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NVDA本尊が+4%で戻った日、でも上げたのはメガキャップだけだった|07月10日 米国株分析

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前日は「NVDAだけ逆行安で、上げたのは半導体の裾野(メモリー・装置)」という不思議な構図でした。今日はそれがきれいに反転して、NVDA本尊が+4.03%で戻ってきました。

ただ、指数(S&P500 +0.42%)はプラスでも、上げたのはNVDAとMETA(+5.97%)というごく少数の巨大株だけ。小型株のラッセル2000は-0.56%と逆行安でした。「アメリカ株が上がった」の一言では、今日の相場の半分も説明できません。

もう一つの主役はSK Hynix(韓国のメモリー大手)の米国上場でした。初日+12.76%と大成功だったのに、既存の米メモリー株ミクロンは-1.24%と下げた。同じ「メモリー」でも明暗が分かれた1日です。

前回の仮説チェック

前回(7/9)に立てた3つの仮説を、今日のデータで答え合わせします。

仮説②: NVDA本尊の逆行安は一時的で、いずれ裾野に追随する トリガー: 7/10にNVDAが+1%以上上昇 結果: ✅ 確認された(NVDA +4.03%) 学び: 前日にテクニカルで見えていた「MACDがゴールデンクロス直後」という初動サインが、実際に株価上昇へ繋がった。「本尊が付いてこない上げ」は、まず本尊自身が戻ることで一つの答えが出た。

仮説③: 7/14 CPIまでは、SPYは$750-760のレンジ上限を試す膠着が続く トリガー: SPYが$750-760で横ばい、VIXも15台で落ち着き 結果: ✅ 確認された(SPY $754.95、VIX 15.53) 学び: CPIという明確な材料が出るまで、レンジ上限をなぞる静かな相場が続いている。$750超えはキープしたが「上放れ確定」とはまだ言えない位置。

仮説①: SK Hynix上場(7/10)はメモリー株にとって「材料出尽くし(Sell the news)」になる トリガー: 上場当日にミクロン・サンディスクが-2%以上下落 結果: ⏳ 未確定(分裂した) 学び: ミクロンは-1.24%と下げたがトリガーの-2%には届かず、サンディスクはむしろプラス着地。SK Hynix自体は+12.76%。「Sell the news」でも「全社続伸」でもなく、代替効果(米→韓国へ資金移動)と相乗効果(不足で全社恩恵)の綱引きになった。答えは来週に持ち越し。

主要指数

・S&P500 7,575.39(+31.75 / +0.42%) ・Nasdaq 26,281.61(+74.72 / +0.29%) ・NYダウ 52,637.01(+149.60 / +0.29%) ・ラッセル2000 2,975.80(-16.74 / -0.56%) ・VIX(恐怖指数) 15.53(-0.31 / -1.95%)

VIX(株式市場の不安の大きさを示す数字。上がるほど怖がっている)は15.53と低い水準で落ち着いていました。来週7/14にCPI(消費者物価指数=物価の伸びを測る指標)という大きな材料を控えて、市場が息を潜めて様子を見ている感じです。

ここで一つ気づいてほしいのが、大型4指数のうち3つがプラスなのに、小型株のラッセル2000だけがマイナスだったこと。この「大型は上げ・小型は下げ」の食い違いが、今日の相場の性格を表しています。

相場を動かした3つのポイント

① NVDA本尊が+4.03%で帰ってきた

前日7/9は「NVDAだけ下げて、半導体の裾野(メモリーや装置の会社)が全面高」という珍しい構図でした。今日はそのNVDAが+4.03%($210.96)と力強く戻り、S&P500を押し上げる側に回りました。前日のテクニカルで「MACD(勢いを見る指標)がゴールデンクロス直後=上向きの初動」というサインが出ていて、それが実際の株価上昇へ繋がった格好です。

→ 僕のルール:テクニカルの「初動サイン」は、実際の株価が付いてくるまで確定と見ない。今回はサインが当たったけど、前日の時点では「まだ株価に繋がるか分からない仮説」だった。サインを見て先回りするより、株価が動いてから確認するほうが自分には合っている。

② META(Facebook・Instagramの会社)が+5.97%

METAが+5.97%($669.21)と大きく上げました。SemiAnalysis(半導体・AIを調べる専門の調査会社)が、METAのAIコンピュート事業(AIを動かすための計算力への投資)について良いレポートを出したのが材料と報じられています。NVDAとMETAという「AIの2大巨大株」が同じ日に上げたことが、今日の指数プラスの中身です。

