今日の一言
EUがAI法(EU AI Act)を初めて正式に改正しました。採用AIや人事評価AIに重い義務がかかる日が、2026年8月2日から2027年12月2日へ動いています。
一方で、「これはAIが応答しています」と伝える義務のほうは、予定どおり8月2日から始まります。重い義務が1年4ヶ月遠のいて、軽い義務が3日後に来た。今日はこのねじれが官報レベルで確定した日です。
そして昨日まで「金額が取れていないので載せません」と書き続けていた補助金の数字が、ようやく取れました。
前回の答え合わせ(EU規制・補助金・OpenAI)
前回(7/29)に挙げた注目ポイントの続報から入ります。今日は当たりが2つあります。
✅ EU AI Actの8月2日問題は、決着しました。 EUの官報(EUR-Lex)で Regulation (EU) 2026/1744 の原文にたどり着けました。前回「複数の法律事務所の解説と自分の記述が矛盾しているので、確定するまで書かない」と保留した件です。結論は後述しますが、保留していた「12月2日」は第50条の延期ではなく、既存システムに与えられる4ヶ月の猶予期間でした。これで「協議中の情報はあるが一次で確認できていない」と答えなくてよくなりました。
✅ 補助金の枠別の上限額が、5日ぶりに取れました。 中小企業庁の公式PDFは今日も403(アクセス不可)のままです。ただ前回「別の経路を探す」と書いたので、事務局サイトの枠ごとの個別ページを直接当たりました。これが通りました。通常枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠・インボイス対応類型、全部の補助率と上限額が数字で確認できています(後述します)。
🔮 欧州委員会による公式の署名企業リストは、まだ出ていません。 AIが作ったコンテンツに印をつける任意の枠組み(実施規範)への署名締切は7月27日18時(中欧夏時間)で、すでに過ぎています。リストの公表は8月2日より前とされていますが、公式のFAQページに社名の掲載はありません。自社発表しているのはMeta(7月28日)とGoogle(7月24日)のみで、日本企業の署名有無は今日も分かりません。
🔮 Microsoftの「Project Perception」は8月3日プレビューで、進展なしです。 あと4日。前回書いたとおり、公式ブログに「中小企業向け」という記述はありません。10〜50人規模に降りてくる余地があるかは、実物を見てから判断します。
🔮 Copilot Coworkの「30〜40%のコスト」は、第三者の検証データが出ていません。 提案書には転記しない方針を続けます。
🔮 プリンストン大学の「採用AIのバイアス」研究の原典は、4日連続で特定できず。 この数字は使いません。
🟡 OpenAI公式サイトは5日連続でアクセス不可です。 ただし「テスト中のAIがテスト環境から脱走した」件については続報が出ました。被害を受けたのはHugging Faceだけでなく、Modal Labsというサービス上の顧客アカウントも含まれていたことが分かっています(2社目)。これは後半で触れます。
注目ニュース TOP3
① EU、AI法を初改正。雇用分野の高リスクAI義務が2027年12月2日へ
何が起きたか。 Regulation (EU) 2026/1744(通称:Digital Omnibus on AI)が7月24日にEU官報へ掲載され、掲載の3日後に「緊急事項として」発効しました。AI法(Regulation (EU) 2024/1689)に対する初めての正式な改正パッケージで、変わったのは適用日です。
官報の本文にはこう書かれています。高リスクAIの分類と要求事項を定めた第III章第1〜3節の適用日が 2027年12月2日に設定され、附属書I(製品に組み込まれるタイプの高リスクAI)については 2028年8月2日まで延期。附属書IIIには「雇用、労働者管理および自営業へのアクセス」が含まれているので、採用AIや人事評価AIに重い義務がかかる開始日が、当初の2026年8月2日から約1年4ヶ月後ろにずれたことになります。国内のレギュラトリーサンドボックス(規制を一部緩めて試せる枠組み)の設置義務も、2027年8月2日へ延期されました。
そして、第50条の透明性義務は、適用日が動いていません。2026年8月2日から予定どおり適用されます。(厳密に言うと、第50条7項=AI生成コンテンツの検知やマーキングに関する欧州委員会の実施権限を定めた部分には今回の改正で手が入っています。ただし開示義務そのものの適用日は変わっていない、という意味です。)第50条が求めているのは「AIと対話していることを利用者に伝える」「ディープフェイクやAIが生成した文章であることを開示する」といった内容です。8月2日より前に市場に出ていたシステムには4ヶ月の猶予があり、これが12月2日の正体でした。前回僕が矛盾を抱えたまま保留にした日付は、延期ではなく経過措置だったわけです。
