US Market×Jiyon

テクノロジーが最下位でも、アップルは1.4%上がっていた|08月18日 米国株分析

・約18分で読めます

この日、テクノロジーセクターは11業種で最下位でした。-2.47%です。

でもアップルは**+1.45%**、マイクロソフトは+0.27%、グーグルは+0.06%。上がっています。

セクターが最下位なのに、そのセクターで一番大きい会社たちは上げている。つまり沈めたのは大型テックではありませんでした。今日はその中身を見ていきます。

先に断っておくと、この記事は3営業日ぶりです。8月14日と8月17日はデータの収集まではやったのですが、記事にできていません。なので前回の仮説チェックは、8月13日に立てた仮説を3日分まとめて答え合わせします。

前回の仮説チェック(8月13日の仮説を、3営業日分まとめて)

① 物価が下がった理由は「コストが下がった」ではなく「需要が弱い」からだ → 半分✅、半分❌

トリガーは「7月の小売売上高が予想を下回る」でした。8月14日に発表された小売売上高は前月比-0.6%(予想は+0.1〜0.2%)。トリガー成立です。需要が弱いという読みは当たりました。

でも僕はそのとき「だからディフェンシブ(生活必需品・公益)が買われるはず」と続けていました。買われたのはエネルギーでした。生活必需品は8月17日に-1.64%で11業種中10位まで沈んでいます。

さらに厄介なことに、8月17日に出たNY連銀の製造業景況指数は20.60(予想は約11.0)と予想の倍近く、住宅市場指数も予想超え。「需要が弱い」の一枚岩ではなくなりました。そして8月18日の住宅着工は予想を大きく下回っています(後述)。3営業日で、強い数字と弱い数字が交互に出ました。

② シスコの下落は同社固有ではなく「AI設備投資は利益率を削る」という業界横断の問題だ → ✅ 成立、しかも3社目まで確認

トリガーは「アプライド・マテリアルズが8月14日に下げる」でした。結果は**-5.12%**。成立です。

さらに8月17日、マイクロソフトが**-3.04%**下げた理由としても「AI投資による利益率とキャッシュフローの圧迫」が挙がっています。3営業日で3社目。1社の話ではないと呼んでよい水準になりました。

③ 「AIの使う側から供給する側への移動」ではなく、そもそも両方買われていただけだ → ❌ 一度は否定、でも8月18日に別の答えが出た

トリガーは「8月14日もMag7とメモリ関連が同じ方向に動く」でした。実際はMag7はほぼ横ばい、メモリだけが独歩高。方向が揃わなかったので❌です。「両方買われていた」でもなく、もっと細かい選別が起きている、と僕は書き直しました。

8月17日はそれがさらに極端になります。Mag7が7銘柄そろって下げた日に、サンディスクだけが+8.88%。僕はこれを「メモリだけが別の力で動いている」と記録しました。

そして8月18日。サンディスクは-9.01%です。

2日前に+8.88%だったものが-9.01%。値幅がほぼ相殺されました。マイクロン-7.02%、ウエスタンデジタル-7.43%も同じ日です。

つまり、「別の力」ではありませんでした。同じ力の、一番大きく張られていた部分だった。ここが今日の一番大きな学びなので、後でもう一度書きます。

今日の数字

| 指数 | 終値 | 前日比 | 変動率 | |---|---|---|---| | NYダウ | 53,343.40 | -116.38 | -0.22% | | S&P500 | 7,691.76 | -53.30 | -0.69% | | ナスダック総合 | 26,289.71 | -355.20 | -1.33% | | ラッセル2000 | 3,017.89 | -39.65 | -1.30% | | VIX(恐怖指数) | 15.85 | +0.67 | +4.41% |

ダウ-0.22%に対してナスダック-1.33%。下げ幅に6倍の開きがあります。

ここで一つ、細かいけど大事な注意点があります。この日の記事を検索すると「ナスダックが1.3%下げた」と書いてあるものと「1.6%下げた」と書いてあるものが混在します。どちらも正しくて、指している指数が違います。

  • ナスダック総合(3,000銘柄超)= -1.33%
  • ナスダック100(大型100銘柄・QQQ)= -1.69%

大型のほうが深く売られたので差が開いています。同じ「ナスダック」でも中身が違うので、数字を引用するときは元がどちらか確認しないと、後で自分の記録と合わなくなります。

