日経平均が+2,342円91銭(+3.66%)上がって、66,300円44銭で終わりました。
昨日の記事で僕が書いたのは、「日経+202円のうち172円は東京エレクトロン1社」という話でした。上げ幅の85%を1社が稼いで、残りの220銘柄で-212円ぶん削られていた日です。
今日は東証プライムの値上がりが1,019銘柄、値下がりが491銘柄。全体の**65%**が上がりました。昨日は629対902で、下げているほうが1.4倍多かったので、まるごと入れ替わっています。
そして売買代金の上位10銘柄は、全部プラスでした。昨日は5勝5敗です。
ただ、その上位10の中で**一番上がらなかったのが東京エレクトロン(+3.26%)**でした。昨日、上げ幅の85%を1社で稼いだ銘柄です。主役が変わった日、という言い方が一番近いと思います。
前回の仮説チェック
前回の記事(8月4日)で立てた3つの仮説を、判定日である8月5日のデータで答え合わせします。
仮説①: 今日の上げは東京エレクトロン1社に寄りかかっているので、この銘柄が下げれば指数も下げる トリガー: 8/5に東京エレクトロン(8035)がマイナスで引け、日経平均もマイナスで引ける 無効条件: 東京エレクトロンがマイナスでも、日経平均がプラスで引ける 結果: ⏳ 判定不能(3日連続で条件の外側に出た) 学び: 東京エレクトロンは58,550円(+1,850円、+3.26%)、日経平均は**+2,342円91銭**。両方プラスでした。トリガーも無効条件も、どちらも「東京エレクトロンがマイナスなら」から始まっているので、東エレが上がった今日はどちらの条件にも入らない。前回「1銘柄・1指標につき条件は1つだけ」に直したのに、まだ判定不能を作りました。原因が分かりました。条件を「下がったら」という片側だけで書いていたからです。上がる可能性を書いていないので、上がった日は答えが出ない。次から条件は「必ずどちらかに転ぶ形」(例:値上がり銘柄数が値下がりを上回るか、下回るか)で書きます。 なお、昨日「どちらに転んでも押し上げ上位5社の合計を必ず計算する」と自分に課した手順は、半分しか実行できませんでした。大引け時点の押し上げ金額ランキングを一次ソースで見つけられず、前引け時点のものまでしか取れていません(後述します)。
仮説②: 上方修正を出しても市場の期待に届かず売られた銘柄は、翌日も戻りにくい トリガー: 8/5にクボタ(6326)がマイナスで引ける 無効条件: 8/5にクボタがプラスで引ける(=1日で終わった売り) 結果: ❌ 否定された(無効条件が成立) 学び: クボタは2,622円50銭(+39円、+1.51%)でプラスで引けました。前日の下げ幅133円50銭に対して、戻したのは29.2%です。前回決めた「戻した金額が前日の下げ幅の何%か」まで記録する手順は実行できました。ただ、今日は日経平均が+3.66%の全面高です。その中でクボタは+1.51%。市場平均の半分以下しか戻っていないことになります。「プラスで引けたから否定された」で終わらせると、この事実が抜け落ちます。地合いが全体を持ち上げている日は、個別銘柄の強弱を指数の騰落率と並べて見ないと意味がない、というのが今日の学びです。
仮説③: グロース250の上昇は、円相場と切り離されて続いている トリガー: 8/5にグロース250がプラスで引ける(3営業日連続) 無効条件: 8/5にグロース250がマイナスで引ける 結果: ✅ 確認された(ただし条件が緩すぎた) 学び: 東証グロース250は**723.41(+19.59、+2.78%)**で、3営業日連続のプラスになりました。トリガー成立です。ただし今日は東証プライムの65%が上がった全面高の日で、プラスで引けるのが難しくない相場でした。しかもグロース250の+2.78%は、日経平均の+3.66%より小さい。「プラスかどうか」だけを条件にしたので、ほぼ自動的に成立してしまったわけです。仮説②で「指数と並べて見る」と学んだのと同じ話を、③でも踏んでいました。条件は「プラスかどうか」ではなく「指数より強いか弱いか」で書くべきでした。
主要指数
・日経平均 66,300.44円(+2,342.91 / +3.66%) ・TOPIX 4,046.17(+84.39 / +2.13%) ・東証グロース250 723.41(+19.59 / +2.78%) ・東証プライム 値上がり1,019/値下がり491/変わらず48 ・売買代金 10兆9,236億円(売買高 27億8,122万株) ・ドル円 157円30銭〜157円81銭(協調介入の後で円買いがやや優勢)