なぜ重要か。 高リスク義務の中身は、リスク管理体制の整備、データガバナンス、技術文書の作成、人間による監督の設計、適合性評価——10〜50人の会社が自力で満たせる分量ではありません。それが1年4ヶ月伸びたということは、「規制が固まるまで様子見する」という判断の賞味期限も1年4ヶ月伸びたということです。
ただし透明性義務のほうは3日後に始まります。つまり構造としては「重い方が遠のいて、軽い方が目の前に来た」。この非対称が今日確定しました。
→ 採用・中小企業への影響。 EU向けの事業がなければ、8月2日に日本の会社へ法的義務が生じるわけではありません。それでも今週やる価値のあることが1つあります。「自社の採用フローで、AIが応答している箇所・AIが文章を作っている箇所」の棚卸しです。前回の記事で紹介した「AIが作ったスカウトを全面拒否する候補者は10.1%しかいない」(HRzine掲載・フォワード調べ・337名・7月27日)という数字と合わせると、開示は隠すより信用側に効く可能性があるからです。そして高リスク義務が2027年末まで来ないことは、「今のうちに内製化の型を作れる猶予ができた」と読むのが実務的だと思います。
→ 個人の実務・副業への影響。 個人で作ったサービスでも、EU圏の人が触る可能性のあるチャットボットやAI生成の画像・動画を持っているなら、8月2日から開示が求められる側に入ります。noteやブログでAI生成画像を使っているだけなら現状の心配は薄いですが、「これはAIで作りました」と書き添える運用に今のうちから慣れておくほうが、後で一括対応する手間はなくなります。
僕は昨日まで、この件を「一次で確認できていないので答えられません」とお客さんに返す状態でした。今日は官報を自分で開いて日付を確認したので、次の提案からは書けます。逆に言うと、二次情報だけで4日粘って正解にたどり着けなかったということでもあります。規制の話は、解説記事を何本読んでも原文1本に勝てないという実感が残りました。
- EU官報 Regulation (EU) 2026/1744:https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/?uri=OJ:L_202601744
② AI投資を拡大した大企業は82%、効果を実感69%。それでも「業務が完結する」のは19%
何が起きたか。 LayerXが「バックオフィスのAI投資に関する実態調査」を今日(7月30日)公表しました。対象は従業員1,000名以上の企業でAI投資予算を把握している部長職以上100名(2026年6月19日・インターネット調査)です。
数字はこうなっています。今期AI投資額を拡大した 82.0%、投資対効果を実感 69.0%(十分20.0%+ある程度49.0%)、来期も予算を増やす見込み 81.0%。ここまでは順調です。
後半で裏返ります。「プロセス全体が自律的に回る状態」を理想とするのは47.0%なのに、実際に業務が完結している企業は19.0%。80.0%は「一部の自動化・補助」で止まっています。さらに手作業の削減率が30%未満の企業が54.0%(10〜30%未満39.0%+10%未満15.0%)。
そして一番効くのがここです。AIツール導入時に業務フローを見直した企業は 91.0%(抜本的39.0%+一部52.0%)。投資対効果が出ている企業に絞ると、抜本的に見直した割合は80.0%に跳ねます。
なぜ重要か。 この調査の結論は「ツールを追加するのではなく、プロセス全体を再設計しないと効果が出ない」で、数字がそれを裏付けています。効果が出ている企業の80%が業務フローを抜本的に見直している。つまり**「AIを入れたのに効かない」の原因の大半は、AIの性能ではなく、AIに渡す前の業務の切り方にある**ということです。
これが予算も人も潤沢な1,000名以上の大企業で起きているギャップだという点が重い。ツールを買う力がある側でこうなっているなら、10〜50人規模で「とりあえずAI」をやった結果は想像がつきます。
→ 採用・中小企業への影響。 この数字は使えますが、使い方に注意が必要です。対象が1,000名以上の大企業なので、「中小企業も同じ」と読み替えるのは正しくありません。「予算と人がある側でこうなっている」という枕をつけた上で、「だから最初にやるのはツール選定ではなく業務の切り分けです」の根拠として置く。これが正しい引用の仕方だと思います。面白いのは、後述する補助金が補助額を「1プロセス以上」「4プロセス以上」で区切っていることです。国の制度設計自体が「プロセス単位で数える」前提になっている。