セクターの順位が、まるごと裏返っていた

ここが今日一番おもしろかったところです。前日と並べます。

| 順位 | セクター | 8月18日 | 前日の順位 | 前日の騰落率 | |---|---|---|---|---| | 1 | エネルギー | +1.76% | 1位 | +1.08% | | 2 | ヘルスケア | +1.60% | 4位 | -0.19% | | 3 | 生活必需品 | +1.06% | 10位 | -1.64% | | 4 | 金融 | +0.45% | 8位 | -1.00% | | 5 | 通信サービス | -0.31% | 11位 | -1.89% | | 6 | 一般消費財 | -0.33% | 9位 | -1.23% | | 7 | 公益 | -0.36% | 5位 | -0.29% | | 8 | 不動産 | -0.45% | 7位 | -0.97% | | 9 | 素材 | -0.88% | 6位 | -0.57% | | 10 | 資本財 | -1.48% | 3位 | -0.10% | | 11 | テクノロジー | -2.47% | 2位 | +0.16% |

前日の最下位2つ(生活必需品・通信サービス)が3位と5位に上がり、前日2位のテクノロジーが最下位に落ちています。

エネルギーだけが2日連続で1位です。

これ、1日で会社の中身が変わったわけではありません。同じ会社の集まりの順位が、丸一日で反対側へ移った。ということは、動かしたのは業績ではなく「今どこにお金が寄っているか」のほうです。

テクノロジーが最下位なのに、アップルは上がっていた

セクターの中身を開けます。Mag7です。

| 銘柄 | 終値 | 変動率 | |---|---|---| | アップル | 310.03 | +1.45% | | マイクロソフト | 481.63 | +0.27% | | グーグル | 344.20 | +0.06% | | アマゾン | 259.45 | -0.71% | | テスラ | 336.87 | -0.72% | | エヌビディア | 219.74 | -2.34% | | メタ | 543.67 | -4.45% |

3勝4敗です。しかも上位3社は上げている。

前日(8月17日)は0勝7敗でテクノロジーセクターは+0.16%のプラスでした。今日は3勝4敗でテクノロジーセクターは-2.47%のマイナス。

2日連続で、Mag7の勝敗とセクターの符号が逆を向いています。

これは僕にとってけっこう効いた発見でした。「Mag7を見ればテックの強弱がわかる」と無意識に思っていたのですが、2日続けて逆だったので、その前提はいったん外すことにします。

では何がセクターを沈めたのか。半導体です。

売られたのは「一番混んでいた場所」だった

| 銘柄 | 終値 | 変動率 | |---|---|---| | サンディスク | 1,625.78 | -9.01% | | マーベル | 216.00 | -7.82% | | ウエスタンデジタル | 496.16 | -7.43% | | マイクロン | 940.76 | -7.02% | | アーム | 253.32 | -6.67% | | インテル | 96.69 | -6.58% | | KLA | 194.79 | -5.33% | | ラムリサーチ | 327.92 | -4.63% | | AMD | 484.39 | -4.27% | | ASML | 1,802.98 | -4.26% | | TSMC | 413.41 | -4.07% | | アプライド・マテリアルズ | 514.33 | -3.92% | | ブロードコム | 380.00 | -3.17% | | クアルコム | 160.19 | -1.23% | | 半導体ETF(SOXX) | 531.39 | -4.96% |

きっかけとして報じられているのは、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事です。大手テック9社の財務諸表の注記を読み込んだところ、簿外のAI関連コミットメントが約3兆ドルあった、という内容でした。

「簿外(off-balance-sheet)」というのは、貸借対照表の本体には載っていないけれど、将来払う約束をしている金額のことです。注記に小さく書いてある。WSJによるとこの3兆ドルは、同じ9社のリース債務と長期借入金を足した額の約3倍で、しかも普通の設備投資(過去1年で約6,000億ドル)よりも速く増えているそうです。

ただ、僕がこの日の値動きで一番納得したのは、その記事の中身よりも下げ方のほうでした。

  • サンディスク:この日の寄り時点で年初来+653%、当日**-9.01%**
  • マイクロン:年初来**+255%、当日-7.02%**
  • クアルコム:AIメモリの主役ではない、当日**-1.23%**