まず値上がりと値下がりの数を見ます。1,019対491。上がっている銘柄が約2.1倍多い状態です。昨日は629対902(下げているほうが1.4倍多い)だったので、完全にひっくり返りました。
そしてTOPIXが+2.13%。日経平均が+3.66%なので、日経のほうが1.7倍上がっています。昨日は日経+0.32%に対しTOPIX+0.04%で、日経のほうが8倍でした。この差が縮まっているのは、一部の値がさ株(株価の高い銘柄)だけでなく、幅広い銘柄が上がった合図として僕は見ています。
もう1つ、僕がこの日いちばん引っかかった数字があります。売買代金です。
昨日は上げ幅+202円で10兆2,837億円。今日は上げ幅+2,342円で10兆9,236億円。上げ幅は11.6倍になったのに、売買代金は6.2%しか増えていません。
売買代金は「その日にどれだけのお金が株の売り買いに使われたか」の総額です。上げ幅が11倍になって、使われたお金がほぼ同じということは、新しいお金がどっと入ってきたわけではない可能性があります。同じ量のお金が、昨日は売り買いに分かれていて、今日は買いのほうに揃った、という読み方です。断定はできませんが、僕はここを覚えておくことにしました。
相場を動かした3つのポイント
① きっかけは中東。半導体が朝から一本調子で買われた
前日(8月4日)のアメリカが大きく上がりました。NYダウ54,085.88ドル(+907.47 / +1.71%)で4営業日続けての最高値更新、S&P500は7,736.52(+1.79%)、ナスダックは26,584.99(+2.59%)です。
きっかけは、アメリカの財務長官が**「ホルムズ海峡の開放について、今日か明日にも合意に至る可能性がある」**と発言したことでした。ホルムズ海峡は中東の原油が通る海の通り道で、ここが止まると世界の原油が足りなくなります。開くなら原油が安くなり、物価も落ち着きやすい。だから金利が下がって、株が買いやすくなった、という流れです。
その結果、半導体の会社を集めたSOX指数(アメリカの半導体株の値動きをまとめた指数)が12,179.26(+748.91)まで上がりました。1日で6%超です。イギリスのアーム(半導体の設計会社)のアメリカ上場株は**+17%**でした。
日本の今日の動きは、これをそのまま引き継いだ形です。
・寄り付き(9:00) 64,565円(+607円) ・前引け(11:30) 65,861.00円(+1,903.47円 / +2.98%) ・後場寄り(12:30) +1,839円 ・大引け(15:00) 66,300.44円(+2,342.91円 / +3.66%)
朝から上げて、前場でさらに上げて、引けが一番高い。昨日は前引け-421円から大引け+202円まで624円巻き返した日でした。同じ「上がった日」でも、形はまったく違います。
→ 僕のルール:**引け値が日中の高値だった日と、途中で下げてから戻した日は、別の記録として残す。**昨日それを決めたので、今日はその2つ目のサンプルが取れました。1日で判断せず、この形の違いが翌日にどう出るかを何回か貯めてから考えます。
② 売買代金上位10が全部プラス。でも昨日の主役が一番出遅れた
今日の売買代金上位10銘柄です。
・キオクシアHD(285A) 54,300円(+4.24%)……売買代金2兆6,219億円で断トツ ・ソフトバンクグループ(9984) 5,958円(+13.96%)……アームの上げを受けた ・アドバンテスト(6857) 33,720円(+8.77%) ・村田製作所(6981) 7,829円(+9.82%) ・フジクラ(5803) 5,073円(+9.62%) ・太陽誘電(6976) 11,165円(+8.50%)……通期の経常利益予想を56%上方修正 ・日経平均レバレッジETF(1570) 69,880円(+7.21%) ・東京エレクトロン(8035) 58,550円(+3.26%) ・イビデン(4062) 20,330円(+24.49%)……ストップ高 ・レーザーテック(6920) 46,680円(+5.85%)
10銘柄すべてプラスです。昨日は上がったのが5、下がったのが5でした。
昨日、僕はここに「売買代金が多い=人気がある、ではなく、意見が割れている」と書きました。今日は逆で、意見が一方向に揃った日です。同じ「売買代金が多い」でも中身が違う、という実例が2日並んだことになります。
そして目を引くのが、東京エレクトロンの+3.26%です。指数を動かす目的のETF(1570)を除けば、この10銘柄で一番上昇率が低い。昨日、日経平均の上げ幅202円のうち172円を1社で稼いだ銘柄が、今日は主役から外れました。