→ 僕のルール:指数が上がった日は「どの銘柄が上げを作ったか」を必ず分解する。今日みたいにNVDAとMETAの2社で上げの大半を説明できてしまう日は、「相場全体が強い」わけではないと覚えておく。

③ SK Hynix(韓国メモリー大手)が米上場初日+12.76%、でもミクロンは下げた

韓国のSK Hynixがナスダックに上場(会社の株を初めて市場で売り出すこと)した初日、+12.76%($168.01、売り出し価格$149)と大成功でした。$26.5B(約4兆円)を調達し、外国企業の米上場としては過去最大級、買い注文は売り出し株数の7〜8倍だったと報じられています。ところが、既存の米メモリー株ミクロン(MU)は-1.24%と逆に下げました。

これは2つの見方の綱引きです。ひとつは「メモリーが世界的に足りないから、SK HynixもミクロンもみんなAI需要の恩恵を受ける(相乗効果)」。もうひとつは「米国の投資家のお金が、米メモリー株から新規上場のSK Hynixへ流れた(代替効果)」。今日はこの日は代替効果のほうがやや優勢で、ミクロンが売られました。

→ 僕のルール:同じ「半導体」でも、本尊(NVDA)・装置・メモリー・韓国勢を分けて、どこにお金が向かっているかを毎日更新する。テーマを一括りにすると、こういう「片方は上げ・片方は下げ」の分裂を見逃してしまう。

セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」

今日は通信サービス(METAやグーグルが入る分野)と金融サービスが上げをリードし、資本財(工場や機械の会社)とヘルスケア(医療)が売られたと報じられています(※11分野すべての正確な数字は、7/10分として複数のソースで確認できなかったので、方向感の話として読んでください)。

構図を一言でまとめると、**「金利がじわじわ上がる中で、景気に敏感な分野や小型株が売られ、AIの巨大株にお金が集中した」**という、狭い上げでした。

Mag7(超大型テック7社)の動き

・NVDA +4.03%($210.96)── 本尊が戻った ・META +5.97%($669.21)── AIレポート好感で今日の主役 ・TSLA +0.30%($407.76)── 小幅高 ・MSFT +0.19%($385.10)── ほぼ横ばい ・AAPL -0.28%($315.32)── 小幅安 ・GOOGL -0.48%($357.18)── 小幅安 ・AMZN -0.69%($245.34)── 小幅安

全体感を一言で言うと、Mag7の中でもきれいに二分していました。派手に上げたのはNVDAとMETAの2社だけで、残り5社は横ばい〜小幅安。「メガキャップテックが全部強い」のではなく、「AIの2枚看板だけが強かった」のが実態です。

個別株で目立った動き

急騰 ・SK Hynix(SKHY) +12.76% ── 米上場初日 ・Lumentum(LITE) +11.1% ── 光通信部品 ・HPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ) +9.9% ・FedEx Freight(FDXF) +7.6%

急落 ・APA -5.0% ── エネルギー ・Costco(コストコ) -4.2%

面白かったのはデルタ航空(DAL)です。決算(会社の成績発表)でEPS(1株あたり利益)$1.56と市場予想$1.47を上回り、売上も前年比+19%と好調だったのに、株価は当日下げました。理由は燃料費の上昇懸念。「良い決算なのに売られる」は、市場がすでに好決算を期待しきっていた(=良い数字が出ても新鮮さがない)時に起きるパターンで、覚えておきたい動きです。

マクロ環境(大きな経済の流れ)

・米10年債利回り 約4.56%(前日4.545%からじり高) ・米2年債利回り 約4.19%(10年-2年の差は+0.37%で正常な形) ・ドル円 約161.70円(前日162.5円から小幅な円高) ・DXY(ドルの総合的な強さ) 約100.9〜101.0(ほぼ横ばい) ・WTI原油 ソースで数字が割れ($71.5〜$72.7) ・金(ゴールド) 約$4,100(週間では-1.5%程度)

今週も相場の主役は地政学(国と国の対立が経済に与える影響)、特に米・イランの衝突とホルムズ海峡(中東の原油タンカーが通る海の細い通り道)でした。7/10時点で海峡の大型船の通航は「事実上停止」と報じられ、IEA(国際エネルギー機関)は「石油市場の歴史でも最大級の供給ショック」と表現しています。その一方でトランプ大統領は「イラン側が協議の継続を求めてきた」とも投稿していて、緊張と対話が同時に進む状態。この不安定さが、ドルや金や原油を乱高下させています。