上がっていた順に、深く下げています。しかもメモリ固有の悪材料は報じられていません。複数の記事が「純粋な利益確定」と書いています。

ここで8月14日・8月17日の自分の記録に戻ります。僕は3営業日にわたって「メモリだけが別の力で動いている」と書いていました。間違いでした。別の力ではなく、同じ力が一番厚く積み上がっていた場所だっただけです。積み上がりの大きさが、そのまま下げの深さになりました。

上がっている理由を探しているとき、僕は「なぜこれだけ強いのか」という問いを立てていました。でも本当に必要だったのは「どれくらい混んでいるのか」という問いのほうでした。前者は理屈が要りますが、後者は年初来のリターンを1回見れば済みます。

AI関連は、半導体だけじゃなかった

この日のダウで一番下げたのは半導体ではありません。**キャタピラー(CAT) -4.63%**です。建設機械の会社です。

キャタピラーは第2四半期に過去最高の決算を出していました。売上205億ドル(前年比+24%)、受注残720億ドル。伸びた理由としてAIデータセンターの建設需要が挙げられていて、決算後に複数の証券会社が目標株価を引き上げていました。

つまり**「AI関連として買われた建設機械」**です。それが半導体と同じ日に、半導体と同じくらい下げました。資本財セクターが-1.48%で下から2番目に沈んだのは、大部分がこの1社です。

一方で、同じ「AI」でもこちら側は無傷でした。

  • パランティア(AIソフト):-0.59%
  • セールスフォース:+2.71%(プラス)

「AI関連」という言葉が、この日は3つに割れています。半導体は-4〜9%、AI需要で買われていた資本財は-4.63%、AIソフトは横ばいから上昇。ひとくくりの言葉のままだと、この差は絶対に見えません。

住宅の数字が、正反対に割れた

朝8時半に出た経済指標です。米国勢調査局の公式発表を直接見にいきました。

| 指標 | 実績 | 予想 | 前月比 | |---|---|---|---| | 住宅着工件数(7月) | 1,239,000 | 約1,350,000 | -12.4% | | 建設許可件数(7月) | 1,443,000 | 約1,370,000 | +5.0% |

着工は大きく下振れ、許可は上振れ。逆を向いています。

言葉の意味を分けておきます。

  • 着工=いま実際に工事を始めた家の数(=足元の実行)
  • 許可=これから建てるために役所の許可を取った数(=先の計画)

足元は止まっているのに、先の計画は増えている。この組み合わせをどう読むかは正直まだ決めきれていません。金利が高すぎて今は着工を見送っているが、下がる前提で許可だけ確保している、という説明はできます。でもそれは僕の推測で、根拠はまだ持っていません。

もう一つ、これは自分用のメモとして残しておきたいのですが、国勢調査局は自分の統計に誤差幅を明記しています。

  • 住宅着工の前月比-12.4%には ±9.5% の誤差幅 → 12.4 > 9.5 なので統計的に有意
  • 一戸建て着工の-9.9%には ±10.4% の誤差幅 → 9.9 < 10.4 なので有意ではない

この日「一戸建て着工が4年ぶりの低水準」という見出しがいくつも出ていました。水準そのものはその通りでも、前月から減ったという部分は統計的に確定していません。役所が自分で「誤差はこれくらいある」と書いているのに、見出しではその部分が落ちます。一次ソースを開くのは、数字を確認するためだけじゃなくて、こういう但し書きを拾うためでもあると思いました。

金利は下がった。でも中身は逆を向いていた

株が下がった日なので金利が上がったと思いたくなりますが、逆でした。米財務省の公式データです。

| 年限 | 8月17日 | 8月18日 | 変化 | |---|---|---|---| | 2年 | 4.19% | 4.19% | 0bp | | 10年 | 4.72% | 4.71% | -1bp | | 30年 | 5.31% | 5.28% | -3bp |

年限が長いほど下がっています。前日(8月17日)は年限が長いほど上がる形だったので、これも丸一日で逆回転しました。

ここで一つ、見出しに引っかかりかけた話を書いておきます。8月18日付の記事に「30年債利回りが20年近い高水準」という見出しが複数ありました。でも公式の日次データを見ると、5.31%で19年ぶりの高値をつけたのは前日の8月17日で、8月18日は5.28%に下がっています。場中に一時的に上を試した可能性はありますが、確定値では引いた日です。

