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締切を1か月まちがえていた──同じ補助金に、締切が2本走っている|9月3日 AIニュースまとめ

・約13分で読めます

3日前から「デジタル化・AI導入補助金の締切が、調べる場所によって違う」と書き続けていました。今日、答えが出ました。

同じ補助金の中で、締切が2本並んで走っていたというのが結論です。出回っている「10月30日」は間違いではありません。ただしそれは、自分が見ていた枠の日付ではありませんでした。

順番に書きます。

前回の宿題の答え合わせ

✅ 1. デジタル化・AI導入補助金──「10月30日」は複数者連携枠の日付だった

事業事務局(中小機構)のスケジュールページを開いて、ようやく食い違いの理由が分かりました。

  • 通常枠・インボイス枠(電子取引類型/インボイス対応類型)・セキュリティ対策推進枠 → 直近の締切は2026年9月29日(火)17:00
  • 複数者連携デジタル化・AI導入枠のみ別スケジュールで、第1次の締切が2026年10月30日(金)17:00(第2次以降の締切日は未公表)

つまり、複数の会社が連携して申請する枠だけ、別のカレンダーで動いていました。単独で申請する会社が見るべきなのは9月29日のほうです。

第6次(通常枠等)の締切日そのものは、いまも一次ソースでは公表されていません。「確定分のみ公表、以降は随時更新」という書き方のままです。

ひとつ正直に書いておくと、中小企業庁本体の公募要領ページは今日もアクセスできず(403エラー)、事務局サイトを一次の代わりに使っています。100%の確証ではありません。ただ3日間の食い違いの原因は、これでほぼ説明がつきます。

そしてもう1つ正直に書くと、これは3日前に電話1本かければ済んだ話でした。ただ、電話しても「どの枠のご相談ですか」と聞かれて、そこで同じように詰まっていたと思います。枠ごとに締切が別々に走っている構造そのものを知らなかったのが、本当の原因でした。

🔮 2. 省力化投資補助金 第8回──「9月中旬」のまま、試算は保留にします

事務局公式を確認しましたが、申請受付の開始は「2026年9月中旬」の予定表記のまま。締切予定は10月中旬です。

前回「基準年度の変更が支援先の数字にいくら効くか試算する」と書きました。取り消します。変更があったという事実自体を、一次ソースで確認できていません。検索で出てくるスニペット(検索結果の抜粋)には「応募申請時の直近決算期から、補助事業完了日を含む事業年度の決算期に変更」という記述がありましたが、本文を開けていないので、これを前提に数字を動かすのは危険です。

受付が始まれば公募要領が出て、両方いっぺんに解決します。それまで推測で試算しません。

🔮 3. Claude Codeの利用上限変更(9月14日施行)──4日連続で公式に記載なし

公式サポートの利用上限ページを開きました。最終更新は2026年6月2日のまま。9月14日から変わるとされている内容は、どこにも書かれていません。施行まであと11日です。

✅ 4. Claude Fable 5.1の新規アカウント制限──原文が読めました

公式ドキュメントに条件がそのまま書いてありました。要約すると、2026年8月31日以降に作ったアカウントには新しいチェックが強制的にかかる。それより前に作ったアカウントは「記録はされるが、リクエスト側で明示的に設定しない限り、動作は変わらない」。

既存アカウントにいつ全面適用されるかは、このページにも書かれていませんでした。APIを使った仕組みを組んでいる場合、アカウントを作った日が8月31日の前か後かで挙動が変わるとだけ覚えておけば足ります。

注目ニュース TOP3

① 「10月30日」を締切だと思っていると、9月29日を逃す

何が起きたか

上に書いたとおりです。デジタル化・AI導入補助金は、枠ごとに締切のスケジュールが別々に走っています。単独申請の会社に効いてくるのは、9月29日(火)17:00のほうです。

なぜ重要か

締切を1か月まちがえるのは、支援先にとって「今期は申請できませんでした」と同じ意味になります。しかも9/29と10/30は、見た目の印象が近い。10月末まであるつもりでいた会社に実際に残っているのは、26日です。