経済指標:7/10はCPIや雇用統計のような大きな指標の発表がない「空白の日」でした。FedWatch(利下げ・利上げの確率を市場の値動きから推定するツール)では、利下げの確率はほぼゼロ。6月のFOMC(金融政策を決める会議)の議事録で「2027年まで利下げなし」という見方が優勢と報じられ、地政学によるインフレ懸念で、むしろ利上げのリスクが意識され始めています(※確率の正確な数値はソースによってバラつきがあり、方向感だけ受け取ってください)。

テクニカルで見る今の位置

TradingView(チャート分析ツール)のリアルタイムデータで、今の立ち位置を整理します。

・S&P500(SPY):終値$754.95。RSI 59.1(買われすぎ・売られすぎを0〜100で測る指標。50が中立で、70超で買われすぎ)→ 中立。ただしボリンジャーバンド(値動きの振れ幅の目安)では上限近く(%B 89%)に張り付いていて、やや過熱ぎみ。移動平均線(過去の平均価格の線)は短期・中期・長期すべて下に位置し、上向きの地合い。 ・Nasdaq(QQQ):終値$725.51。RSI 52.8で中立。ただMACDはデッドクロス方向(下向き)で、株価は上げてるのに勢いの指標は弱い、という軽いねじれ。 ・NVDA:終値$210.96。RSI 57.0で中立。MACDはゴールデンクロス圏(上向き)で、前日の初動サインが今日の+4%に繋がった。

チャートを見て気づいたのは、SPYもNVDAも「過熱でも底値でもない中立」なのに、ボリンジャーの上限には近いという位置です。上に行く余地は残っているけど、これ以上一気に上げると過熱ゾーンに入る。CPI(7/14)という材料が出るまでは、この上限をなぞって様子見が続きそうな形に見えます。QQQのねじれ(株価は上・勢いは下)も、今日の上げがNVDA・META頼みで内部の力は強くないことの裏返しかな、と思っています(これは僕の仮説です)。

※テクニカル分析はTradingViewのリアルタイムデータに基づく。投資判断は自己責任で。

全体像:本尊は戻ったけど、上げは「狭かった」日

今日の流れを一本の線にすると、こうなります。地政学(イラン・ホルムズ海峡の通航停止)でインフレ懸念が残り、10年債利回りは4.56%へじり高・利下げ観測は完全に消滅──それでも株は落ち着いた(VIX 15.5)。そこにNVDA本尊の+4%回帰とMETA +6%が重なり、AIの巨大株主導で指数は小幅高。前日の「NVDA下げ・裾野上げ」が、今日は「NVDA戻る・メモリー裾野は分裂」に入れ替わりました。

こういう相場で僕が意識しているのは、**「指数がプラスかどうか」より「上げの幅が広いか狭いか」**です。今日はS&P500がプラスでも、ラッセル2000(小型株)は逆行安で、上げの源泉はNVDAとMETAのほぼ2社。前日に見えた「物色が面へ広がる」動きは、今日いったん「本尊と一部メガキャップへの回帰」に振れ戻したように見えます。少数の巨大株が指数を押し上げた日は、その巨大株がコケた時に指数も一緒に崩れやすい。だから「指数が上げた=安心」とは考えず、上げの中身を毎日分解するようにしています。

今日の迷い・判断メモ

迷ったポイント:NVDAが+4%で戻り、METAも+6%で、指数もプラス。見た目は完全にリスクオン(安心して買える地合い)でした。ここで「前日の裾野拡大に本尊が追いついた=相場が健全に強くなった」と前向きに解釈していいのか、一瞬迷いました。

結局どう考えたか:「今日は喜びすぎない」と判断しました。理由は2つ。①ラッセル2000が-0.56%と逆行安で、上げが大型株に偏っていた。相場全体が強いなら小型株も付いてくるはずなのに、今日は付いてこなかった。②上げの源泉がNVDAとMETAのほぼ2社に集中していて、残りのMag7は横ばい〜小幅安。「AIの2枚看板だけが強い」相場は、その2社の材料が切れると一気にしぼむ怖さがある。だから「本尊は戻ったが、上げの土台はまだ狭い」と整理しました。

