一日中エヌビディアの話をしていた市場で、エヌビディアより上がった会社が3社ありました。
エヌビディアの決算は前日の取引終了後に出て、今日がその反応の日でした。株価は+8.74%。十分に大きい上げです。ところが同じ日に、オクタが+28.63%、セールスフォースが+22.58%、クラウドストライクが+20.50%上がっています。どれもエヌビディアの2倍以上です。
僕はこの日、ニュースの見出しと実際の値動きが指している場所がずれていることに気づきました。今日はそのずれを追いかけます。
前回の仮説チェック
昨日(8月26日)の記事で3つの仮説を立てたので、答え合わせをします。
仮説①: エヌビディアの時間外の上昇は、通常の取引では目減りする トリガー: 8月27日の終値が$217を下回る 結果: ❌ 外れ(無効条件が成立) 学び: 終値は**$227.98**でした。$217を下回るどころか、大きく超えています。昨日の僕は「時間外は参加者が少ない時間帯だから、値が動きやすい」と考えて、上昇が目減りする側に賭けました。結果は逆で、時間外でついた評価がそのまま通ったうえに、さらに上乗せされています。ただ、判定基準の作り方そのものは間違っていなかったと思っています。$217という線は、確実に取れている前日終値$209.66に、報道で一番低かった上昇率+3.5%を掛けて自分で計算した数字でした。おかげで今日、一次データだけで機械的に○×がつきました。予想を外すことと、判定できない仮説を立てることは別の失敗です
仮説②: エネルギーの反転は、原油ではなく別の材料で動いている トリガー: 8月27日も原油が下落し、かつエネルギー(XLE)がプラスで引ける 結果: ⏳ 判定不能(前提が崩れた) 学び: 原油が上がりました。WTI原油は82.23ドルから83.53ドルへ+1.58%、ブレント原油も+2.12%です。僕は「原油が下がる」ことを前提にトリガーと無効条件の両方を書いていたので、原油が上がった時点でどちらも判定できなくなりました。前提が動く可能性を条件に入れていなかったのが今回の設計ミスです。ただ、この日のエネルギー(XLE)は−0.22%でマイナスでした。つまり原油が上がったのにエネルギー株は下がっている。昨日は原油が下がったのにエネルギー株が上がりました。向きは逆ですが、ねじれているという意味では2日連続です
仮説③: コアPCEの高止まりは、ジャクソンホールを通過するまで金利を押し上げ続ける トリガー: 8月27〜28日に10年もの国債利回りが4.70%を超える 無効条件: 10年ものが4.66%以下にとどまる 結果: ⏳ 保留(トリガーにも無効条件にも当たらない隙間に着地) 学び: 10年ものは**4.67%**でした。4.70%は超えず、4.66%以下でもない。自分で作った2つの条件の、ちょうど間に入ったわけです。これは予想が外れたのとは違う失敗で、条件の設計に隙間が空いていたということです。次からは「トリガーに当たらなければ自動的に無効条件」になるよう、境界を接するように書きます。なお仮説の期限は「8月27〜28日」なので、判定自体はまだ生きています
主要指数
| 指数 | 終値 | 前日比 | 前日比率 | |---|---|---|---| | NYダウ | 53,569.44 | +105.56 | +0.20% | | S&P500 | 7,730.99 | +55.29 | +0.72% | | ナスダック総合 | 26,541.35 | +411.15 | +1.57% | | ラッセル2000 | 3,014.34 | +8.44 | +0.28% | | VIX(恐怖指数) | 14.50〜14.51 | −0.70〜−0.72 | 約−4.7% |
4つとも上がっています。ただ、上がり方の差が今日の話の中心になります。
相場を動かした3つのポイント
① 決算で注目されたのはエヌビディアで、一番上がったのは別の3社だった
その日に決算を出した会社と、その反応を並べます。
| 会社 | 前日終値 | 終値 | 変動率 | |---|---|---|---| | オクタ(OKTA) | $134.42 | $172.91 | +28.63% | | セールスフォース(CRM) | $205.62 | $252.05 | +22.58% | | クラウドストライク(CRWD) | $189.18 | $227.96 | +20.50% | | エヌビディア(NVDA) | $209.66 | $227.98 | +8.74% |
僕はここで、値上がり率だけで判断するのは危ないと考えました。会社の規模が違うと、同じ%でも意味が変わるからです。そこで出来高が前日の何倍になったかも見ました。出来高は、その銘柄が何株取引されたかという数字です。値段と違って、参加者がどれだけ集まったかを表します。