もう1つ効いてくるのが、この制度は交付決定の前に発注すると補助の対象外になるという点です。つまり「締切に間に合わせる」ではなく「締切から逆算して、発注をいったん止める」という順序で動く必要がある。日付を1か月まちがえると、単に間に合わないだけでなく、先に発注してしまって対象外になるという事故が起きます。

→ 採用・中小企業への影響

採用管理システム(応募者の情報を1か所で管理するツール)や求人票の作成支援ツールを、この補助金で入れようとしている会社があるなら、今日やることは1つです。手元のメモにある締切が、どの枠の日付かを確認する。「10/30」とだけ書いてあったら、それが複数者連携枠かどうかを確認する。

→ 個人の実務・副業への影響

直接は効きません。ただ「同じ制度の中に複数の締切が並走している」構造は、この補助金に限った話ではありません。数字だけメモして枠名をメモしない習慣があるなら、ここで直しておく価値はあります。

自分はこの3日で、それを身をもって学びました。

② Gemini 3.8 Flash、いまの価格は12月31日まで──その先は2倍だと先に書いてある

何が起きたか

GoogleがGemini 3.8 Flashと3.8 Flash Cyberを公開しました(9月2日)。3.8 Flashは汎用、3.8 Flash Cyberはプログラムの脆弱性(セキュリティ上の弱点)を見つけることに特化したモデルです。

注目したのは価格のほうです。入力100万トークンあたり0.75ドル、出力3.75ドル。ただしこれは導入価格で、2026年12月31日まで。2027年1月からは1.50ドル/7.50ドルに上がると、発表の時点で明記されています。

(トークン=AIが文章を読み書きするときの単位。日本語だとだいたい1文字1〜2トークン前後と思っておけば、感覚としてはずれません)

なぜ重要か

「安くなりました」ではなく「この価格はいつまでです」と先に言っているのが珍しいと思いました。ふつうは後から値上げされて驚くことになります。

裏を返すと、いまの価格で作った費用対効果の試算は、2027年1月に倍になるということです。月2万円で回る計算をしていたなら、来年は月4万円。年間予算を作る場面では、この差は無視できません。

昨日のFable 5.1のときにも書きましたが、値下げ・値上げのニュースは「自社の使い方だと、いくら変わるのか」に翻訳しないと意味がありません。今回は翻訳の材料が全部そろっているぶん、扱いやすい部類です。

なお、このモデルはまだ自分の手元で試していません。ベンチマークの数字(脆弱性発見で20言語の成功率70%超など)は公式発表の値で、自分で確かめたものではない。求人票の下書きを実際に投げて、前のモデルと差が体感できるかは次回書きます。差が分からなければ「分からなかった」と書きます。

→ 採用・中小企業への影響

応募者への一次返信や求人票の下書きを、API(プログラムから直接AIを呼ぶ仕組み)で組もうとしている会社には、見積もりを出すときに一言添えてください。「この試算は2026年12月31日までのモデル価格です」。年度をまたぐ予算なら、1月以降は倍で置いておく。あとで説明に困りません。

→ 個人の実務・副業への影響

副業でAI関連の仕組みを納品している人は、見積書にこう書けるようになりました。

本見積は2026年12月31日時点のモデル利用料金に基づきます。以降の料金改定により、運用費が変動する可能性があります。

これは自分を守るための一文というより、相手に予算の話を先出ししておくための一文です。来年1月に「実は倍になりまして」と切り出すより、最初から書いてあるほうが話が早い。今日からコピペで使えます。

③ 従業員290人の会社で利用率86%──効いていたのは「11人の窓口」

何が起きたか

創業108年の味噌メーカー・ハナマルキ(従業員約290名)が、2025年1月に社内のグループウェアにGeminiを統合して全社員が使える状態にし、社内に「AIサポーター」を11名配置。結果として全社の利用率が86%に達したと報じられています(ITmediaの取材記事)。

