今日の米国株は、同じ日にDowが-1.09%(-576ドル)と大幅安になっているのに、Nasdaqだけが+0.20%と逆にプラスで終わりました。
何がこの分岐を作ったのか。 答えは、①イラン再空爆で原油+4.37%が旧経済系(金融・素材・不動産)を殴った一方、②昨日壊滅した半導体装置株が全面反発、③さらに本尊NVDAが+3.65%で新経済側を持ち上げた——という二階建て構造。同じ日に旧経済と新経済が真逆に動く構図が、今日の骨組みでした。
もう一歩引くと、裏でFOMC議事要旨(6月会合分)が公表されて、それがかなりタカ派(=金利を下げにくい姿勢)だったのも今日の隠れ主役。でも市場は議事要旨より「イラン」と「半導体反発」を主軸に反応した——という順番も今日の面白いところです。
前回の仮説チェック
昨日(7/7)の記事で立てた3つの仮説を、今日のデータで答え合わせします。
① 仮説: FOMC議事要旨(7/8 14:00 ET)はタカ派バイアスに寄る可能性が高い トリガー: 議事要旨後に10年債が4.55%以上、Nasdaq -1%以上下落 → タカ派確定 無効条件: 10年債4.40%以下に低下、Nasdaq +1%以上上昇 → ハト派サプライズ 結果: ⏳ ねじれ。議事要旨自体は明確にタカ派(19人中9人が年内利上げ支持、2026年のPCEインフレ予測を2.7%→3.6%に大幅上方修正、「緩和バイアス」文言撤廃)で、10年債は4.55〜4.57%まで上昇(+4bp、トリガー成立)。なのにNasdaqは+0.20%で逆に上昇(無効条件でもトリガー完全成立でもない) 学び: 議事要旨がタカ派でも、同じ日にもっと強いテーマ(今日は「イラン地政学+半導体反発」)が並走していれば、市場はそちらを優先する。**「材料の強弱は数字の悪さだけでは決まらない、その日の主役材料が方向を決める」**という6/11の学びが今日も再現された。議事要旨のタカ派は消えたわけではなく、10年債4.55%・30年債5%超という形で"裏に残っている"
② 仮説: 半導体装置株(AMAT/LRCX/INTC)は7/8に反発1日目を試す トリガー: AMAT・LRCX・INTCのうち2銘柄以上が+2%以上戻す → 「材料は1日織り込み」 無効条件: 3銘柄とも横ばい以下、または続落 → 「装置サイクル懸念は継続」 結果: ✅ 明確に確認。AMAT +2.89%、LRCX +2.15%、KLAC +2.18%、ASML +1.22%、WDC +3.42%、MU +1.11%、SOX指数 +2.23%。装置株は全面反発。ただしINTCだけは-0.14%と横ばい(日中は-5%まで売られる場面もあり、装置全体の反発から取り残された) 学び: 昨日のサムスンQ2ガイダンス+DeepSeek材料は、装置株については「1日織り込み」で決着した可能性が高い。ただし僕のルール上、**「反発1日目は仮設、2日目で確定」**なので、7/9の続伸を見てから確定判断する。INTCが取り残された点は、装置株ローテーション内でも銘柄選別が始まっているサインかもしれない。Cantor Fitzgeraldが「2029年までのウェハーファブ装置投資見通し上方修正」を理由に、KLAC・LRCX・AMAT・ASMLの目標株価を引き上げた材料もこの反発を後押ししている
③ 仮説: ディフェンシブ物色(Healthcare/Energy/Staples)は7/8も継続する トリガー: 3セクター全てが+0.5%以上、テック回復時でも下がらない → ローテーション定着 無効条件: 3セクターとも下落、資金がテックに戻る → 一時避難だった 結果: ⏳ 部分的に確認。Energy(XLE +1.76%)は明確にトリガー成立、原油急騰で精製株VLO +6.26%・PSX +5.02%が牽引。ただしHealthcare/Staplesの当日詳細セクター騰落率が今回取得できず(VIX終値も同様に取れず)。テック側は「NVDA/AVGO/半導体装置が上、MSFT/META/TSLAが下」で内部分岐、テック全体としてはローテーションに完全に戻ってはいない 学び: エネルギーはローテーションではなく**「原油+4.37%の直接受益」**として動いており、地政学プレミアム物色の色が強い。純粋な「ディフェンシブへの一時避難」ではなく「エネルギー個別の逆行高」に近い動き。Healthcare/Staplesは今日のデータが取れなかったため、明日以降の連続性で改めて確認したい
