きます)。
近い月ほど大きく上がって、1年以上先はほとんど動いていません。 市場は今日の原油高を「今の供給が不安だから上がっている」と見ていて、「来年以降もずっと高い」とは見ていない、と読めます。
石油を掘る会社の価値は、この先何年も掘り続けて得る利益で決まります。今月の値段だけが上がって、1年以上先の値段が動いていないなら、会社の価値もそれほど変わらない。掘る会社の株が+0.3〜0.6%しか上がらなかったのは、この表と合っています(ここは僕の推測で、会社ごとに確かめたわけではありません)。
→ 僕のルール:原油のニュースを見たら、近い月と1年以上先の値段を並べて確認する。 先の値段が動いていない値上がりは「今だけの話」として扱い、石油株がそれについていくとは考えません。
③ 金利も同じ読み方をしていた——10年国債+0.12%のうち、0.09%は実質金利
今日は金利も大きく動きました。10年国債の利回りは4.83%→4.95%(+0.12%)、2年国債は4.43%→**4.56%(+0.13%)**です。
金利の上昇は、2つの部品に分けられます。
| 10年国債 | 9月9日 | 9月10日 | 変化 | |---|---|---|---| | 金利(名目) | 4.83% | 4.95% | +0.12% | | うち、物価の影響を除いた金利(実質金利) | 2.46% | 2.55% | +0.09% | | うち、市場が予想する将来の物価上昇率(BEI) | 2.37% | 2.40% | +0.03% |
+0.12%のうち、4分の3は実質金利でした。 原油が+6.69%も上がったなら、「これから物価が上がる」という予想(BEI)が大きく動いてもよさそうです。でも実際は+0.03%だけでした。
じゃあ実質金利はなぜ上がったのか。来週9月16日にFOMC(FRBの金融政策を決める会合)があって、報道ベースでは**利上げの確率がPPI発表のあと約70%**まで上がったとされています(CMEの公式ツールの値は確認できていないので、数字はあくまで報道の値です)。
そのPPIの中身も、同じ方向を向いていました。8月のPPIは前月比+0.4%で予想どおりでしたが、エネルギーが+4.2%上がったのに対して、サービスは+0.1%。物価の上昇はエネルギーに偏っていて、ほかの品目にはまだ広がっていません。
つまり債券市場も、原油高を「FRBが近いうちに利上げする材料」として受け取った、と考えられます。物価予想がほとんど動いていないので、「インフレが長引く話」としては扱われていません。原油の先物(②)と金利の中身(③)が、同じ答えを出していました。
もうひとつ。中東の緊張が高まった日なのに、安全資産の金は下がりました(どのくらい下がったかはデータの出どころで割れていて確定できません。下がった方向だけはすべてのデータで一致しています)。金は持っていても利息がつかないので、実質金利が上がると売られやすい。これも③と合っています。
→ 僕のルール:金利が上がった日は「物価予想」と「実質金利」に分けて見る。 物価予想が動いたならCPIのような物価の数字が、実質金利が動いたならFOMCが、次に効いてくる材料になります。どちらが動いたかで、次に何を見るかが変わります。
セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」
今日は11業種のうち、上がったのは2つだけでした。そして一番下はテクノロジーです。
| 強い順 | セクター | 騰落率 | |---|---|---| | 1 | 通信サービス | +0.60% | | 2 | 生活必需品 | +0.05% | | 3〜10 | 金融 −0.33% / 一般消費財 −0.44% / ヘルスケア −0.55% / エネルギー −0.58% / 資本財 −0.72% / 不動産 −0.83% / 公益 −0.98% / 素材 −1.23% | | | 11 | テクノロジー | −1.41% |
テクノロジーの中では、**半導体ETF(SOXX)が−2.74%、ソフトウェアETF(IGV)が−0.62%**でした。9月4日から3営業日続いていた「半導体がソフトウェアより強い」形が、今日ひっくり返っています。ただし、ソフトウェアが買われたわけではありません。両方下げていて、半導体の下げが大きかっただけです。
金利が上がると、「将来たくさん稼ぐはず」と期待されている会社ほど株価が下がりやすいと言われます。今日の半導体の下げはその説明と合いますが、今日だけで確かめられる話ではないので、仮説として置いておきます。
Mag7(超大型テック7社)の動き
・アップル +3.56%(前日のイベントで折りたたみiPhoneを発表) ・アルファベット +0.59% ・マイクロソフト +0.16% ・アマゾン −0.20% ・テスラ −1.16% ・メタ −1.42% ・エヌビディア −2.37%
アップルだけが大きく逆行高でした。新しいCEOの初めての発表イベントは9月9日で、その日の株価は−0.28%。上がったのは翌日の今日です。
メタは前日にAIエージェント「Muse」を発表して+6.55%上がっていて、今日はJPMorganが評価を引き上げたのに−1.42%でした。前日に大きく上がった分が戻ったと思われます。
個別株で目立った動き
決算