| 会社 | 前日の出来高 | 当日の出来高 | 倍率 | |---|---|---|---| | セールスフォース | 1,489万株 | 5,552万株 | 3.7倍 | | オクタ | 703万株 | 1,636万株 | 2.3倍 | | クラウドストライク | 1,362万株 | 2,344万株 | 1.7倍 | | エヌビディア | 1億7,990万株 | 2億9,720万〜2億9,891万株 | 1.7倍 |
エヌビディアの出来高そのものは2億9,720万〜2億9,891万株で、他を圧倒しています(この銘柄だけ取得元によって約170万株の差が出たので幅にしました。倍率はどちらで計算しても1.7倍です)。それでも前日からの増え方はセールスフォースの3.7倍が一番大きい。値幅で見ても、集まった人の増え方で見ても、この日いつもと違うことが起きたのはエヌビディアの外側でした。
セールスフォースは決算が市場予想を上回り、通期の見通しも引き上げています。加えてアンソロピックとの提携(クロードフォース)を発表しました。CEOのベニオフ氏は「これはSaaSの終わりではない」という趣旨の発言をしたと報じられています。SaaSは、ソフトウェアを買い切りではなく月額で貸す商売のことです。AIがこの商売を壊すのではないかという不安が、この1年ずっとソフトウェア株の重しになっていました。決算がその不安を否定した、という受け取られ方をしたようです。
ここは報道経由の情報なので、僕は「そう報じられている」までを事実として扱い、それが本当に株価を動かした理由かどうかは断定しません。
② 11あるセクターのうち10が下がった日に、指数は4つとも上がった
米国株は11の業種(セクター)に分けて見ることができます。その日の成績です。
| 順位 | セクター | 変動率 | |---|---|---| | 1 | 情報技術 | +3.16% | | 2 | エネルギー | −0.22% | | 3 | 金融 | −0.65% | | 4 | 公益 | −0.76% | | 5 | 素材 | −0.82% | | 6 | 資本財 | −0.85% | | 7 | 不動産 | −0.95% | | 8 | 通信サービス | −1.07% | | 9 | 一般消費財 | −1.09% | | 10 | ヘルスケア | −1.13% | | 11 | 生活必需品 | −1.38% |
上がったのは情報技術だけです。残り10は全部マイナスでした。それなのに指数は4つとも上がっている。
なぜそうなるのかは、指数の上がり方の順番を見ると分かります。
- ナスダック総合 +1.57%(ハイテクの比率が一番高い)
- S&P500 +0.72%(大型株500社。ハイテクの比率は中くらい)
- ラッセル2000 +0.28%(小型株2000社)
- NYダウ +0.20%(30社。ハイテクの比率は低い)
ハイテクをどれだけ抱えているかの順に、きれいに並んでいます。つまりこの日の上昇は、市場全体が良かったから起きたのではなく、情報技術という1つのセクターの力が、他の10セクターの重さを押し返した結果として起きています。指数に含まれるハイテクが多いほど、その押し返す力が強く出た。
僕がこの日いちばん面白いと思ったのはここです。指数の数字だけを見ると「上がった日」ですが、中身を開けると「10のセクターが下がった日」でもある。どちらも同じ日の同じ事実です。
③ 金利は全部の期間で+0.01ずつ上がった。カーブの形は動いていない
米国債の利回りを、期間別に並べます。数字は米国財務省が毎日出している公式データです。
| 期間 | 前日 | 当日 | 前日比 | |---|---|---|---| | 2年 | 4.19% | 4.20% | +0.01 | | 3年 | 4.29% | 4.30% | +0.01 | | 5年 | 4.37% | 4.38% | +0.01 | | 7年 | 4.51% | 4.52% | +0.01 | | 10年 | 4.66% | 4.67% | +0.01 | | 20年 | 5.17% | 5.18% | +0.01 | | 30年 | 5.18% | 5.19% | +0.01 |
7つの期間が全部、揃って+0.01です。ここまできれいに揃うのは珍しいと思って、僕は2年と10年の差(スプレッド)も計算しました。前日が4.66−4.19=+0.47、当日が4.67−4.20=+0.47。変化していません。
グラフを平行に上へずらしただけで、形は1ミリも変わっていないということです。
利回りの期間ごとの差は、市場が将来の景気やインフレをどう見ているかを表します。短い期間だけ上がれば「近いうちに利上げがある」という見方ですし、長い期間だけ上がれば「先々のインフレが心配」という見方です。今日はそのどちらでもなく、全体が同じだけ持ち上がりました。