もう1つ気になった数字が、キオクシアHDの売買代金2兆6,219億円です。市場全体の10兆9,236億円に対して、1銘柄で約24%。この数字は僕も見た瞬間に「多すぎないか」と思ったので、複数のソースで確認しましたが、集計サイトの表示値をそのまま載せています。取引所の確定値ではありません。
→ 僕のルール:**上位10が全部同じ方向を向いた日は、「揃った」ことのほうを記録する。**銘柄名を覚えるより、意見が割れていた日と揃った日を並べて数えるほうが、あとから役に立つと思っています。
③ 全面高なのに、海運と鉱業だけは下げた
業種別の騰落です。
| 上がった業種 | 騰落率 | | 下がった業種 | 騰落率 | |---|---|---|---|---| | 非鉄金属 | +9.08% | | 海運業 | -2.93% | | ガラス・土石製品 | +4.64% | | 鉱業 | -2.15% | | 情報・通信業 | +4.60% | | 倉庫・運輸関連 | -1.97% | | 電気機器 | +4.16% | | 水産・農林業 | -0.95% | | 金属製品 | +3.61% | | 電気・ガス業 | -0.87% |
65%の銘柄が上がった日に、下げている業種があります。しかも下げの筆頭は**海運業(-2.93%)と鉱業(-2.15%)**でした。
理由を考えると、今日の相場を上げたニュースそのものに行き当たります。ホルムズ海峡が開くということは、中東の原油が普通に運べるようになるということです。原油が安くなれば鉱業(資源を掘る会社)の利益は減ります。海の通り道が正常化すれば、遠回りしたり危険料を取ったりして高くなっていた船の運賃も下がります。
つまり、株全体を上げたニュースが、この2つの業種にとってはマイナスだったわけです。加えて、日米の協調介入の後で円安が修正される方向に動いているので、海外で稼ぐ商社も下げています(日本経済新聞の大引け記事)。
もう1つ面白いのが情報・通信業です。昨日は-1.59%で下から3番目でした。今日は+4.60%で上から3番目です。1日で端から端に移動しています。
→ 僕のルール:**全部が上がる日ほど、下げているものを先に見る。**みんなが上がっている中で下げているなら、そこには指数と関係のない固有の理由があるはずで、その理由のほうが後から効いてくると考えています。
個別株で目立った動き(決算とストップ高)
今日は決算が集中した日で、178社が発表予定でした。反応がはっきり分かれています。
素直に買われた側
・イビデン(4062) 20,330円(+24.49%・ストップ高)……第1四半期の営業利益268億8,000万円(前年比+52.4%、市場予想210億円を上回る)。通期の利益予想を900億円から1,270億円へ引き上げ、あわせて株式分割(9月30日を基準日に1株→2株)も発表(※この1,270億円が「経常利益」なのか「営業利益」なのかは、報道するメディアによって書き方が分かれていました。決算短信の原本まで確認できていないので、科目は断定しません) ・太陽誘電(6976) 11,165円(+8.50%)……通期の経常利益予想を270億円から420億円へ、55.6%の上方修正。AI向けの高性能な電子部品が売れているのが理由 ・ヤマハ発動機(7272)……第2四半期の営業利益958億円(前年比2.4倍、市場予想480億円を上回る)。通期予想を1,800億円から2,600億円へ
売られた側
・横河電機(6841) -10.04%……4〜6月期の純利益122億円(前年比-19%)。通期予想を据え置いたが、市場が見込んでいた900億円超に対して会社の計画は850億円。期待に届かなかったという反応 ・タカラトミー(7867) -8.03%……前日発表の決算は市場予想を87.6%上回る好内容。それでも今日は利益確定の売り(直接の理由は一次ソースで確認できませんでした) ・SM ENTERTAINMENT JAPAN(4772) -15.85%……上期は営業利益+67.5%の増益だが、純利益は前年の特別利益の反動で-27.8%
ストップ高は10銘柄以上、ストップ安は0件でした。
ここで昨日の記事の訂正を1つ入れます。昨日「ストップ高は6銘柄、ストップ安は1銘柄でした」と書きましたが、あれは前場(午前中)時点の数字でした。8月4日の大引け時点では、ストップ高10・ストップ安2です。つまり昨日と今日で、ストップ高の数はほぼ同じ。違うのはストップ安が2件から0件になったことのほうでした。
自分で気づいたのではなく、今日の記事を書いた後の確認作業で見つけた間違いです。そして今日、僕は押し上げ金額のところでまったく同じことをやりかけています(前引けの数字で1日を語ろうとした)。前場のデータと引けのデータを混ぜる癖が自分にあると、はっきり分かりました。