見出しの日付と、数字の日付が1日ずれる。これは僕が前から何度もやりかけているミスなので、公式CSVを開いて自分で並べる以外に防ぎようがないと改めて思いました。

そして中身の分解が、今日は特に効きました。

長期金利は「期待インフレ(これから物価がどれくらい上がると思われているか)」と「実質金利(そこを差し引いた、景気の強さや財政の話)」に分けられます。3営業日分並べます。

| 日付 | 10年金利 | うち期待インフレ | うち実質金利 | 動かしていたもの | |---|---|---|---|---| | 8月14日 | +5bp | +3bp | +2bp | インフレ懸念(原油高) | | 8月17日 | +4bp | +1bp | +3bp | 景気の強さ(指標が2本とも強かった) | | 8月18日 | -1bp | +2bp | -3bp | 景気期待が引いて、物価警戒が乗った |

3営業日で3回、動かしているエンジンが入れ替わっています。

そして8月18日は、名目だけ見ると「-1bp、ほぼ動いていない」で終わる日です。でも中を割ると、実質金利-3bpと期待インフレ+2bpが打ち消し合った結果の-1bpでした。住宅着工が大きく下振れたこと(景気期待が引く)と、原油が2日連続で上がったこと(物価警戒が乗る)が同時に効いた形と考えると、つじつまは合います。

「金利は動いていない」と「中で正反対の2つが動いて相殺した」は、まったく違う状態です。前者だと思って何もしないのと、後者だと知っていて次に備えるのとでは、翌日の準備が変わります。

決算がBeatでも、株価は動くとは限らない(2社)

この日、決算に対する株価の反応が対照的な2社がありました。

ホームデポ(HD):Beat+ガイダンス据え置き → 株価-0.12%

| 項目 | 実績 | 前年同期 | |---|---|---| | 売上 | 479億ドル(+5.7%) | 453億ドル | | 既存店売上 | +1.7%(米国 +1.3%) | — | | 調整後EPS | 4.92ドル | 4.68ドル | | 通期ガイダンス | 据え置き | — |

数字は良くて、見通しも下げていない。それで株価はほぼ動きませんでした(337.88 → 337.49)。

クラーナ(KLAR):Beat+ガイダンス下方修正 → 株価-22.81%

後払い決済(BNPL)の会社です。第2四半期はEPSが0.01ドル(予想は-0.06ドルの赤字)、売上10.4億ドル(前年比+27%、予想9.96億ドル)。両方Beatです。

でも通期の見通しを下げました。取扱高を1,550億ドル→1,490〜1,510億ドル、売上を43.4億ドル→40.8〜41.6億ドル。理由は最大市場であるドイツの小売の減速と、約6億ドルの為替の逆風。同じ日にCFOとCMOの2027年初退任も発表しています。

株価は**-22.81%**。

この2社を並べると、「決算がBeatかどうか」は株価の反応を予測しないという、8月13日のシスコで書いたのと同じ結論にまた戻ってきます。動かしているのは実績ではなく、その先の見通しが上がったか下がったか変わらなかったかのほうです。

ただ、クラーナについてもう一つ確認しておきたいことがありました。同業に伝染したかどうかです。

  • アファーム(AFRM):-1.29%
  • ペイパル(PYPL):-0.07%

ほぼ動いていません。市場は「後払い決済という業種の問題」ではなく「クラーナとドイツの問題」として切り分けています。この確認をしておかないと、翌日「BNPLが崩れた」という誤った枠組みを自分の中に持ち込むことになります。

今日の迷い・判断メモ

迷い①:セクターの数字を、どこから取るか

8月17日に、公益セクターの符号がWeb上の3系統で食い違うということがありました。プラスと書いてある記事とマイナスと書いてある記事が同時に存在した。

なので今日も、セクターETF11本の終値を自分で取って計算するところから始めました。時間はかかりますが、少なくとも「符号がどっちか分からない」という状態は起きません。