この日はジャクソンホール会議(世界の中央銀行関係者が集まる年次会合)の初日で、地区連銀の総裁からインフレを警戒する発言が複数出たと報じられています。それでもカーブの形が動いていないということは、金利の側では今日、見方の中身が書き換わっていないと読めます。
セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」
上の表の通り、上がったのは情報技術だけでした。ここで注意したいのは、この日の資金の動きは「乗り換え」ではないという点です。
「乗り換え」なら、売られたセクターから資金が抜けて、買われたセクターに入ります。その場合は上がるセクターと下がるセクターがだいたい半々になります。今日は1対10でした。しかも主要ETF(指数に連動する投資商品)の出来高は、SPYが直近9営業日平均の95%、QQQが90%、DIAが82%、IWMが85%と、全部が平均を下回っています。
新しいお金が市場に入ってきたわけでもなく、大きな乗り換えが起きたわけでもない。全体が静かな中で、1つのセクターだけに人が集まったという形に見えます。
Mag7(超大型テック7社)の動き
| 銘柄 | 前日終値 | 終値 | 変動率 | |---|---|---|---| | エヌビディア | $209.66 | $227.98 | +8.74% | | テスラ | $345.82 | $354.81 | +2.60% | | マイクロソフト | $496.37 | $505.06 | +1.75% | | アップル | $313.45 | $314.58 | +0.36% | | アルファベット | $342.00 | $340.65 | −0.39% | | メタ | $576.14 | $571.10 | −0.87% | | アマゾン | $260.28 | $256.26 | −1.54% |
7社のうち3社が下がっています。「ハイテクが買われた日」と一言でまとめると、この3社が見えなくなります。買われたのはハイテク全部ではなく、その日に材料があった銘柄でした。
個別株で目立った動き
半導体の中でも、上と下に割れた
エヌビディアの決算が良かったのだから、半導体はまとめて上がりそうなものです。実際はそうなりませんでした。
上がった側
| 銘柄 | 変動率 | |---|---| | ブロードコム | +4.49% | | インテル | +4.36% | | SMH(半導体ETF) | +3.10% | | スーパーマイクロ | +2.86% | | TSMC | +2.30% |
下がった側
| 銘柄 | 変動率 | |---|---| | マイクロン | −0.32% | | ASML | −0.61% | | AMD | −0.89% |
同じ決算を見て、半導体の中が上下に割れています。なぜAMD・マイクロン・ASMLだけが逆に動いたのか、僕は今日、説明する記事に行き当たりませんでした。だから理由は書きません。分かっているのは「AI関連が一律に買われたわけではない」という事実だけです。
思いつく説明はいくつかあります。AMDはエヌビディアの直接の競合なので、エヌビディアが強いほど不利に見られる、といった見方です。ただこれは僕の推測であって、この日の値動きの理由だと確認できたわけではありません。確認できていない説明を、確認できた事実と同じ場所に書かないようにします。
HPは決算が良かったのに下がった
HP(HPQ)は決算そのものは市場予想を上回りました。それでも**−2.92%**です。パソコンの出荷台数が16%減ったことと、メモリなどの部品の値上がりで利益率が圧迫されていることが嫌気されたと報じられています。
決算が予想を超えても株価が下がることは珍しくありません。市場が見ているのは、発表された数字そのものより、その先どうなるかの方だからです。
マクロ環境(大きな経済の流れ)
| 項目 | 前日 | 当日 | 変化 | |---|---|---|---| | 2年もの国債利回り | 4.19% | 4.20% | +0.01 | | 10年もの国債利回り | 4.66% | 4.67% | +0.01 | | 30年もの国債利回り | 5.18% | 5.19% | +0.01 | | WTI原油 | $82.23 | $83.53 | +1.58% | | ブレント原油 | $87.84 | $89.70 | +2.12% | | 金 | $4,598.20 | $4,609.70 | +0.25% | | ドル指数(DXY) | 99.17 | 99.16 | ほぼ横ばい | | ドル円 | 約159.26円 | 約159.39〜159.44円 | ほぼ横ばい |
その日発表された経済指標です。
| 指標 | 実績 | 予想 | 前回 | |---|---|---|---| | 新規失業保険申請件数 | 20万3,000件 | 20万8,000件 | 20万7,000件 | | 継続受給者数 | 177万8,000人 | 179万人 | 179万6,000人 |