→ 個人の実務・副業への影響。 個人でも同じ構造が起きます。「ChatGPTを契約したのに時短にならない」の正体は、たいていAIに投げる単位が大きすぎることです。「記事を書いて」ではなく「この構成のこの節だけ、この資料を根拠に書いて」に割ると効きます。手作業削減30%未満が54%という数字は、逆に言えば「切り方を直すだけで伸ばせる余地が、大半の人にまだ残っている」ということでもあります。
- 出典:LayerX「バックオフィスのAI投資に関する実態調査」2026年7月30日発表(PR TIMES)
③ デジタル化・AI導入補助金の枠別金額が確定。4次締切は8月25日17時
何が起きたか。 5日間アクセスできなかった中小企業庁のPDFを迂回して、事務局(中小機構)の枠別ページから数字が取れました。正式名称は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」です。
通常枠は補助率が原則 1/2以内。令和6年10月〜令和7年9月(2024年10月〜2025年9月)の間で3ヶ月以上、令和7年度(2025年度)改定の地域別最低賃金を下回る給与で雇用している従業員が全従業員の30%以上いることを示した場合は 2/3以内に上がります。過去の実績を見る条件なので、該当しそうな会社は先に賃金台帳を確認しておくほうが早いです。補助額は「1プロセス以上:5万以上150万未満」「4プロセス以上:150万以上450万以下」(単位は円)。対象経費はソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大2年分)が必須で、機能拡張・データ連携・セキュリティ、それに導入/活用コンサルティング・導入設定・マニュアル作成・導入研修・保守サポートがオプションです。
セキュリティ対策推進枠は5万〜150万、補助率は中小企業1/2以内・小規模事業者2/3以内。対象はIPAの「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載っているサービス(最大2年分)です。
複数者連携枠はソフトウェアの補助率が3/4以内(50万以下の部分。小規模事業者は4/5)/2/3以内(50万超の部分)。上限はソフトウェア1構成員あたり50万〜350万で、基盤導入経費と消費動向分析経費の合計上限が3000万。
インボイス対応類型はITツール上限350万、PC・タブレット等は1/2以内・上限10万、レジ・券売機等は上限20万。
締切は、通常枠/インボイス枠/セキュリティ枠の1〜4次、複数者連携枠の1〜2次がいずれも2026年8月25日(火)17時。交付決定は10月7日予定です。
なぜ重要か。 締切まで26日。ただ金額そのものより重要なのは、「導入コンサルティング・活用コンサルティング・導入研修」が対象経費に入っているという点です。ソフトウェアの購入が必須条件なので伴走だけでは通りませんが、ツール導入と伴走をセットで組めば、伴走側も補助の対象になり得る構成になっています。
→ 採用・中小企業への影響。 採用AI内製化を「月額の伴走」単体で見積もると、この補助金の枠には乗りません。乗せるなら「採用管理ツールやAIツールの導入+設定+研修+保守」というパッケージで、ソフトウェアを必須経費として先頭に置く形になります。ただし1つ、まだ確認できていないことがあります。対象になるツールは登録済みのものに限られるのが通例で、その一覧を今日は取れていません。なので「どのツールがいくらで補助対象か」は、まだお客さんに言えません。金額を言えるのは、登録ツール一覧を確認した後です。
→ 個人の実務・副業への影響。 個人事業主でも小規模事業者として対象になり得る枠があります(セキュリティ枠は2/3、複数者連携枠のソフトウェアは4/5)。ただしこの補助金はソフトウェア購入が必須で、ChatGPTやClaudeの個人契約がそのまま通るわけではありません。「補助金でAIツールを入れる」より先に、「登録されている対象ツールの中に使いたいものがあるか」を確認する順番になります。
- 事務局サイト(通常枠):https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/
- 締切スケジュール:https://it-shien.smrj.go.jp/schedule/
AIツール・アップデート情報
- GitHub Copilot:コードレビューの「Agent skills」とMCPが正式リリース(7月29日)。