- アドビ:引け後に決算発表。売上67.6億ドル(前年比+13%)、1株利益(調整後)6.13ドルで、予想(6.07〜6.09ドル)をわずかに上回りました。AI関連の年間契約額は前年比+150%超。それでも時間外取引では−2.02%(米東部時間19時半ごろ時点)です。次の四半期の売上見通しは68.0〜68.5億ドルで、真ん中の68.25億ドルが市場の予想(68.5億ドル)に届きませんでした。1株利益の見通し(6.30〜6.35ドル)は予想(6.30ドル)並みだったので、嫌気されたのは売上の見通しのほうだと思われます。前回からの仮説④の判定は明日です
- オラクル:決算前の通常取引は**−5.38%。引け後に予想を上回る決算を出して、時間外では+4.45%**(米東部時間19時半ごろ時点)まで戻っています
- クーパー(コンタクトレンズ大手):−14.67%。次の四半期の利益見通しが予想を下回り、証券会社3社がそろって評価を下げました
- エアロバイロンメント(ドローンなどの防衛機器):前日の引け後に好決算(受注残が15億ドルで過去最高)を出し、今日は**+4.45%**
その他
- フリーポート・マクモラン −6.59% / サザン・コッパー −7.23%:銅の会社。銅の値段が最高値の近くから下がったためと報じられています(理由のほうは確認度が高くありません)
決算の日の値動きは、「通常取引」と「引け後の時間外取引」で向きが逆になることがあります。今日のオラクルとRH(家具のRH)は、どちらも通常取引で下げて、時間外で上がりました。
マクロ環境(大きな経済の流れ)
・米10年国債 4.95%(+0.12%) ・米2年国債 4.56%(+0.13%) ・10年と2年の差 0.39%(−0.01%) ・物価の影響を除いた金利(10年実質金利) 2.55%(+0.09%) ・市場が予想する将来の物価上昇率(10年BEI) 2.40%(+0.03%) ・WTI原油 102.48ドル(+6.69%) ・ブレント原油 107.63ドル(+6%前後。データの出どころで+5.9〜6.34%と割れています) ・ドル指数(DXY) 99.09(+0.32%) ・金 下落(水準はデータで割れて確定できず) ・ドル円 153円台〜154円台(終値がデータで割れて確定できず、変化率は出せません)
経済指標(9月10日に発表されたもの)
- PPI(8月・前月比):+0.4%(予想+0.4%、前回+0.1%)→ 予想どおり
- PPI(8月・前年比):+5.4%(予想+5.3%、前回+4.7%)→ 予想をわずかに上回る
- 新規失業保険申請件数:20.6万件(予想20.5万件、前回20.7万件)→ ほぼ予想どおり
- 中古住宅販売(8月・年率):398万戸(予想398万戸)→ 予想どおり、前月比−2.0%
10年国債の4.95%は、報道によると2023年以来の高さです。FOMCは9月16日で、FRBの人たちは会合前の発言禁止期間に入っています。
テクニカルで見る今の位置
今日もTradingViewのデータを取得できる環境がありませんでした。代わりに、公開されているデータ(Investing.com、1か所だけのデータなので確認度は中くらい)で整理します。
・S&P500(SPY):50日移動平均線(直近50日の平均値の線)と200日移動平均線を、どちらも下回っています。RSI(買われすぎ・売られすぎを0〜100で表す指標)は32.3で、「売られすぎ」の目安の30に近づいています ・ナスダック100(QQQ):同じく50日線・200日線をどちらも下回り、RSIは35.8
1年の高値からの距離は、S&P500が−2.88%、ナスダックが−4.08%、ダウが−4.90%、ラッセル2000が−5.82%。9月8日の時点ではS&P500が−1.83%だったので、3営業日で1%ほど高値から離れました。
RSIが30に近づくと「下げすぎだから戻る」と言われることもあります。でも今日の下げは金利という材料がはっきりしているので、数字だけで戻りを期待するのは早いと感じています。
※テクニカルの記述は公開データに基づく概況です。投資判断は自己責任で。
全体像:原油高は「今だけ」、金利は「利上げ」、痛んだのはテック
今日の流れを順番に並べると、こうなります。
米イラン間の緊張が高まる → 近い月の原油が+6.69%で100ドル超え → でも1年以上先の原油はほぼ横ばい → 石油を掘る会社の株は小幅高、精製とサービスは下げてエネルギー株は−0.58% → 同じ日のPPIはエネルギー主導で+0.4% → 債券市場は物価予想(+0.03%)より実質金利(+0.09%)を動かし、利上げ観測が強まる → 金利上昇に弱い半導体(−2.74%)とテクノロジー(−1.41%)が一番売られる
見出しは「原油高で株安」でした。でも中身を追うと、原油高 → 利上げ観測 → 金利上昇 → テック安という、1段遠回りした経路だったと考えています。原油のニュースなのに、一番売られたのは石油と関係の薄いテクノロジーだったのは、そのためだと思われます。
こういう相場で僕が意識しているのは、「値上がりしたもの」と「その値上がりを市場がどのくらい長く続くと見ているか」を分けることです。 今日の原油は、値段は派手に上がったのに、市場は「今だけ」と見ていました。値上がりの大きさだけを見ていたら、「石油株を買うべき日」に見えたかもしれません。
今日の迷い・判断メモ