失業保険を新しく申請した人が予想より少なく、前の週より減りました。雇用は強いままです。
そして金融政策です。政策金利は3.50〜3.75%で据え置きが続いています。次の会合は9月15〜16日の2日間で、政策の発表は16日です(米連邦準備制度理事会の公式カレンダーで確認しました)。
その会合について市場が見ている確率は、据え置き86.3%、利上げ13.7%、利下げ0.0%と伝えられています。ただしこの3つの数字は、僕が公式のデータで裏を取れませんでした。確率を出しているCME FedWatchは過去の日付をさかのぼって無料で見ることができず、二次的な集計サイト経由の値です。だから数字そのものは参考として扱い、「利下げが視野に入っていない」という方向だけを採ります。
ここは意識しておきたいところです。市場はもう利下げを見ていません。むしろ利上げの可能性を少しだけ見ている。雇用が強く、物価がなかなか下がらない状況では、こうなります。
ジャクソンホール会議は8月27日から29日で、この日はその初日でした。ウォーシュ議長にとって初めての基調講演は**8月28日の午前10時(米東部時間)**の予定です。つまりこの日は、一番大事な話が始まる前日にあたります。
テクニカルで見る今の位置
| 商品 | 終値 | 変動率 | 出来高(9日平均比) | |---|---|---|---| | SPY(S&P500連動) | $771.10 | +0.66% | 95% | | QQQ(ナスダック100連動) | $721.11 | +1.37% | 90% | | DIA(ダウ連動) | $535.22 | +0.19% | 82% | | IWM(ラッセル2000連動) | $299.81 | +0.29% | 85% |
4つとも上がって、4つとも出来高は平均以下です。
一方で、市場の気分を測る指標は明るくなっています。VIX(恐怖指数。市場がこの先の値動きの荒さをどう見ているかを表す)は14.50〜14.51で約−4.7%。データの取得元によって小数点第2位が0.01違うので、幅で書いています。CNNの恐怖・強欲指数は前日の53.94(中立)から**58.17(強欲)**に上がりました。1ヶ月前は37.63で、その頃は不安寄りだったので、大きく改善しています。
ここで食い違いが出ています。気分の指標は明るいのに、参加している人の数と、上がった銘柄の広がりは弱い。値上がりした銘柄より値下がりした銘柄の方が多かったという集計もあります(この銘柄数のデータは出どころが1つだけで裏が取れていないので、数字そのものは参考程度に見ています。ただ11セクター中10がマイナスという確認済みの事実と方向は合っています)。
全体像:マクロは逆風だったのに、指数は上がった
この日の材料を、株にとって追い風か逆風かで並べ直してみます。
逆風だったもの
- 金利が全部の期間で上がった
- 利下げの確率が0.0%になった
- ジャクソンホール初日にインフレを警戒する発言が複数出た
- 11セクターのうち10が下落した
- 主要ETFの出来高が全部平均を下回った
追い風だったもの
- エヌビディアの決算が市場予想を上回った
- ソフトウェア3社の決算も予想を上回り、見通しも引き上げられた
数の上では逆風の方が多い。それでも指数は4つとも上がりました。
僕の理解では、この日は決算という個別の材料だけが、マクロの重さを押し返した日です。もし上昇の理由がマクロ側にあったなら、もっと広い範囲が上がっていたはずです。実際には情報技術しか上がっていない。指数の上昇率がハイテク比率の順に並んだことが、この読み方を支える一番素直な証拠だと考えています。
言い方を変えると、この日の上昇は「地合いが良くなった」ではなく「特定の会社の中身が良かった」で説明できるということです。前者なら翌日以降も続きますが、後者なら材料が切れたところで止まります。どちらなのかは、明日以降の広がり方を見るしかありません。
今日の迷い・判断メモ
迷い①:ダウの押し上げを「どの銘柄がいくら分か」で書こうとして、途中でやめた
NYダウは30社の株価を足して特定の数で割る仕組みなので、計算上は「この銘柄が何ポイント分押し上げたか」を厳密に出せます。今日はそれを出したいと思いました。「エヌビディア1社でダウの上昇分を説明できる」といった強い数字が出そうだったからです。
実際に30社の株価を集めて計算したところ、セールスフォース1社でダウを+267ポイント押し上げたという結果が出ました。ダウの実際の上げ幅は+105.56ポイントなので、残り29社が大きくマイナスという、とても目を引く数字です。