ここで1つ、僕が昨日の記事を書いたときに分かっていなかったことがあります。**イビデンの上方修正の内容を、僕は昨日の記事にすでに書いていました。**昨日のイビデンは+5.12%でした。そして今日、同じ上方修正でストップ高(+24.49%)になっています。
理由は単純で、決算は取引が終わった後に発表されるからです。昨日の+5.12%は決算が出る前の期待で買われた分、今日の+24.49%が中身を見てからの反応、ということになります。ニュースの日付と株価が動く日付は1日ずれる。当たり前のことですが、自分が書いた記事を並べて初めて気づきました。
そして横河電機です。通期予想を「据え置いた」だけで-10%。昨日の三井E&S(上方修正して-8.02%)、一昨日のファナック(上方修正して-14.31%)と同じ型が、3日続けて出ています。**発表の中身が良いか悪いかではなく、事前にどこまで期待されていたかで結果が決まる。**3日並んだので、これはもう仕組みだと思っています。
押し上げた金額を確認する(ただし前場まで)
昨日、僕は自分にこういうルールを課しました。「指数がプラスの日ほど、押し上げた上位5社の合計と指数の上げ幅を比べる」。今日それをやろうとして、大引け時点のランキングを一次ソースで見つけられませんでした。取れたのは前引け(12時31分公表)時点のものだけです。
・アドバンテスト +504.44円 ・ソフトバンクグループ +462.60円 ・イビデン +268.18円 ・東京エレクトロン +219.23円 ・フジクラ +74.02円 合計 +1,528.47円
このときの日経平均の上げ幅は+1,903円47銭でした。上位5社の合計は、上げ幅の**80.3%**です。
昨日は大引け時点で、上位5社の合計+414円83銭に対して上げ幅+202円63銭。**205%**でした。合計が上げ幅の2倍を超えていたので、「一部が全部を引っ張って、他が足を引っ張った日」と書いています。
今日は80.3%。100%を下回っているということは、上位5社以外も差し引きでプラスに寄与していたことになります。この点では、依存の度合いは確かに下がりました。
ただし、これは前場までの数字です。後場に何が起きたかは、この数字には入っていません。そして80.3%という数字自体、5銘柄で上げ幅の8割ですから、十分に偏っています。「昨日よりマシ」と「偏っていない」は違う話です。
ちなみに前引けの時点で、日経平均を構成する225銘柄のうち81銘柄は下げていました(値上がり144・値下がり81)。全面高に見える日でも、3分の1は下がっています。
為替と外部環境
・ドル円 157円30銭〜157円81銭(8/5東京市場のレンジ) ・ユーロ円 181円54銭前後 ・NYダウ(8/4) 54,085.88ドル(+907.47 / +1.71%・4営業日続けて最高値更新) ・S&P500(8/4) 7,736.52(+136.02 / +1.79%) ・ナスダック(8/4) 26,584.99(+671.09 / +2.59%) ・SOX指数(8/4) 12,179.26(+748.91) ・WTI原油 80.71ドル(8/4時点、+0.46%) ・金(国内小売価格) 22,333円/g(+154円)
上海総合と香港ハンセンは、8月5日当日のデータを一次ソースで確認できませんでした。検索で出てきた数字を確認したところ、6月5日付の記事と2025年8月5日のデータが混ざっていたので、両方とも使っていません。日本の10年国債利回りも、確認できた最新は8月3日時点の2.830%(約30年ぶりの高い水準)までで、今日の水準は取れていません。
今日いちばん引っかかったのは、AMD(アメリカの半導体会社)です。日本時間の今朝5時過ぎに発表された4〜6月期決算は、1株利益も売上高も市場予想を上回り、データセンター部門も好調、次の四半期の見通しまで予想を上回っていました。それなのに時間外の株価は**469.80ドル(-9.41%)**まで下がっています。
理由は、AIに対する期待がそもそも非常に高くて、予想を上回った程度では足りなかったということのようです。横河電機と同じ形が、太平洋を挟んで同じ日に起きていました。
そして、そのAMDが下げているのに、日本の半導体株は今日全面高でした。日本が見ていたのは、AMDの決算ではなくSOX指数の+6%のほうだった、ということになります。同じ「半導体」でも、どのニュースを見て動いたのかは分けて記録しようと思いました。
