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33業種中26業種が上がって、日経だけ下げた|09月01日 日本株分析

・約13分で読めます

日経平均は▲96.59円(▲0.15%)で終わりました。ニュースの見出しだけ見たら「下げた日」です。

でも東証の33業種のうち、26業種が上がっています。値上がり銘柄は843、値下がりは657。TOPIXにいたっては+0.62%で9日続伸です。下げたのは日経平均だけでした。

この日、日経を押し下げた上位5銘柄の合計はおよそ**▲430円ぶん。実際の下げ幅は▲96.59円なので、残りの220銘柄が合わせて+333円**ぶん押し上げていた計算になります。指数が下げることと、市場が弱いことは、こんなにはっきり別物になるんだなと思いました。

前回の仮説チェック

前回の日本株の記事は8月26日(水)でした。少し間が空いてしまったので、まず立てた仮説の答え合わせから始めます。検証対象は翌8月27日(木)です。

① 日経の上げは1社頼みのまま反転するか → ✅ 当たり

仮説は「8月27日の日経平均の変動幅は、アドバンテスト1社が50%以上を占める」でした。

結果は日経平均が66,131.98円(▲130.18円)。このときアドバンテスト(6857)1社が押し下げた分がおよそ▲263円です。指数全体の下げ幅より、1社の押し下げのほうが大きい。50%どころか200%を超えていました。

上げ方向で1社集中だったものが、翌日は下げ方向で1社集中になった。方向が変わっても「1社で指数が決まる」構造そのものは変わらなかった、ということだと思います。

② 売買代金の5日連続減はどこで止まるか → ✅ 当たり

仮説は「8月27日の売買代金は前日の6兆7,057億円を上回る」、トリガーは「7兆円台を回復する」でした。

結果は7兆8,700億円ほどで、7兆円台を回復しています。エヌビディアの決算という大きなイベントを待って商いが細っていた、という読みのほうが正しかったことになります。

ただ、この数字はデータの出どころによって食い違いが出ていて、東京証券取引所の一次データまで確認しきれませんでした。「7兆円台に戻った」という方向は複数のソースで一致しているので、そこは信じていいと思いますが、細かい桁は保留にしておきます。

③ 金融3業種の上昇は日銀観測か、1日の反応か → ✅ 当たり(ただし中身は半分ハズレ)

仮説は「証券・保険・銀行のうち2業種以上が上昇率トップ10に残る」でした。

結果は**銀行業が4位(+0.68%)、証券・商品先物取引業が5位(+0.63%)**でトップ10入り。トリガーの「2業種以上」は満たしています。

ただ保険業は**▲0.24%で22位**。上がるどころか下げていました。3業種をひとまとめに「金融」と呼んで扱っていたけれど、金利が上がったときに素直に反応するのは銀行と証券で、保険は別の動きをする。ひとまとめにしていた自分のくくり方のほうが雑だった、という学びのほうが大きかったです。

主要指数

・日経平均 66,215.34円(▲96.59 / ▲0.15%) ・TOPIX 4,181.86(+25.57 / +0.62%)※9日続伸 ・東証グロース250 800.09(▲11.95 / ▲1.47%) ・東証プライム 値上がり843 / 値下がり657 / 変わらず50 ・売買代金 7兆5,016億円(出来高22億7,826万株) ・ドル円 159円台後半(やや円安寄りで横ばい)

値上がり銘柄が全体の54%、33業種中26業種が上昇。数だけ見れば「まあまあ強い日」です。それでも日経平均がマイナスで終わったのは、日経平均が「株価の高い銘柄ほど指数に効く」計算方法だからです。株価5万円の銘柄が1%下げるのと、株価500円の銘柄が1%下げるのとでは、指数への効き方が100倍違う。今日はその高い側が売られました。

相場を動かした3つのポイント

① 長期金利が3.005%、30年ぶりに3%を超えた

新しく発行された10年物の国債の利回り(=日本が10年間お金を借りるときの金利)が、前日より0.065%上がって**3.005%**になりました。3%台は1996年9月以来、およそ30年ぶりです。