迷ったポイント: エネルギー株が−0.58%なのを見て、最初は「前日までに上がりすぎた分が売られただけ」だと思いかけました。実際、前日の9月9日はエクソンモービルが+2.22%、シェブロンが+1.91%と上げていたので、そう考えるとすっきり説明がつきます。
結局どう考えたか: もし「上がりすぎた分の売り」なら、一番上がっていた掘る会社から売られるはずです。でも中身を分けると、今日下げたのは精製とサービスで、掘る会社はむしろ小幅高でした。売られ方が「上がった順」になっていなかったので、この説明はやめて、原油の値段そのものをもう一段深く見に行きました。それで受け渡し月ごとの値段にたどり着きました。
後から振り返って: 受け渡し月ごとの値段を集めたとき、最初に手元で見た今月分の値段は103.8ドルでした。ニュースの102.48ドルと合いません。調べたら、僕が見ていたのは引けたあとの夜間取引まで含んだ値段で、その日の正式な値段(清算値)ではありませんでした。前回の記事で「前日比の基準日がズレていた」と反省したのと、同じ種類の間違いです。「その数字は、いつの時点の値段か」を、比べる前に確かめる。 今回は2027年1月までは正式な値段に直せましたが、それより先の月は直せていません。時刻を変えて取り直すと、来年12月分は−0.14%だったり+0.60%だったりしました。「近い月に比べて先の月はほとんど動いていない」という方向は変わりませんが、1つの数字として言い切れる精度ではないので、幅で書いています。
自分なら何を確認してから動くか
今日の相場を受けて、次に何か判断する前に確認することを3つ。
- CPIのあと、10年国債の動きが「物価予想」と「実質金利」のどちらから来ているか。物価予想(BEI)が大きく動き始めたら、原油高を「今だけ」と見ていた市場の読み方が変わったサインと受け止めます
- 1年以上先の原油(2027年12月の受け渡し分)が動き出すかどうか。ここが上がり始めたら、石油を掘る会社の見え方も変わるはずなので、今日の「エネルギー株が上がらない」という形が続くかを見直します
- 決算の日は、通常取引と時間外取引を分けて記録する。今日のオラクルは−5.38%から時間外+4.45%(19時半ごろ時点)でした。どちらの数字を「決算への反応」と呼ぶかを、先に決めてから見ます
明日の観測ポイント
次の取引日は9月11日(金)。朝8時30分(アメリカ東部時間)に8月のCPI(消費者物価指数)が出ます。予想は、総合が前年比+3.3〜3.4%(前回+3.4%)、食品とエネルギーを除いたコアが前年比+2.4%(前回+2.5%)です。そして9月16日にFOMC。
① 仮説: 債券市場は原油高を「インフレ」ではなく「利上げ」として受け取っていて、CPIの日も物価予想より実質金利のほうが動く
トリガー: 9月11日の10年国債の金利の変化のうち、実質金利の変化が半分以上を占め、物価予想(BEI)の変化が±0.03%以内に収まる → 「利上げとして受け取っている」と確定させる
無効条件: 10年BEIが+0.05%以上動く → 物価予想そのものが動き始めたと判断する
→ 僕のルール:CPIの数字が予想より上か下かより先に、金利のどの部品が動いたかを見る。 数字が上振れても物価予想が動かないなら、市場は「FRBが対応する話」として受け取っているので、次に見るのはFOMCになります。
② 仮説: 石油を掘る会社の株は、近い月の原油ではなく、1年以上先の原油の値段についていく
トリガー: 9月11日に近い月の原油が±3%以上動いても、原油を掘る会社を集めたETF(XOP)の変化が±1.0%以内に収まる → 「近い月の値段にはついていかない」と確定させる
無効条件: XOPが近い月の原油と同じ方向に2.0%以上動く → 近い月の値段にもついていくと判断する
判定対象外: 近い月の原油の変化が±3%未満
→ 僕のルール:原油と石油株の関係は、原油が大きく動いた日だけで判定する。 原油が静かな日に石油株が動いても、それは別の理由なので数えません。前回の②で「トリガーと無効条件の間の隙間」に落ちたので、今回は判定対象外の範囲も先に書いておきます。
③ 仮説(9月4日③の続き): アドビの下落は社長交代という1社の事情で、ソフトウェア全体の評価が変わったわけではない
トリガー: 9月11日の通常取引で、アドビが±3%以上動いてもソフトウェアETF(IGV)が±1.0%以内に収まる → 1社の事情だったと確定させる
無効条件: IGVがアドビと同じ方向に1.0%以上動く → 業種全体の評価の問題だったと判断する
判定対象外: アドビの変動が±3%未満
→ 僕のルール:CPIの日は、ソフトウェアETFが金利だけで動くこともある。 なので判定するときは、半導体ETF(SOXX)の動きも並べて書きます。ソフトウェアも半導体も同じように動いていたら、それは金利の話として扱い、アドビの判定には使いません。
明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで。
今日の3語メモ
「原油+6.69%でエネルギー株−0.58%」「来年12月の原油は±0.6%以内」「10年国債+0.12%のうち実質金利+0.09%」
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この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年9月10日時点のものです。