主要指数
・S&P500 7,482.71(-21.14 / -0.28%) ・Nasdaq総合 25,870.65(+51.96 / +0.20%) ・NYダウ 52,348.39(-576.76 / -1.09%) ・ラッセル2000 2,956.39(-26.10 / -0.88%) ・VIX(恐怖指数) 終値未確定(複数ソース間で数値矛盾、16.13〜16.90と幅広)
今日の指数を見て一番目を引くのは、Dowが-1.09%も下げてるのにNasdaqだけが+0.20%で逆にプラス、という構図です。中小型株のラッセル2000は-0.88%とDow側に近い動き。CNNのFear & Greed指数(市場の感情を0〜100で表す指標)は42.3で「Fear(恐怖)」ゾーン、前日43.7からわずかに悪化しました。
VIXの終値だけは、複数の情報源で数字が食い違って確定できませんでした。「地政学リスクが再燃した日にVIXが下がってた」という報道もあれば「+4.77%上昇」という報道もあり、内部矛盾があります。ここは今日は「大きな急伸はしていない」水準、くらいに留めておきます。
相場を動かした3つのポイント
① トランプ「停戦は終わり」発言→米軍イラン再空爆で原油+4.37%(Dow大幅安の主犯)
今日の相場を最も強く殴った出来事は、地政学の急展開でした。時系列で整理するとこうです。
- NATO首脳会議(トルコ):トランプ大統領が記者団に「イランとの停戦は終わったと思う」と発言
- 米軍再空爆:米がイラン全土の約90ヶ所を攻撃したと複数メディアが報道。発端は7/7のホルムズ海峡(中東の原油が通る海の通り道)で商船3隻がイランに攻撃された件
- 原油急騰:WTI原油が$73.52(+4.37%)、Brent原油が$78.19(+5.43%)まで一気に上昇。トランプ氏はイラン原油輸出の9割を担う「ハルグ島」への空爆可能性まで示唆
- 株式反応:金利感応度が高い金融・不動産、原材料コスト増を嫌う素材の3セクターがDowを引きずり下げて-1.09%(-576ドル)
「戦争リスクが戻る→原油上がる→インフレ再燃警戒→金利上がる→旧経済の重い株から売られる」という因果チェーンが、今日1日で綺麗に走った形です。
→ 僕のルール:地政学は方向を当てにいかない。「実際に原油が動いた」「実際に金利が動いた」という結果を確認してから、株の何が売られたかを追う。今日はDow構成銘柄の中で金融・素材・不動産が売られたのは、金利上昇(10年債+4bp)と原油高が同時に効いた結果。単に「イラン怖い」ではなく、その先の因果まで見ないと構造が読めない。
② FOMC議事要旨は明確にタカ派——"現代的3つのショック"を名指し
今日14:00 ETに公表されたFOMC議事要旨(6月16-17日会合分)は、想像以上にタカ派(=金利を下げにくい姿勢)な内容でした。
- 19人中18人がドット提出、うち9人が年内利上げを予測、8人が据え置き、利下げ支持はわずか1人
- 2026年のPCEインフレ予測中央値を2.7%→3.6%に大幅上方修正、コアPCEも2.7%→3.3%へ
- インフレを目標2%超に押し上げる要因として**「関税」「ホルムズ海峡サプライチェーン混乱」「AI関連設備投資」の3ショック**を明示(今日の相場でまさに①関税→②ホルムズ海峡→の順で顕在化している皮肉)
- 「複数の参加者が『現在の政策スタンスは全く引き締め的でない』と主張」との記述
- 声明文から「緩和バイアス」文言を撤廃、金融政策運営を検証する「5つの独立タスクフォース」を設置
- Warsh議長は自身のドットを未提出(2012年のドットプロット開始以来、議長として初めての未提出)
Warsh議長がドットを出さなかったのは、「伝統的フォワードガイダンス(=将来の金利予測を市場に事前に示すやり方)から距離を取る」新体制の姿勢を示すシグナルとして受け止められています。10年債利回りは4.55〜4.57%まで上昇(+4bp)、30年債は5.06〜5.07%と5%超を維持——金利は明確にタカ派側に反応しました。