もう1つ、株価とは直接関係しませんが、今朝8時30分に6月の毎月勤労統計が出ています。実質賃金が前年同月比**+1.6%**で、6カ月連続のプラス。連続でプラスが続くのは2021年以来だそうです(現金給与総額53万1,677円、+3.4%。消費者物価は+1.9%)。物価の上がり方より給料の上がり方が大きい状態が半年続いている、という話です。今日の株はこれで動いていませんが、日銀が利上げを判断する材料としては大きいはずなので、メモしておきます。
なお、昨日の記事で「8月5日の朝8時50分に日銀の金融政策決定会合の議事要旨が公表される」と予告しましたが、その中身は一次ソースで確認できませんでした。予告した以上、確認できなかったことをそのまま書いておきます。
テクニカルで見る今の位置
昨日「ニュースの良さと、チャートの位置が一致していない」と書いた食い違いが、1日でかなり埋まりました。
・日経225 ETF(1321):68,550円(+3.72%)。RSI 51.22(前日43.24)、MACDは-1,163でシグナル線(-1,156)との差が-7まで縮小、短期の移動平均線からの乖離+6.78% ・TOPIX ETF(1306):421.3円(+2.16%)。RSI 52.15(前日45.08)、MACDは-1.5でシグナル線(-1.2)との差が-0.3、短期の移動平均線からの乖離+3.00%
RSIは「買われすぎ・売られすぎ」を0〜100で表す指標です。昨日は43〜45で「どちらでもない真ん中」でしたが、今日は51〜52。真ん中のままですが、少し上に動きました。
大きく変わったのはMACDのほうです。MACDは短期と長期の勢いの差を見る指標で、MACD線がシグナル線を下から上に抜けることを「ゴールデンクロス」と呼びます(勢いが上向きに変わったサインとされます)。
昨日はMACD-1,420に対してシグナル-1,154で、差は-266ありました。今日はMACD-1,163に対してシグナル-1,156で、差は-7。TOPIX ETFのほうも-1.0から-0.3に縮んでいます。どちらもクロスの一歩手前まで来ました。
ただし、これは1日で+3.66%上げた結果としてそうなっているだけです。クロスしたから上がるのではなく、上がったからクロスしそうになっている。順番を逆に読まないように気をつけます。
※テクニカル分析はTradingViewのリアルタイムデータに基づく。投資判断は自己責任で。
全体像:主役が入れ替わって、上げ幅は11倍、資金は6%増
今日の流れは1本道でした。アメリカの財務長官が中東の海の通り道について前向きな発言をした → 原油が下がって金利が下がった → アメリカの半導体株が6%上がった → 日本の半導体株が朝から買われた → 65%の銘柄が上がる全面高になった、です。
ただし、その同じニュースが海運(-2.93%)と鉱業(-2.15%)を下げています。全部が上がる日に下がっているものがあるとき、そこには理由がある、というのが今日いちばんはっきり見えたことでした。
こういう相場で僕が意識しているのは、「上がった」と「お金が入ってきた」を同じ意味で使わないことです。今日は上げ幅が昨日の11.6倍でしたが、売買代金は6.2%しか増えていません。同じ量のお金が、売りと買いに分かれていた状態から、買いのほうに揃っただけかもしれない。この2つを区別しないと、「勢いがある」という言葉を安易に使ってしまう気がしています。
そして昨日の主役だった東京エレクトロンが、今日は売買代金上位10で一番上がらなかった。指数を引っ張る顔ぶれは日替わりで、しかも昨日の主役は今日の主役ではない、という記録が1つ増えました。
今日の迷い・判断メモ
迷ったポイント:朝から+607円で始まって、前引けには+1,903円になっていました。この時点で「昨日は下げの日として記録して、今日は完全に読み間違えた」と思いました。同時に、こういう日の記事は「全面高でした」で終わってしまいそうで、何を書けばいいのか分からなくなりました。
結局どう考えたか:昨日自分で決めた「押し上げた上位5社の合計と上げ幅を比べる」を実行しようとしました。ところが大引けのランキングが見つからず、前引けまでの数字(80.3%)しか取れていません。それでも「昨日の205%より小さい」ので依存が下がったと判断し、値上がり1,019・値下がり491という別の数字で裏を取りました。
後から振り返って:判断そのものは維持しますが、80.3%という1つの数字だけで結論を出しかけたのは危なかったと思っています。前場までのデータで1日全体を語ろうとしていました。値上がり銘柄数という別のルートで確認できたから結論を変えずに済みましたが、そちらが取れなかったら、前場の数字で1日を語っていたはずです。1つの指標が取れなかったときに代わりに何を見るかを、あらかじめ決めておくべきでした。あと、朝の時点で「読み間違えた」と落ち込んだのは、そもそも僕は昨日の記事で明日を予想していないので、筋違いでした。仮説は観測のためのもので、当てるためのものではないと自分で書いているのに、上がった瞬間に予想屋の頭になっていました。