.github/skills/というフォルダにSKILL.mdというファイルを置くと、Copilotがその内容を読んでレビューします。MCP(AIから外部のツールやデータにつなぐ共通の仕組み)経由で外部の課題管理ツールや文書も参照できますが、MCP経由の操作は読み取り専用に制限されています。対象はCopilot Pro/Pro+/Business/Enterprise。 → 採用業務への転用としては「毎回プロンプトに書いていた自社ルールをファイルに固定して使い回す」構造がそのまま使えます。/副業では、自分が毎回指摘していること(命名規則、テストの粒度)を書いておけば、そのルールでレビューが返ってきます。 - GitHub Copilot:Business/Enterpriseでモデルが自動でオンになる新ポリシー(7月29日)。8月26日以降、未設定のモデルは組織のポリシーに従う「継承」状態へ移行します。管理者は8月25日までの28日間でオプトアウト可能。オープンウェイトのモデルと、GitHubのデータ保持契約の対象外のモデルは自動有効化されません。 → これは期限ものです。 会社でCopilot Business/Enterpriseを使っているなら、8月25日までに管理者側の設定を見ておくのが安全です。
- GitHub Copilot:Grok 4.5が使えるように(7月28日)。コンテキストは最大50万トークン(一度に読ませられる文章量の上限)、テキストと画像の入力に対応、推論の強さを3段階で選べます。BusinessとEnterpriseはデフォルトでオフなので、管理者の有効化が必要です。
- GitHub Actions:不審な自動処理を承認待ちで止める機能(7月28日)。設定不要で自動適用ですが、現時点では公開リポジトリのみが対象です。 → 自動化を組むときの原則として「自動実行の手前に人間の承認を1枚置く」が正しい、という補強材料になります。
- Google:Gemini APIの「Managed Agents」を拡張(7月28日)。デフォルトモデルがGemini 3.6 Flashに変わり、無料枠が提供開始。
.agents/hooks.jsonでAIがツールを呼ぶ前後に自分のスクリプトを挟める「環境フック」が入りました(実行のブロック・チェック・監査に使える)。max_total_tokensで使用量の上限を機械的に固定できるほか、検証環境は7日で自動削除されます。 - Cursor:iPadアプリが出ました(7月29日)。全有料プラン向け。複数のAIエージェントを並行して見られるサイドバー、分割画面でのレビュー、Apple Pencilでのスクリーンショット注釈など。
- Liquid AI:LFM2.5-Encoders(7月28日)。CPU(普通のパソコンの頭脳。高価なGPUが不要)で長い文章を処理する軽量モデルを公開。230Mモデルは最大長で従来モデル比3.7倍高速(8,192トークンで約28秒 vs 90秒超)。分類や個人情報の検出といった、回数の多い処理向けです。
ツール選びのワンポイント。今日のアップデートで共通しているのは、「AIの賢さを上げる」より「AIの動きに枠をはめる」方向の機能が増えていることです。Copilotの読み取り専用MCP、Geminiの環境フック、GitHub Actionsの承認保留。全部そうです。AIを業務に入れるときの論点が、性能から統制に移りつつあると感じます。
AIが中小企業の採用・現場をどう変えるか(TSUMUGU視点)
今日から試せること1:「AIが喋っている面」の棚卸しを1枚作る
EU向けの事業がなければ8月2日に義務は生じません。それでも作る価値があります。列は3つだけで十分です。
- 箇所(例:エントリー直後の自動応答、スカウト文の下書き、求人票のたたき台)
- AI関与の度合い(全自動/AIが作って人が確認)
- 応募者から見えているか
これが効くのは法対応の準備としてより、「うちはどこまでAIに任せているか」を人事が自分の言葉で説明できるようになるからです。応募者から「これAIですか」と聞かれて即答できない状態が、一番信用を落とします。
正直に書くと、僕はこのシートをまだクライアント提案の冒頭に置いて試していません。次の提案で使ってみて、反応が変わったら報告します。
今日から試せること2:「使える人を作る」を先に設計する
千代田区がMicrosoft Copilotを全庁導入し、2026年3月時点で月間約2,000時間の業務時間削減を出しました(ITmedia キーマンズネット・7月29日)。注目すべきは削減時間ではなく展開の刻み方です。2024年8月に約150人規模の実証実験から始めて、2025年4月に300ライセンスへ拡充、2025年10月に900ライセンスで全庁規模へ。そこまでで1年2ヶ月かけています。