→ 僕のルール:議事要旨がタカ派なのに株(Nasdaq)が下げなかった時は、「議事要旨は既に織り込み済み」か「同日に別のもっと強い材料がある」のどちらか。今日の場合は後者(イラン+半導体反発)が主軸で、議事要旨のタカ派は10年債・30年債の水準に静かに刻まれた。この"裏に残った"タカ派インパクトは、次のマクロ指標(7/14 CPI)や7/29 FOMCで再燃する火種として意識しておく。
③ 半導体装置株が全面反発、NVDA +3.65%でNasdaqを守った
昨日7/7に-6〜10%で壊滅した半導体装置株が、今日は綺麗に全面反発しました。
- AMAT +2.89%、LRCX +2.15%、KLAC +2.18%、ASML +1.22%、WDC +3.42%、MU +1.11%、SOX指数 +2.23%
- ただしINTCは-0.14%と横ばい(日中は-5%まで売られる場面あり、引けにかけて戻したが装置全体の反発から取り残された)
- 本尊NVDAは+3.65% で強く戻す、Broadcom(AVGO)は+4.83%(7/6のApple-Broadcom 6年契約材料の余波を維持)
- Mag7内はAAPL +0.88%・NVDA +3.65%が牽引、MSFT -1.41%・META -2.02%・TSLA -2.19%は下落——Mag7の中で綺麗に強弱が分かれた
背景として、Cantor Fitzgeraldが「2029年までのウェハーファブ装置(半導体製造装置)投資見通しを上方修正」を理由に、KLAC・LRCX・AMAT・ASMLの目標株価を引き上げた材料が出ています。昨日のサムスン+DeepSeek材料は、装置株については「1日織り込み」で終わった可能性が高い形です。
→ 僕のルール:「反発1日目は仮設扱い、2日目で確定」という僕のルール上、今日の装置株反発はまだ確定判定できない。明日7/9も続伸するかどうかを見てから確定する。ただしINTCだけが取り残された点は要注意で、装置株の中でも銘柄選別(構造的な弱者と勝者)が始まっているサインかもしれない。装置株を"ひと括り"で見ずに、内部で階層分けする必要が出てきた。
セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」
今日の勝ちセクターは**エネルギー(XLE +1.76%)が最も明確でした。特に精製株VLO +6.26%・PSX +5.02%が原油急騰の直接受益で、上位ゲイナーの常連に。石油大手のCVX +1.13%、COP +2.10%、OXY +3.70%もプラス圏。ただしXOMだけ-0.40%**とほぼ横ばい——石油メジャーの中でも銘柄で温度差が出ています(前日7/7時点で既に上げていた反動の可能性)。
一方、素材(Materials)・金融(Financials)・不動産(Real Estate)が下げ幅最大級。金利上昇(10年債+4bp)で金融の預貸マージン期待が縮み、不動産は住宅ローン金利上昇の逆風、素材は原材料コスト増を嫌気——という金利上昇×原油高の二重パンチを受けた3セクターが、Dow -1.09%の主犯です。
テック内は綺麗に分岐——NVDA/AVGO/半導体装置株が上、MSFT/META/TSLAが下。単純な「テック全面高/全面安」ではなく、AI半導体の勝ち組と、それ以外の大型テックという階層分けが今日は特にはっきり出ました。
Mag7(超大型テック7社)の動き
・AAPL +0.88%(Broadcom材料の余波維持) ・MSFT -1.41%(クラウド弱含み) ・GOOGL -1.39%(弱含み) ・AMZN -0.96%(弱含み) ・NVDA +3.65%(本尊しっかり、半導体反発の司令塔) ・META -2.02%(弱含み) ・TSLA -2.19%(弱含み)
Mag7の中で**「AAPL+NVDAだけが上、他5銘柄は下」**というきれいな二分化でした。今日のポイントは、NVDAが+3.65%でBroadcom+4.83%・装置株反発の"司令塔"としてしっかり機能したこと。昨日「本尊NVDAが+0.24%で踏みとどまった」段階から、今日は本格反発モードに入った印象です。AAPLはBroadcom材料が2日連続で効いていて、Mag7内で最も強いRSI 62.23(買われすぎではないが強い)まで到達しました。
個別株で目立った動き
上昇組:
- PENG(Penguin Solutions)+25.13%:7/7引け後にFY26 Q3決算大幅ビート、AI関連売上が前年比+104%、通期ガイダンスを売上成長率12%→22%±2%に上方修正。AI向けメモリ(Integrated Memory)が売上倍増で牽引