理由は2つ重なっています。1つは日銀の利上げ観測。8月27日の講演で氷見野副総裁が物価について「これまで以上に上振れリスクを意識する必要がある」と話していて、市場は9月の利上げをかなりの確率で見込んでいます。もう1つは国の財政への不安で、2027年度予算の各省庁からの要求額が143兆円前後と4年連続で過去最大になりました。

金利が上がると、銀行は貸出で稼ぎやすくなるので買われます(三菱UFJは+0.54%で売買代金6位)。逆に、まだ利益が出ていない成長企業は「将来の利益」を今の価値に直すときの割引が大きくなるので売られます。東証グロース250が▲1.47%だったのはこれです。

→ 僕のルール:金利が節目を超えた日は、銘柄を選ぶ前にまず「銀行が上がってグロースが下がっているか」を確認する。この教科書どおりの並びが出ていれば、その日の主役は個別の材料ではなく金利だと判断して、テーマ株を追いかけない。

② 中東の緊迫が、朝の▲735円を埋め戻した

前日の米国市場は、トランプ大統領の対イラン強硬発言を嫌気して続落しました(ダウ▲0.70%、S&P500▲0.33%、ナスダック▲0.12%)。その流れを受けて日経平均は65,885.47円(▲426.46円)で始まり、9時13分頃には**65,576.61円(▲735.32円)**まで沈みます。

ところが、ここから逆に戻り始めました。同じ「中東が危ない」という材料が、原油の値上がり(WTI原油が86.57ドル、+0.94%)を通じて、資源やエネルギーの会社を買う理由に変わったからです。業種別の上昇上位は鉱業+3.81%、石油・石炭製品+3.67%、卸売業(=商社)+2.80%。安値からの戻り幅は638.73円、日中の高値66,525.70円まで見れば安値から949円動いています。

同じニュースが、朝は売る理由で、昼には買う理由になる。学校じゃ絶対に教えてくれないやつです。

→ 僕のルール:ひとつのニュースを「悪材料」と決めつけない。誰にとって悪くて誰にとって良いかを、業種別の騰落率で確認してから判断する。朝の下げにつられて売らなくてよかった、という日でした。

③ 日経とTOPIXが逆を向いた——犯人は5銘柄

日経平均は▲0.15%、TOPIXは+0.62%。逆方向です。

日経を押し下げた上位5銘柄と、それぞれが指数を何円押し下げたかがこちら。

| 銘柄 | 指数への押し下げ | |---|---| | 東京エレクトロン(8035) | 約▲146円 | | ファーストリテイリング(9983) | 約▲96円 | | アドバンテスト(6857) | 約▲75円 | | リクルートHD(6098) | 約▲72円 | | フジクラ(5803) | 約▲41円 | | 合計 | 約▲430円 |

一方で押し上げ側は、ソフトバンクグループ+50円、キオクシアHD+24円、豊田通商+23円、KDDI+19円、三菱商事+15円。

日経225は225銘柄で構成されています。上の5銘柄で▲430円ぶん引っ張られて、それでも実際の下げが▲96.59円で済んだということは、残りの220銘柄が合わせて+333円ぶん押し上げていたことになります。

日経平均は日本株の代表みたいな顔をしていますが、今日に関しては「値段の高いハイテク5銘柄の成績表」でした。

→ 僕のルール:日経とTOPIXが逆を向いた日は、日経の数字を相場の結論にしない。どちらが多数派かをTOPIXと値上がり銘柄数で確かめて、そっちを相場観に採用する。

セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」

上がった上位5業種 電気・ガス業 +4.28% / 鉱業 +3.81% / 石油・石炭製品 +3.67% / 鉄鋼 +3.61% / 卸売業 +2.80%

下がった下位5業種 サービス業 ▲1.91% / 非鉄金属 ▲1.13% / 小売業 ▲0.50% / 機械 ▲0.40% / 金属製品 ▲0.19%

並べてみると、上がったほうは全部「実物を扱う会社」です。電気、石油、鉄、資源、商社。逆に下がったのはサービス業や小売といった、値段の高いハイテクや内需の成長株が多く入っている業種でした。