定着策としては「Copilot Lab」をデジタル推進係が2025年から2ヶ月に1回のペースで開催していて、当初は参加者10人程度だったものが、2026年の初回には約100人が自主的に参加するようになっています。支援の中身も「各アプリ内でアドバイスするだけ」から「指示すればファイルを直接編集する」へ進化させ、今後はAgent BuilderやCopilot Studioで各部署の特定業務向けの専用エージェントを展開する計画とのことです(ここはまだ計画段階です)。
一気に全員へ配っていないのが要点です。10〜50人規模で縮小コピーすると、「全員に配る」ではなく**「まず2〜3人の"聞かれる人"を作る」**になります。②のLayerX調査で「効果が出ている企業の80%が業務フローを抜本的に見直していた」のと同じ話で、ツールを配る作業と使える人を作る作業は別物です。後者を設計しないと数字は動きません。
- 千代田区の事例:https://kn.itmedia.co.jp/kn/articles/2607/29/news042.html
個人の副業・実務への影響
今日いちばん手を出しやすいのは、Copilotの Agent skills です(7月29日に正式リリース)。Copilot Proを既に契約している人なら追加費用なしで試せます。やることは .github/skills/SKILL.md に自分のレビュー観点を文章で書くだけ。プロンプトを毎回書き直す運用から、ルールをファイルに置いて使い回す運用への切り替えです。Claude Codeのスキルと同じ発想なので、片方を使っている人はもう片方もすぐ馴染むと思います。
もう1つ、Gemini APIのManaged Agentsに無料枠ができました(7月28日)。エージェント開発を「まず触ってみる」段階で課金が発生しなくなったので、.agents/hooks.json でAIの動作の前後にスクリプトを挟む挙動を試すのに向いています。ここは僕もまだ触っていないので、動かしたら結果を書きます。
今日のまとめ:重い規制が遠のいて、軽い規制が目の前に来た
今日は「4日間書けなかったことが2つ書けるようになった日」でした。EU AI Actの適用日と、補助金の金額です。どちらも二次情報では埋まらず、原文と個別ページに当たって初めて確定しました。
僕が一番気になったのは、EUの改正で残ったもののほうです。高リスクAIの重い枠組みは1年4ヶ月延期され、Colorado州のAI法も同じように重い枠組みを撤廃して2027年1月施行へ再延期しました。それでも両方に共通して残っているのは、①AIを使っていることの通知 ②人間によるレビュー ③記録の保持——この3点です。
つまり、規制の細部は各国で揺れ続けるけれど、収束しつつある最低ラインはこの3つだということ。採用AIの内製化をこの3点を前提に設計しておけば、どの法域の話が来ても大枠は崩れません。逆に、この3つを後付けにすると全部作り直しになります。規制が緩んだ日にやるべきことは、たぶん様子見ではなくてこれです。
来週の注目ポイント
① 8月2日(日):透明性義務の適用当日と、署名企業リストの公表 → 適用日は今日確定したので、残る焦点は「欧州委員会が出すリストに誰が載るか」です。特に日本企業。ここが埋まると、主要プレイヤーがどう身構えたかを具体名で話せるようになります。
② 8月25日までに「補助対象として登録されているツールの一覧」を取る → 金額と補助率は今日取れました。でもどのAIツール・採用管理ツールが登録済みかが分からないと、提案書にツール名と金額を並べられません。ここが今の最大の穴です。締切まで26日。
③ 「テスト中のAIがテスト環境から脱走した」件の技術詳細 → 被害が2社目(Modal Labs上の顧客アカウント)に広がったことが分かりました。Modal LabsのCTOによると、原因はその顧客が「認証なしで誰でもコードを実行できるエンドポイント」を公開したままにしていたことで、Modal自体のプラットフォームと分離のしくみは無傷だったとしています。つまりプラットフォームが安全でも、使う側の設定から入られるという話です。これはAIエージェントをお客さんの環境に置くときのチェックリストとして、そのまま1行目に書けます——「認証なしで叩ける入口が残っていないか」。脱出経路の技術的な詳細が公開されたら最優先で読みます。
AIは触ってみないと分かりません。今日の中で一番敷居が低いのはCopilotのAgent skillsだと思うので、Pro契約がある人は SKILL.md を1枚書いてみてください。
この記事はHIRO(@hiro_tsumugu)のAIニュースまとめシリーズです。 情報は2026年7月30日時点のものです。
TSUMUGU — 採用AI内製化コーチ 地方中小企業の採用を、AIを使って内製化する伴走サービスを提供しています。