- ANET(Arista Networks)+8.76%:具体材料未特定だが、AI関連ネットワーク機器銘柄で装置株反発の流れに乗った可能性
下落組:
- MRNA(Moderna)-7.48%:材料未特定
- PANW(Palo Alto Networks)-4.88%:Evercore ISIが目標株価$375→$320に引き下げ
面白い視点として、PENG +25%はAI設備投資サイクルへの弱気(DeepSeek懸念)が広がる中で、実際の需要がまだ強いという反証データでもあります。「AI投資は減速する」という懸念と「実需はまだ強い」という決算実績が同時進行——マクロ観測とミクロ実績のズレが今の相場の特徴です。
マクロ環境(大きな経済の流れ)
・米10年債利回り 4.55〜4.57%(+4bp超、5月来高値) ・米2年債利回り 4.206%(+4bp超) ・米30年債利回り 5.06〜5.07%(5%超維持) ・USD/JPY(ドル円) 162円台(40年ぶり水準を維持) ・DXY(ドルインデックス) 101.07(+0.05%、1週間ぶり高値圏) ・WTI原油 $73.52(+4.37%) ・Brent原油 $78.19(+5.43%) ・金先物 約$4,030/oz(-1%前後、7/2以来の安値) ・銀 約$57.56〜58.80(-2.3〜-4.2%、2025年12月来安値) ・10年実質利回り 2.27%(18ヶ月ぶり高水準)
今日いちばん面白かったマクロ動きは、**「地政学リスクが再燃したのに、金と銀が両方売られた」**ことです。普通、戦争リスクが高まる日は金(安全資産)が買われるはずですが、今日は逆に売られました。理由は「地政学プレミアムより実質金利上昇(2.27%)の重石が勝った」——議事要旨タカ派+10年債4.57%+30年債5%超の"金利側の重さ"が、金を持つコスト(機会費用)を押し上げて、地政学買いを打ち消した形です。
経済指標の結果:FedWatchによれば、次回7/29 FOMCでの据え置き確率は68.5〜70.1%、利上げ確率は31.5%、利下げ確率は実質ゼロ。市場はハト派方向をまったく織り込んでいません。今週は7/9に新規失業保険申請件数、7/14には6月分CPIが控えており、CPIが上振れれば7/29 FOMCで利上げシナリオが本格化する可能性も出てきます。
テクニカルで見る今の位置
TradingViewのリアルタイムデータから、主要指標のテクニカル的な立ち位置を整理します。
・S&P500(SPY $745.40):RSI 52.92(中立)、MACD 2.16/Signal 1.86(Histogram +0.30でゴールデンクロス継続)、MA乖離 短期+13.5%/中期+12.7%/長期+9.1%。上方乖離が依然大きく、トレンドは強いが「上値の重さ」も同居 ・Nasdaq(QQQ $711.44):RSI 47.86(中立寄り弱)、MACD 1.03/Signal 3.65(Histogram -2.62でモメンタム弱化)——SPYより明確に弱く、テック内部の分岐がテクニカルに反映 ・NVDA($204.12):RSI 50.98(中立)、MACD -3.30/Signal -3.41(Histogram +0.12でゴールデンクロス目前)——マイナス圏だが反転の入り口、7/8の+3.65%で明確に上向き ・AAPL($313.39):RSI 62.23(強い)、MACD 2.96/Signal 0.53(Histogram +2.43で強いゴールデンクロス)——Mag7で最も強いテクニカル、6/26からの反転トレンドが継続
チャートを見て気づいたのは、「SPYはトレンド維持、QQQはモメンタム減衰、NVDA/AAPLは反転局面」という3つのフェーズが同居していること。指数と個別銘柄で見えている絵が違う——QQQのMACDヒストグラムが-2.62でまだデッドクロス継続なのに、その構成銘柄のNVDAとAAPLは反転局面に入っている。**指数レベルでは"上値の重さ"、個別レベルでは"強者集中"**という、過渡期特有の噛み合わなさが今日のテクニカルの本音です。
※テクニカル分析はTradingViewのリアルタイムデータに基づく。投資判断は自己責任で。