原油が上がって金利も上がった日は、実物を持っている会社にお金が向かう。今日の構図はそれ一本です。

売買代金上位・注目銘柄

・キオクシアHD(285A) 51,000円(+2.02%)/売買代金 約1兆4,963億円 ・フジクラ(5803) 5,298円(▲3.74%)/約2,256億円 ・アドバンテスト(6857) 33,380円(▲0.92%)/約2,126億円 ・ティアフォー(593A) 2,539円(+5.84%)/約1,956億円 ・太陽誘電(6976) 9,283円(+1.08%)/約1,886億円 ・東京エレクトロン(8035) 54,980円(▲2.59%)/約1,506億円

ここでいちばん驚いたのはキオクシアです。売買代金1兆4,963億円は、東証プライム全体7兆5,016億円の**約20%**にあたります。市場で動いたお金の5分の1が1銘柄に集まっている。

半導体の中でも、キオクシア(+2.02%)は買われて、東京エレクトロン(▲2.59%)とフジクラ(▲3.74%)は売られました。「半導体が買われた/売られた」とひとくくりにできない日で、記憶メモリの需要という話と、製造装置やAI設備投資という話は、別々に動いていたようです。

個別株で目立った動き

・スクウェア・エニックスHD(9684) 3,161円(+6.97%) 月刊誌『選択』が上場をやめる(非公開化)観測を報じたことで急伸しました。ただし会社は同じ日のうちに事実無根と否定しています。

・東京電力HD(9501) 572.3円(+6.36%) 電気・ガス業が業種別トップになった、その牽引役でした。

・日本製鉄(5401) 大幅反発 UBS証券が目標株価を840円→940円に引き上げ。鋼材の値上げが4年ぶりに本格化するという見立てが理由です。

・六甲バター(2266) 1,161円(+86円) 配当の方針を変更して、年間配当を20円→30.5円に増額。株主優待も拡充しました。

・テラドローン 一時+10.01% マレーシアの防衛企業と組む発表(8月31日)への反応が続きました。

面白いのは、スクエニのように「報道が出た→会社が否定した→それでも株価は+6.97%で終わった」という動き方です。否定が出た後も戻り切らなかったということは、市場は報道そのものより「そういう話が出るくらい株主から圧力がかかっている会社なんだ」という部分を見たのかもしれません。ここは自分の想像なので、答え合わせはできていません。

為替と外部環境

・ドル円 159円台後半(仲値159.80円、午後は159.90円台まで反発) ・米国株(8/31) ダウ 53,185.90(▲0.70%)/S&P500 7,686.14(▲0.33%)/ナスダック 26,370.89(▲0.12%) ・上海総合 3,979.89(▲0.16%)/香港ハンセン 25,329.73(▲0.93%) ・日本10年国債利回り 3.005%(+0.065%) ・WTI原油 86.57ドル(+0.94%)

普段と違ったのは、原油と株が逆に動いたことです。ふつう原油高は企業のコスト増なので株にはマイナス寄りですが、今日は原油高が資源株買いに直結して、指数の下支えになりました。中東情勢が材料のときは、原油関連の会社にとって「値上がりする商品を持っている」ことが強みになるからだと思います。

テクニカルで見る今の位置

今日はチャート分析ツール(TradingView)からのデータが取得できなかったので、公開されている数字だけで整理します。

日経平均は8月27日が66,131.98円、今日が66,215.34円。この4営業日は66,000円台前半でほとんど動いていません。一方でTOPIXは9日続伸中です。

指数の片方が横ばいで、もう片方が9日続けて上がっている。この状態がどのくらい続くのかは、正直まだ判断できるだけの経験がありません。ただ「日経が動いていない=相場が止まっている」ではないことだけは、今日の中身を見てはっきりしました。

全体像:同じニュースが売る理由にも買う理由にもなった日

起点は中東でした。対イラン情勢の緊迫が原油を押し上げ、それが米国株安と金利上昇の両方を作りました。日本にはまず「米国株が下げた」という側面が届いて、寄り付きは▲426円、一時▲735円まで沈みます。

ところが日中を通じて効いてきたのは「原油が上がった」「金利が上がった」という側面のほうでした。資源、エネルギー、商社、鉄鋼、電力、銀行という重い実物系にお金が回り、TOPIXは9日続伸、値上がり843銘柄、33業種中26業種が上昇。市場の中身はむしろ強かったんです。