書く前に検算しました。この計算に使う「割る数」は、構成銘柄が変わらない限り毎日同じはずです。そこで前後3営業日で同じ計算をして、同じ数が出るかを確かめました。結果は0.175736、0.125089、0.173834。揃いませんでした。
揃わないということは、僕が使った30社のリストが今の構成と違っている、ということです。この状態で計算した「+267ポイント」は、根拠のない数字です。全部捨てました。
危なかったと思っています。数字は具体的で、大きくて、記事の見出しになりそうな形をしていました。目を引く数字ほど、出た後で検算しないといけない。今日はたまたま「同じ計算を別の日でもやってみる」という手順を挟んだから気づけました。
→ 僕のルール:強い数字が出たときほど、その数字を作った前提を別のデータで再現できるか試す。再現できないなら、どんなに魅力的でも捨てる
迷い②:仮説③が「隙間」に落ちたのを、どう扱うか迷った
10年ものの利回りは4.67%でした。僕が昨日書いたトリガーは「4.70%を超える」、無効条件は「4.66%以下にとどまる」。4.67%はそのどちらにも当たりません。
最初、「4.70%に届かなかったのだから外れでいい」と処理しようとしました。でもそれをやると、自分に都合よく後から条件を読み替えることになります。昨日の自分は4.67%という結果を想定していなかっただけで、外れとは書いていない。
→ 僕のルール:判定条件は、間に隙間ができないように書く。「AならX、そうでなければY」の形にすれば、どんな結果でも必ずどちらかに落ちる。今回のように「Aなら X、Bなら Y」と書くと、AでもBでもない結果が出たときに判定できなくなる
自分なら何を確認してから動くか
今日の値動きを見て何かしたくなったとして、僕なら次の3つを先に確認します。
1. 上がったセクターの数が、翌日に増えているか
今日の上昇は情報技術1つが支えました。これが地合いの改善なら、翌日は他のセクターにも広がるはずです。広がらずに情報技術だけがまた動くなら、決算という一時的な材料の話が続いているだけだと考えます。
2. 出来高が平均を超えてくるか
今日は主要ETFの出来高が全部、平均以下でした。上げの理由が本物なら、参加する人は増えるはずです。値段だけが上がって人が増えないなら、その上げがどこまで支えられるかは分かりません。
3. ジャクソンホールの講演を通過するまでは、金利の形を見続ける
今日の金利は全期間が同じだけ上がっただけで、形は変わっていません。8月28日の講演で形が動くなら、そこで市場の見方が書き換わったということです。水準(何%か)ではなく形(期間ごとの差)を見るというのが、今週僕が持っている見方です。
明日の観測ポイント
① 仮説: この日の上昇はソフトウェアの決算という個別材料によるもので、翌日には他のセクターに広がらない
トリガー: 8月28日に情報技術(XLK)が下落し、かつ上昇したセクターが3つ以下にとどまる → 一日限りの個別材料だったと整理する
無効条件: 8月28日に上昇したセクターが6つ以上に広がる → 決算をきっかけに地合いそのものが改善したと判断する
→ 僕のルール:セクターの数で広がりを測る。指数の符号だけでは、今日のような「1対10でも指数はプラス」という日を見分けられない
② 仮説: 原油とエネルギー株のねじれは3日目に入る
トリガー: 8月28日も原油とエネルギー(XLE)が逆方向に動く → 3日連続になるので、原油とエネルギー株を結びつける自分のルールそのものを書き換える
無効条件: 原油とエネルギーが同じ方向に動く → 8月26〜27日は決算週特有の一時的なずれだったと考える
→ 僕のルール:ねじれが1日なら記録だけ、2日なら理由を探す、3日ならルールを書き換える。8月26日は原油が下がってエネルギーが上がり、8月27日は原油が上がってエネルギーが下がった。向きは逆だが、ねじれという意味では今日が2日目にあたる
③ 仮説: ウォーシュ議長の初講演で、平行移動していた金利の形が動く
トリガー: 8月28日に2年ものと10年ものの差が、今日の+0.47から0.03以上動く → 講演が金利の見方の中身を書き換えたと判断する
無効条件: 差が+0.44〜+0.50の範囲に収まる → 水準は動いても、期間ごとの見方の構造は動かなかったと整理する
→ 昨日の失敗を踏まえて、トリガーと無効条件が隙間なく接するように書きました。0.03以上動くか、動かないか。どちらかに必ず落ちます
明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで。
今日の3語メモ
「情報技術だけ上昇」「セールスフォース出来高3.7倍」「金利は全期間+0.01」
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この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年8月27日時点のものです。