全体像:旧経済(Dow)と新経済(Nasdaq)が同じ日に真逆に動いた
7/8を一言でまとめると、「イラン地政学とタカ派議事要旨の二段構えで旧経済(Dow -1.09%)は殴られたが、半導体装置株の全面反発とNVDA +3.65%の本尊維持で新経済(Nasdaq +0.20%)は守り切った日」。同じ市場・同じ日なのに、Dow構成銘柄とNasdaq構成銘柄が真逆に動く"分岐相場"の典型です。
因果チェーンを整理すると、①トランプ「停戦終了」発言+米軍イラン再空爆 → ②原油+4.37% → ③エネルギー株逆行高(精製株VLO+6.26%)/同時に素材・金融・不動産が売られてDow-1.09% → ④裏でFOMC議事要旨がタカ派(利上げ支持9人・PCE予測3.6%へ上方修正)で10年債+4bp・30年債5%超維持 → ⑤ただし半導体装置株の全面反発(Cantor目標株価引き上げ)とNVDA+3.65%・AVGO+4.83%がNasdaqを+0.20%で守った——という2階建て構造。
こういう相場で僕が意識しているのは、「同じ日でも旧経済と新経済は別の理屈で動いている」ということ。「米国株が今日は下がった/上がった」という一括り表現は、今の相場では役に立ちません。金利感応度が高い(=金融・素材・不動産・小型株が多い)Dowと、AI関連の強者が集中するNasdaqは、同じマクロ材料に対して逆方向に反応することがある。この構造は、7/6のApple-Broadcom材料→7/7のサムスン+DeepSeek材料と続いた3日間で、より鮮明になってきた実感があります。指数を1つのモノとして見ず、"どのセクター・どの階層が動いているか"で分けて読む癖を強めていきたいです。
今日の迷い・判断メモ
迷ったポイント:昨日7/7時点で「半導体装置株の反発1日目は仮設扱い、2日目で確定」ルールを立てていた。今日実際にAMAT +2.89%、LRCX +2.15%と綺麗に反発した瞬間、「もう2日目待つ意味あるのか?」と一瞬迷いました。Cantorの目標株価引き上げという材料もあったので、確度は高いように見えた。
結局どう考えたか:ルールは守る、と判断しました。理由は3つ——①INTCが横ばい(-0.14%)で全銘柄が揃わなかったので「装置株の一様な反発」とは言い切れない、②Cantorの目標株価引き上げは「2029年までの見通し」で足元3-6ヶ月の需要とは別の話、③今日反発した銘柄群も、7/7の下げ幅(-6〜10%)に対して今日+2%程度の戻しでしかない(半値戻しにも達していない)。「見た目の反発」と「材料の消化」は違う、というのを昨日書いたばかりでした。
後から振り返って:現時点では判断は維持。ただし、「反発1日目に飛びつかない」というルールと「Cantor目標株価引き上げのような一次情報を無視しない」というルールの折衷点をもっと具体化したい。今日みたいに「反発は出た、材料も追認された、でも全銘柄が揃わなかった」という状況で、"仮設扱い"の割合を何%にするか、みたいな中間解を持つ練習が必要そう。
自分なら何を確認してから動くか
今日の相場を受けて、次にアクションを取る前に確認したい3つ:
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半導体装置株の反発2日目(7/9)の続伸チェック。今日反発したAMAT・LRCX・KLAC・ASMLが+0.5%以上続伸するかどうか。2日目で維持できたら「材料消化=上向きに転換」と判断、失速したら「1日限りの自律反発」と読む。特にINTCが+1%以上戻せるかは装置株全体のスタンス確認になる(今日取り残された銘柄が戻すかどうかで、内部の"銘柄選別"が本物かフェイクかが分かる)
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原油とDowの連動性チェック。今日の因果チェーンが正しいなら、「WTIが$72割れ かつ Dow +0.5%以上戻し」があれば、地政学プレミアムは剥落したと判定できる。逆にWTI続伸+Dow続落なら、地政学は長期化シナリオ入り。原油の動きを見てからDowのポジションを考える、という順番で。単発の要人発言(例:トランプ追加発言)に飛びつかず、実際の原油価格を先に確認する