それでも日経平均だけがマイナスで終わったのは、東京エレクトロン・ファーストリテイリング・アドバンテストといった値段の高い5銘柄で▲430円ぶん引っ張られたからでした。

こういう相場で僕が意識しているのは、「指数の符号」と「市場の強弱」を別々にメモしておくことです。今日を「日経▲96円の日」と1行で記録してしまうと、半年後に読み返したとき絶対に読み違えます。「日経▲96円、でも26業種上昇、TOPIX9日続伸」まで書いて初めて、その日の記録になると思っています。

今日の迷い・判断メモ

迷ったポイント 朝の時点で日経が▲735円まで沈んだとき、「中東リスクで相場全体が崩れ始めた」と読むか、「米国株安が届いただけの一時的な下げ」と読むかで判断がつきませんでした。ニュースの見出しはどちらの読み方も許すように書かれていて、自分では決められなかったです。

結局どう考えたか 判断を保留して、業種別の騰落率が出そろうのを待ちました。全業種が下がっているなら前者、資源やエネルギーが上がっているなら後者、という分け方をあらかじめ決めておいて、実際に鉱業と石油・石炭が上位に来たのを見て後者だと判断しました。

後から振り返って 判断そのものは維持します。ただ「業種別が出そろうまで待つ」というのは、朝の9時台にはどうしようもないということでもあります。前場の1時間で結論を出さないといけない場面だったら同じやり方はできない。時間をかけられる前提の判断基準しか持っていない、というのが今日いちばんの弱点でした。ここは次に考えます。

自分なら何を確認してから動くか

  1. 10年国債の利回りが翌日も3%台で引けるか。1日だけ超えて戻るのか、水準として定着するのかで、銀行株とグロース株の見方をどちらも変える必要があるため。
  2. 日経とTOPIXの符号が揃うか。今日みたいに逆を向いている間は、指数を見ても市場全体の判断材料にならないので、値上がり銘柄数のほうを主に見る。
  3. 原油が下がった日に、鉱業・石油・卸売がどうなるか。今日の上昇が原油に紐づいているのか、それとも別の資金が入っているのかを、原油が下げた日にだけ確認できる。

明日の観測ポイント

① 長期金利3%台は定着するか、1日だけの突き抜けか

  • 仮説:9月2日も新発10年債の利回りが3.000%以上で引ける
  • トリガー:終値ベースで3.000%以上を維持
  • 無効条件:2.9%台に押し戻される → 30年ぶりの節目は一時的な行き過ぎだった → 僕のルール:節目を超えた初日は「超えた」と記録するだけで、水準としては扱わない。2日続けて残って初めて、そこを前提に銘柄の見方を変える。

② 資源・エネルギー買いは原油に紐づいているか

  • 仮説:WTI原油が下落した日に、鉱業・石油石炭・卸売の3業種は騰落率の下位半分に沈む
  • トリガー:原油下落かつ3業種のうち2業種以上が下位半分
  • 無効条件:原油が下げても3業種が上位に残る → 中東要因ではなく、別の理由でお金が入っている → 僕のルール:上がった理由の候補が2つあるときは、片方が消えた日を待って確かめる。上がっている最中に理由を確定させない。

③ 日経とTOPIXの乖離は続くか

  • 仮説:9月2日もTOPIXの騰落率が日経平均の騰落率を上回る(10日続伸なら決定的)
  • トリガー:TOPIX騰落率 > 日経平均騰落率
  • 無効条件:日経がTOPIXを上回る → 値段の高いハイテク株の売りが一巡した合図 → 僕のルール:乖離が続いている間は日経を判断材料から外す。片方の指数が5銘柄で決まっている状態では、比べる意味がないため。

明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで。

今日の3語メモ

26業種:東証33業種のうち26業種が上昇。日経平均が▲0.15%だったこととは別の話。指数の符号と市場の強弱は分けて記録する

▲430円:日経を押し下げた上位5銘柄の合計。実際の下げ幅▲96.59円より大きく、残り220銘柄は+333円ぶん押し上げていた計算になる

3.005%:10年国債の利回りが1996年9月以来、約30年ぶりに3%台へ。銀行が買われグロースが売られる、という並びの出発点

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