なぜ重要か

AI導入の話は、たいてい「どのツールを入れたか」で語られます。でもこの事例で効いているように見えるのは、ツールより配置のほうです。290人に対してサポーター11人。だいたい26人に1人の比率になります。

この比率が意味するのは「困ったときに聞ける人が、必ず視界の中にいる」という状態です。全社導入でよくある失敗は、ツールを配って説明会を1回やって終わり、というやり方。使えない人が「誰に聞いていいか分からない」まま放置されると、そこで止まります。

正直に言うと、約290人は自分が普段見ている10〜50人の会社より大きいですし、取材記事なので社内の細かい事情までは分かりません。利用率86%の定義(週1回以上なのか、月1回でもカウントするのか)も記事からは読み取れません。数字を額面どおりには受け取らないほうがいい。

それでも「26人に1人の窓口」という比率は、規模を変えても持ち運べます。

→ 採用・中小企業への影響

20人の会社なら、1人置けば同じ比率になります。ツールを選ぶより先に「AIで困ったらこの人」と決めて、名前を社内に出す。これだけなら今日できます。

→ 個人の実務・副業への影響

会社でAIを広めたい立場の人には、そのまま使える型です。全員に配るより、自分が窓口だと宣言するほうが早い。「AIの使い方、聞いてくれれば答えます」とチャットに1回書くだけで、想像より人は来ます。自分の場合も、ツールを勧めて回るより「聞かれる状態を作る」ほうが結果的に定着しました。

AIツール・アップデート情報

・GitHub Copilot:コンテンツ除外機能が正式提供に(9月2日) Business/Enterprise向けに、管理者が機密のコードをAIの参照範囲から外す設定を正式に使えるようになりました。「AIに社内の情報を読ませて大丈夫か」への回答として、ツール側に除外の仕組みが標準で入っている例が1つ増えたことになります。他のツールを選ぶときも、同じ設定があるかを見る項目にしていいと思います。

・Cursor:自社のインフラでクラウドエージェントを動かせるように(9月2日) 個人向け「My Machines」、チーム向け「Pools」。あわせて、Cursor社内でマージされるプルリクエストの60%超がクラウドエージェント作成という数字が公開されました。自社の数字を出してくる会社は、個人的に信用度が上がります。

・Gemini:動画の理解方式が変わった(9月1日) 一定間隔で切り出して全部読むのではなく、必要な区間だけを動的に見にいく方式になりました。トークン消費が最大88%減、コスト最大66%減、精度は最大7%向上。追加費用なしで、既存のFlash系モデルで使えます。

これは面接の録画や研修動画を扱う場面に効きます。「動画をAIに読ませるとコストが読めない」という理由で見送っていた話が、もう一度検討できる水準に下がったかもしれません。まだ試していないので、断言はしません。

・TalentX「MyTalent CRM」:AIによる求人の自動レコメンド機能(9月2日) 候補者の職務経歴をAIが解析して、その人に合う求人を自動で提案する機能が追加されました。価格と提供開始日はリリースに書かれていません。

ツール選びのワンポイント:今日出てきた4つのうち、自分が支援先に真っ先に勧めるものはありません。全部「様子を見る」でいい種類のニュースです。動いたほうがいいのは補助金の締切のほうで、こちらは日付が切られています。優先順位を間違えないようにしてください。

AIが中小企業の採用・現場をどう変えるか(TSUMUGU視点)

今日やれることを2つに絞ります。

1. 補助金のメモに「枠名」を書き足す(5分)

手元に補助金の締切をメモしている人は、その日付の横に枠の名前を書いてください。

  • ✕「10/30」
  • ○「10/30(複数者連携枠 第1次)」
  • ○「9/29 17:00(通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠)」

これだけで、来月「あれ、締切いつだっけ」と検索し直したときに、違う枠の日付を拾ってくる事故が防げます。自分は3日かけてこれを学びました。書き足すのは5分です。

支援先と話すときも同じで、「締切いつですか」ではなく「どの枠で、締切いつですか」と聞く。質問を1語増やすだけで、返ってくる答えの精度が変わります。

2. 「AIで困ったらこの人」を決めて、名前を出す(今日中)