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10年債4.55%・30年債5%超が7/9も維持されるか。今日の議事要旨タカ派で押し上げた金利水準が、明日以降も残るか一時的だったかを見る。金利が下がれば「議事要旨タカ派も剥落」、金利が高止まりすれば「タカ派インパクトは残った」。7/14 CPIまでの1週間、金利の居所が7/29 FOMCシナリオの先読み材料になる
明日の観測ポイント
① 仮説: 半導体装置株の反発2日目(7/9)で「材料消化」が確定するか トリガー: AMAT・LRCX・KLACのうち2銘柄以上が+0.5%以上続伸 → 2日目で本物、上向き転換 無効条件: 3銘柄とも下落 → 反発は1日限りの自律反発、装置サイクル懸念は継続 → 僕のルール:「反発1日目は仮設、2日目で確定」の運用日。今日飛びつかなかった判断が正解だったかを、明日答え合わせできる。2日目で維持できたらINTCがどれだけ戻すかで内部の銘柄選別を測る、失速したら7/7のサムスン+DeepSeek材料はまだ生きていると判断する。
② 仮説: Dow下げの主因が地政学なら、原油が落ち着けばDowも戻す トリガー: WTIが$72割れ かつ Dow +0.5%以上戻し → 地政学プレミアム剥落、Dow反発 無効条件: WTI続伸 かつ Dow続落 → 地政学が長期化するシナリオ入り、Dow下値追い → 僕のルール:Dowの中身(金融・素材・不動産)が本質的に売られたのか、原油急騰の反射だったのかを切り分けたい。原油の動きが先で、Dowの反応がその後。原油の落ち着きを確認してから、Dowの戻しに乗るかを判断する。「イラン怖い」で反射的にDowを売り買いしない。
③ 仮説: 週後半のマクロ指標(7/9 新規失業保険、7/14 CPI)までは、指数はレンジ推移 トリガー: SPY $740-$750で横ばい、VIXも一段の急伸なし → 材料待ちの膠着 無効条件: SPY $740割れ or $760超 → 地政学 or マクロで一方向に振れる → 僕のルール:材料と材料の間の"膠着相場"では、テクニカルの水準を見るのが有効。今のSPYはRSI 52.92でど真ん中、上下どちらにも動きやすい水準。膠着時に新規ポジションを取らないという僕のルールを、7/14 CPIまで守る。CPIが明確な結果を出してから、次の一手を考える。
明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで教えてください。
今日の3語メモ
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「Dow -576ドル安 vs Nasdaq +0.2%の逆行」:同じ日に旧経済と新経済が真逆に動く"分岐相場"の典型例。金利感応度が高いDow構成銘柄と、AI関連強者が集中するNasdaqは、同じマクロ材料に対して逆方向に反応することがある。「米国株が今日は下がった」という一括り表現は、今の相場では役に立たない、という現実を突きつけられた1日
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「30年債5%超維持+10年債4.55%+議事要旨9人利上げ支持」:地政学が主役の裏で、FOMC議事要旨のタカ派インパクトが金利水準に静かに刻まれた。株(Nasdaq)が下げなかったのは"今日の主役材料"がイランと半導体反発だったから。ただし議事要旨のタカ派は消えたわけではなく、7/14 CPI・7/29 FOMCで再燃する火種として"裏に残っている"
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「装置株全面反発+INTC取り残され」:半導体装置株は一様に反発したが、INTCだけが横ばい。**「同じセクターでも銘柄選別が始まる」**サイン。7/7の"崩壊"→7/8の"反発"の1日目チェックで、勝ち組(AMAT/LRCX/KLAC/ASML)と負け組(INTC)の階層分けが早くも見えてきた。装置株を"ひと括り"で見ずに、内部を階層分けする必要性を今日確認した
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この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年7月8日時点のものです。