自分なら何を確認してから動くか
- 全面高の日は、上げた業種ではなく下げた業種を先に見る。今日なら海運-2.93%と鉱業-2.15%。全部が上がる日に下げているものには、指数と関係のない固有の理由がある
- ストップ高になった決算銘柄は、翌日の騰落率を日経平均の騰落率と並べて記録する。今日のイビデン+24.49%が明日どうなるかを、単独ではなく比で見る(クボタで学んだこと)
- アメリカのSOX指数と日本の半導体株の連動が何日続くかを数える。今日は連動しました。連動しなくなった日が、日本独自の材料が効き始めた日だと考えています
明日の観測ポイント
今日、3日連続で「判定不能」を作った原因が分かりました。条件を**「下がったら」という片側だけで書いていたからです。今日から、条件は必ずどちらかに転ぶ形**で書きます。
① 仮説:今日の全面高で幅が広がったので、明日も市場全体が上を向く トリガー:8/6の東証プライムで、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回る 無効条件:値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回る → 僕のルール:この条件はどちらかに必ず転びます。そのうえで、日経平均がプラスでも値下がり銘柄のほうが多い場合は「昨日(8/4)の形に戻った」として記録します。指数の方向と、中身の多数派は別ものとして数えます。
② 仮説:上方修正でストップ高になったイビデンは、翌日に利益確定で売られる トリガー:8/6にイビデン(4062)の騰落率が、日経平均の騰落率を下回る 無効条件:イビデンの騰落率が日経平均の騰落率を上回る → 僕のルール:今日クボタで学んだとおり、個別銘柄の強弱は指数との比で見ます。プラスかマイナスかだけで判定すると、全面高や全面安の日に意味のない答えが出ます。
③ 仮説:MACDのヒストグラムが-7まで縮んだので、明日ゴールデンクロスする トリガー:8/6に日経225 ETF(1321)のMACDヒストグラムがプラスに転じる 無効条件:ヒストグラムがマイナスのまま → 僕のルール:テクニカルを仮説に入れるのは初めてです。クロスしたとしても、それは今日+3.66%上げた結果でしかないので、クロスを買いのサインとしては読みません。「上がったからクロスした」のか「クロスしてから上がった」のか、順番を記録することだけが目的です。
明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで。
今日の3語メモ
「日経+2,342円で値上がり1,019銘柄」「全面高でも海運は-2.93%」「上げ幅11.6倍でも売買代金は+6%」 — この3つを覚えておけば、8月5日の日本株は思い出せます。昨日の1社依存が幅広い上昇に入れ替わった日、株全体を上げたニュースが海運と鉱業だけには逆に働いた日、そして上げ幅ほどにはお金が増えていなかった日、と。
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Jiyonは「AIで相場をどう読むか」の試行錯誤の記録です。 事業や個人資産にAIをどう取り込むかを体系で学びたい方は、TSUMUGU(Hiro)のメルマガをどうぞ。 → https://be-sunao.com/tsumugu/
この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年8月5日時点のものです。 日経平均を押し上げた銘柄のランキングは前引け(12時31分公表)時点のもので、大引け時点の確定値は確認できませんでした。業種別騰落は、上昇・下落それぞれ上位5業種の顔ぶれと順序は一次ソースで確認できましたが、個別の騰落率(%)までは確認できていません。上海総合・香港ハンセンの8月5日終値、日本の10年国債利回りの8月5日時点の水準、および8月5日朝に公表された日銀金融政策決定会合の議事要旨の内容は、一次ソースで確認できなかったため記事に含めていません。キオクシアHDの売買代金2兆6,219億円は集計サイトの表示値で、取引所の確定値ではありません。
なお、本文中の「昨日はストップ高6・ストップ安1」という8月4日の記事の記述は、前場時点の数字を引け時点として書いたものでした。正しくは8月4日の大引け時点でストップ高10・ストップ安2です。8月4日の記事も同じ箇所を訂正しています。