ハナマルキの事例で効いていたのは、26人に1人という窓口の密度でした。20人の会社なら1人です。

  1. 社内でAIを一番触っている人を1人決める(社長でもかまいません)
  2. その人の名前を、チャットなり朝礼なりで明示的に出す(「AIで困ったら○○さんに聞いてください」)
  3. 聞かれた内容を、その人が1行でメモに残す

3番目が地味に効きます。同じ質問が3回来たら、それは集合研修でやるべき内容です。逆に1回も聞かれない機能は、そもそも要らなかったということ。質問のログが、次に何を教えるべきかを教えてくれます。

ひとり人事の会社だと、その1人が自分自身になるケースが多いはずです。その場合は「自分が窓口です」と明示的に言ってしまうほうがいい。言わないと、周りは遠慮して聞いてきません。

ツールを増やすより、まず窓口を1つ作る。順番はこちらが先です。

個人の副業・実務への影響

見積書に「モデル価格の有効期限」を書く

②で書いたとおりです。Gemini 3.8 Flashの価格に期限が明記されたことで、見積書に有効期限を書く根拠ができました。1行入れておくだけで、来年の価格の話が「値上げのお願い」ではなく「最初からそう書いてありました」になります。金額の大小より、話の持っていきやすさの問題です。

もう1つ:Uberの「1〜2人チームの50%廃止」は他人事ではない

Uberが3,300人(全社員の約10%)の削減を発表しました。管理職層を20%減らし、1〜2人規模のチームの半分を廃止、リモート勤務を1%未満に制限、という内容です。

ここで正直に書いておくと、記事の本文に「AIによる代替」という説明は出てきません。AIのせいだと書きたくなる話ですが、書かれていないことは書かない。

それでも、極端に小さいチームが整理の対象になったという事実のほうは、副業やフリーランスで企業に入り込んでいる人には効いてきます。「自分ひとりで回している業務」は、外から見れば1人チームです。何かあったときにまとめて見直される単位になっている、とだけ意識しておいていいと思います。

今日のまとめ:日付より先に、枠を確認する

今日いちばん気になったのは、3日かけて調べていたものが「別の枠の日付だった」という結末でした。

新しいモデルが出た、値段が下がった、という話は毎日流れてきます。でも今日の時点で実際に期限が切られているのは、補助金のほうです。9月29日17時。残り26日。しかも交付決定の前に発注すると対象外になるので、逆算して動く必要がある。

AIのニュースを追っていると、つい「新しいほうが重要」に見えてきます。実際には、古くて地味な締切のほうが、支援先の今期の結果を決めることがあります。今日の自分にとってはそれでした。

Gemini 3.8 Flashも、まだ触っていません。触ってから書きます。

来週の注目ポイント

① 9月29日17:00に、支援先が間に合うか(残り26日) → 日付を調べる話は今日で終わりです。次は実務。交付決定の前に発注すると対象外なので、どこまで逆算して止められたかを書きます。

② 省力化投資補助金 第8回の受付開始(「9月中旬」まであと10日前後) → 3日連続で「9月中旬(予定)」のまま。基準年度の変更も一次で確認できていません。受付が始まれば公募要領が出て両方いっぺんに解決するので、それまで推測で試算しません。

③ Claude Codeの利用上限変更(9月14日施行)──あと11日、公式記載は4日連続でなし → 最終更新が6月2日で止まっているページに、変更が載るかどうか。このまま施行日を迎えれば「公式ドキュメントに一度も載らないまま実施された変更」という記録が完成します。ツールを人に勧める立場として、この記録は残しておく価値があります。

④ Gemini 3.8 Flashを実際に触った結果 → 今日は価格の話しか書けていません。求人票の下書きを投げて、前のモデルと差が体感できるか。分からなければ「分からなかった」と書きます。

締切のある話とない話は、分けて扱ってください。今日の教訓はそこに尽きます。

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