結果として、これは正解でした。この日の記事の柱である「テクノロジーが最下位なのにアップルは上げた」という話は、セクターの数字と個別の数字が同じ精度で並んでいないと成立しません。片方が伝聞だと、食い違いが「発見」なのか「データのズレ」なのか判定できない。

迷い②:場中の数字を終値として書きそうになった

この日、いくつかの記事が「ダウの下げを主導したのはキャタピラー-2.86%、エヌビディア-1.90%、ホームデポ-1.24%」と書いていました。

でも僕が終値ベースで計算すると、**キャタピラー-4.63%、エヌビディア-2.34%、ホームデポ-0.12%**です。特にホームデポは、-1.24%と-0.12%では「決算後に下げた」と「決算後に動かなかった」で意味が正反対になります。

これは場中のスナップショットと終値の違いでした。記事の公開時刻が引け前だと、こういうことが起きます。

なので今日は、主要な数字を3銘柄(サンディスク・メタ・キャタピラー)だけ別のサイトで独立に照合しました。3つとも自分の実測と小数第2位まで一致したので、残りも同じ取り方でよいと判断しています。全部を照合する時間はないので、一番驚いた数字と、一番結論に効く数字を選んで確認するというやり方です。

迷い③:「利上げ確率」を書くかどうか → 書かないことにした

8月17日は「据え置き64.7%/利上げ35.3%」という数字を記録していました。今日取得できたのは別のサイトの「据え置き73%/利上げ26%」です。

方向としては住宅着工のミスと整合するのですが、ソースが違ううえに、その数字がいつ時点のものか確定できませんでした。前日と比べると数字が大きく動いて見えますが、その動きが実際の変化なのか、単にサイトが違うだけなのか、区別がつきません。

なので具体的な数字は書かないことにしました。「利上げを織り込む地合いが続いている」という質的な話までにとどめます。比較できない2つの数字を並べて『◯%から◯%へ動いた』と書くのが、一番やってはいけないことだと思ったからです。

自分なら何を確認してから動くか

① 「AI関連」と書いてある記事を読んだら、それが3つのどれかを確認する

この日、半導体は-4〜9%、AI需要で買われた建設機械は-4.63%、AIソフトは横ばい〜プラスでした。同じ言葉が、まったく違う値動きを指しています。記事が「AI関連が売られた」と書いていても、自分の持っているものがどのグループかを確認しないと、話が自分に当てはまるかどうか分かりません。

② 「なぜ強いか」の前に「どれくらい混んでいるか」を見る

年初来+653%と+255%と、AIメモリの主役ではない銘柄。この日の下げ幅はほぼこの順番でした。

理由を探すのは時間がかかりますが、年初来のリターンを見るのは10秒です。順番を逆にしていました。混み具合を先に見て、それから理由を探す。

③ 決算の「Beat/Miss」ではなく、ガイダンスがどちらに動いたかを見る

ホームデポ:Beat+据え置き → -0.12% クラーナ:Beat+下方修正 → -22.81%

同じBeatで、株価の差は22.7ポイントです。見出しの「予想超え」は、株価の反応をまったく予測していません。

④ 金利は「上がった/下がった」で終わらせず、期待インフレと実質金利に割る

この日の10年金利は-1bpで、ほぼ動いていないように見えます。でも中は**-3bpと+2bpが打ち消し合った状態**でした。名目だけ見ていたら「今日は金利は関係ない日」で終わっていました。

⑤ 一次ソースは、数字より但し書きを取りに行く

住宅着工の-12.4%には±9.5%、一戸建ての-9.9%には±10.4%の誤差幅が付いています。片方は統計的に有意で、片方は有意ではない。この情報はニュース記事にはほぼ載りません。役所のPDFにしか書いていない。

明日の観測ポイント

① 仮説: 8月18日の半導体の下げは「積み上がりの解消」であり、上がっていた順に下げるというルールがまだ効いている トリガー: 8月19日も年初来リターンが大きい銘柄(サンディスク・マイクロン)の下落率が、小さい銘柄(クアルコム)を上回る → 積み上がりの解消として継続中 無効条件: サンディスク・マイクロンが反発する、または下落率の順序が年初来リターンの順序と一致しなくなる → 1日で終わった調整だった → 僕のルール:上がっている理由を調べる前に、年初来のリターンを見る。理由は後から作れるが、積み上がりの大きさは事実として先に分かる