後から振り返って:判断は維持。ただ、「上げの幅(広い/狭い)」を測る自分なりの指標を、まだ感覚でしか見ていないことに気づきました。ラッセルとS&P500の差、上げた銘柄数と下げた銘柄数の比(Advance/Decline)、Mag7の中で何社が上げたか──こういう「幅」を数字で毎日追う習慣を作れば、「狭い上げ」を感覚じゃなく事実で判断できるようになる。今日はその出来高やA/Dのデータが取れなかったので、次からは「幅の物差し」を意識して集めたいと思いました。

自分なら何を確認してから動くか

今日の相場を受けて、次にアクションを取る前に確認したい3つ。

  1. 来週もラッセル2000(小型株)がマイナスを続けるか、プラスに戻るか。今日の上げが「大型株だけの狭い上げ」なのか「全体に広がる上げの初日」なのかは、小型株が付いてくるかで見分ける。ラッセルがプラス転換するまでは、今日の指数プラスを「相場全体が強い」とは受け取らない。

  2. 7/14 CPIの結果を見てから、$750超えの意味を判断する。今日SPYは$754.95とレンジ上限をキープしたけど、これが「上放れ確定」かどうかはCPI次第。CPIが予想を上回れば利上げ懸念で崩れる可能性もある。材料が出る前に「上放れた」と決めつけて飛びつかない、という順番で見る。

  3. ミクロンが来週も軟調なら「代替効果」、反発すれば「相乗効果」。SK Hynix上場を境に、米メモリー株から韓国株へお金が流れる流れが続くのか、それとも「メモリー不足で全社恩恵」に戻るのか。ミクロンの来週の値動きで、この綱引きの答えを確認してから半導体全体のスタンスを考える。

明日の観測ポイント

仮説: 7/14 CPI(6月分)が「地政学インフレ」を数字で裏付ける トリガー: CPIが市場予想を上回る → 利下げ消滅どころか利上げ観測が強まり、10年債4.6%超・株が軟調へ 無効条件: CPIが予想通り〜下回る → 「地政学は原油だけ、コアの物価は落ち着き」と安心買い → 僕のルール:CPIという明確な材料が出るまで、$750超えを「上放れ確定」と決めつけない。今のSPYはボリンジャー上限に張り付いた位置。材料次第でどちらにも振れる。

② 仮説: メモリー株の「代替効果 vs 相乗効果」の綱引きは、上場後も続く トリガー: 来週もミクロンが軟調・SK Hynixが堅調 → 「米→韓国へ資金移動」の代替効果が本物 無効条件: ミクロンが反発してSK Hynixと一緒に上げる → 「メモリー不足で全社恩恵」の相乗効果が優勢 → 僕のルール:半導体を一括りにせず、本尊・装置・メモリー・韓国勢を分けて、どこに資金が向かうかを毎日更新する

③ 仮説: 指数の「狭い上げ」(メガキャップ集中・小型株弱)が続く トリガー: 来週もラッセル2000がマイナス・上げはNVDA/META頼み → 上昇の土台は脆い 無効条件: ラッセル2000がプラス転換し中小型にも買いが回る → 相場の裾野が健全に広がる → 僕のルール:指数のプラスに飛びつく前に、小型株とメガキャップ以外の中身を見る。「S&Pがプラス」の一言では、上げが広いのか狭いのか分からない。

明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで教えてください。

今日の3語メモ

  • 「NVDA +4.03% で本尊が戻った」:前日「NVDAだけ下げ・裾野が上げ」だった構図が反転。テクニカルの初動サイン(MACDのゴールデンクロス直後)が実際の株価に繋がった。「本尊が付いてこない上げ」への宿題に、まず本尊自身が答えを出した1日。

  • 「上げたのはメガキャップだけ=狭い上げ」:S&P500はプラスでも、ラッセル2000(小型株)は-0.56%と逆行安。上げの源泉はNVDAとMETAのほぼ2社。「指数がプラス」の裏で、上げの幅はとても狭かった。少数の巨大株が指数を押し上げた日は、その株がコケると一緒に崩れやすい。

  • 「SK Hynix上場+12.76%、でもミクロンは-1.24%」:韓国メモリー大手の米上場は大成功だったのに、既存の米メモリー株は下げた。「メモリー不足で全社恩恵(相乗効果)」と「米→韓国へ資金移動(代替効果)」の綱引き。同じ「メモリー」でも明暗が割れた。テーマを一括りにしない大切さを再確認。


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この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年7月10日時点のものです。

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