② 仮説: テクノロジーセクターの騰落とMag7の勝敗が逆を向くのは一時的ではなく、セクター指数の中で半導体の比重が効きすぎている構造的な話である トリガー: 8月19日もテクノロジーセクターの符号とMag7の勝敗(3勝以上か否か)が逆になる → 3営業日連続。構造の話として扱う 無効条件: 符号と勝敗が一致する → 2日たまたま逆だっただけ → 僕のルール:セクターの数字を見たら、必ずその中の最大手の数字も並べる。片方だけだと、セクターの動きを最大手の動きだと誤解する

③ 仮説: 住宅の「着工は下振れ、許可は上振れ」という分裂は、金利が下がる前提で計画だけ先に確保している動きである トリガー: 8月19日公表の7月FOMC議事要旨に、利下げ方向の議論が想定より多く含まれ、住宅関連株(不動産セクター・住宅建設)が反応する → 「先に計画だけ確保」の読みと整合 無効条件: 議事要旨が利上げ寄りで、それでも建設許可が増えている説明がつかない → この仮説は捨てて、別の説明を探す → 僕のルール:足元の数字と先の数字が逆を向いたら、どちらが正しいかを決めない。両方記録して、次の材料が出るまで判断を保留する。今日はまだ根拠がない

明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。

今日の3語メモ

  1. 「別の力ではなく、同じ力の一番厚い部分だった」:3営業日にわたって「メモリだけが別の力で動いている」と記録していたが、8月18日にそのメモリが最も深く下げた(サンディスク-9.01%、マイクロン-7.02%)。年初来+653%と+255%という積み上がりが、そのまま下げの深さになった。強さの理由を探すより、混み具合を測るほうが早い

  2. 「セクター最下位でもアップルは+1.45%」:テクノロジーセクターは-2.47%で11業種中最下位。でもアップル+1.45%、マイクロソフト+0.27%、グーグル+0.06%。沈めたのは半導体だった。前日は逆に「Mag7が0勝7敗でセクターは+0.16%」。2日連続で、セクターの符号と最大手の勝敗が逆を向いた

  3. 「-1bpの中で-3bpと+2bpが打ち消し合っていた」:10年金利は-1bpでほぼ動いていないように見えるが、実質金利-3bp(景気期待の後退)と期待インフレ+2bp(物価警戒)の相殺だった。3営業日で3回、動かしているエンジンが入れ替わっている。「金利は動いていない」と「中で逆向きの2つが相殺した」は、翌日の準備がまったく違う


📩 AI内製化の実装ノウハウは別ブランドで発信中

Jiyonは「AIで相場をどう読むか」の試行錯誤の記録です。 事業や個人資産にAIをどう取り込むかを体系で学びたい方は、TSUMUGU(Hiro)のメルマガをどうぞ。 → https://be-sunao.com/tsumugu/


この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年8月18日時点のものです。

主要指数5系列(ダウ・S&P500・ナスダック・ラッセル2000・VIX)は「前営業日終値±前日比=当日終値」の検算を通過しています。加えて、使用したチャートツールが返す8月17日の終値が、複数の報道で裏の取れている8月17日の確定値と完全一致することを確認しました。米国債利回りは米財務省の公式CSV、期待インフレ率は米セントルイス連銀(FRED)の公式CSV、住宅着工・建設許可は米国勢調査局のPDFを直接取得しています。個別株はサンディスク・メタ・キャタピラーの3銘柄を別サイトで独立に照合し、いずれも一致しました。恐怖強欲指数(CNN公式に到達できず二次ソースのみ)、売買高と値上がり値下がり銘柄数(取得できず)、9月の会合の利上げ確率(ソースと取得時点が確定できず)、原油・金・ドル指数の清算値(一次ソースに到達できず)は、確度が足りないため数値を記載していないか、確度を落として扱っています。

RELATED

AIで判断軸を仕組み化する。

この記事を読んで「自分の状況でも整理したい」と感じた方は、SUNAOの各入口から現在地を一緒に整理できます。

投資で磨いた情報整理・判断プロセスを、採用や経営のAI内製化へ応用する。その実装がTSUMUGU。

SUNAO FAMILY

SUNAOブランドの3つのサイト