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値上がり1397対139の全面高で、日経だけ+0.5%|7月27日 日本株分析

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東証プライムで値上がりしたのが1,397銘柄、値下がりが139銘柄。ざっくり9割が上がった全面高でした。

なのに日経平均は+320.04円(+0.50%)で終わっています。TOPIXは+1.37%。同じ日の同じ市場で、指数によってこれだけ差がつきました。

しかも日中は高値65,220.69円から安値64,123.40円まで、1,097円も振れています。全面高なのに、指数だけは全然楽じゃなかった。この「ねじれ」が今日の全部だと思ったので、そこを分解します。

前回の仮説チェック

前回の記事が7/24(金)なので、週末を挟んだ次の営業日での答え合わせになります。

仮説①: 米SOX指数(アメリカの半導体株をまとめた指数)が続落すれば、週明けも日本の半導体売りが続く 結果: ✅ 確認された 学び: 7/24の米国市場はNasdaqが-0.64%でSOXも大幅安。その週明けにキオクシア-2.61%、アドバンテスト-1.95%と、日本の半導体は素直に連動しました。ただしSOXの具体的な下落率まではデータが取れていないので、「トリガーの数値」ではなく「方向」の確認にとどめます。

仮説②: ドル円が164円をしっかり超えれば、財務省・日銀の介入シナリオが発動する 結果: ❌ 否定された(トリガーが発動しなかった) 学び: ドル円は163.45〜163.71円で、164円には乗らずじまい。介入の話は前提から消えました。「◯◯円を超えたら」という仮説は、超えなかった時に何も起きないのが正解で、それを「外れた」と思わない練習が要ると感じています。

仮説③: TOPIXが日経より強い状態が続けば、物色の構造転換は「傾向」から「トレンド」に格上げ 結果: ✅ 確認された 学び: TOPIX+1.37%に対して日経+0.50%。NT倍率(日経÷TOPIX。指数の中身の偏りを見る比率)は前日の16.11から15.97へ低下しました。3日ルール(1日はたまたま、2日は気になる、3日は傾向)で拾った変化が、そのまま続いています。

主要指数

・日経平均 64,931.19円(+320.04 / +0.50%) ・TOPIX 4,066.07(+54.76 / +1.37%) ・東証グロース250 694.92(+8.80 / +1.28%) ・東証プライム 値上がり1,397/値下がり139/変わらず22 ・売買代金 9兆3,556億円 ・ドル円 163円台半ば(164円手前で足踏み)

値上がり銘柄が値下がり銘柄の10倍あります。ここまで偏る日は、普通なら日経平均も気持ちよく上がるはずです。それが+0.50%で止まったということは、上がらなかった1割の中に、指数を動かす重い銘柄が集まっていたということになります。

相場を動かした3つのポイント

① トランプ大統領の「イラン攻撃見送り」→ 原油が5ドル下がった

先週まで相場の重石だったのは中東でした。それが週明けに、トランプ大統領が「イランへの大規模攻撃を当面見送る」と表明。原油(WTI)は7/27朝9時10分の時点で84.26ドルまで下がりました。前週末の清算値と比べて**-5.05ドル**です。大阪取引所の原油先物も前週末比2,930円安。

原油が下がると得をするのは、燃料をたくさん使う business です。今日は空運業が**+4.79%**で業種別トップ、日本航空が大幅反発しました。日経平均も寄り付きで+553円、一時は+600円超まで上がっています。33業種のうち29業種が上がった全面高の土台は、この1本のニュースでした。

僕のルール:地政学(戦争や紛争などの国際情勢)ニュースで動いた相場は、ニュースが戻れば値段も戻ります。だから原油安で上がったセクターに飛び乗るのではなく、「原油が84ドル台に居座るのか、90ドルに戻るのか」を数日見てから考えます。1日で決めない。

② その全面高の中で、半導体だけが逆走した

一方、7/24(金)のアメリカ市場ではNasdaqが-0.64%、フィラデルフィア半導体指数(SOX。アメリカの半導体株をまとめた指数)が大幅安でした。これが東京にそのまま届いて、半導体・AI関連に売りが集中します。

キオクシアHD(285A)は**ザラ場で一時-10.01%(50,400円)**まで売られ、終値は54,550円で-2.61%。アドバンテスト(6857)も28,380円で-1.95%。日経平均は前場に一時、高値から1,097円下の64,123.40円まで沈む場面がありました。

日経平均という指数は、株価の高い銘柄の影響を受けやすい作り方をしています。半導体にはその「株価の高い銘柄」が多い。だから9割の銘柄が上がっても、日経だけが+0.50%で止まった。TOPIXとの1ポイント近い差は、ここから生まれています。

僕のルール:日経とTOPIXが同じ日に違う方向を向いたら、まず日経の中身を疑う。指数が下がってるのか、数銘柄が下がってるのかは全然違う話なので、値上がり/値下がり銘柄数を必ずセットで見ます。今日の1,397対139がまさにそれでした。

③ 半導体は「まとめて売られた」わけじゃなかった

ここが今日いちばん面白かったところです。同じ半導体でも、SUMCO(3436)は**+3.84%**(3,762円)で上がっています。信越化学の決算でシリコンウエハー(半導体の材料になる円盤)が好調だと分かったのがきっかけ。ディスコ(6146)も上がりました。

売られたのはメモリやテスタ系(キオクシア、アドバンテスト)で、材料が出た素材・製造装置系は買われている。「半導体が売られた日」とひとまとめにすると、この差が見えなくなります。

半導体以外では、ゲーム株が買われました。カバー(5253)が新作「ホロライブドリームス」でApp Store・Google Play両方のセールス1位を取り、ストップ高。サイバーエージェント、サンリオ、コーエーテクモ(1Q経常+79%)にも買いが入っています。キヤノン(7751)は+4.95%(4,750円)で、引け後に通期の税引前利益を4,830億円→4,920億円へ上方修正しました。

僕のルール:「◯◯セクターが売られた」と聞いたら、そのセクターの中で上がった銘柄を1つ探すようにしています。1つでも見つかれば、それは業界全体の話ではなく個別の話。今日のSUMCOがそれでした。

セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」

今日は原油が下がったかどうかで、セクターがきれいに真っ二つに割れました。

上がった上位5業種:空運業+4.79% / その他製品+4.49% / ゴム製品+3.58% / サービス業+3.38% / 鉄鋼+3.02%

下がった4業種(下落はこれだけ):非鉄金属-2.81% / 鉱業-2.54% / 化学-0.34% / 石油・石炭-0.08%

下げた4つが全部、資源・エネルギー系です。原油が下がると資源を掘って売る会社の利益は減るので、これは筋が通っています。逆に燃料を「買う側」の空運がトップ。原油-5ドルという1本の線で、市場が受益者と被害者にきれいに分かれた形でした。

売買代金上位・注目銘柄

売買代金は9兆3,556億円。上位には半導体・AI関連(キオクシアHD、ソフトバンクグループ、アドバンテスト、フジクラ、村田製作所、イビデン、信越化学)と、上昇側でディスコ、SUMCO、任天堂、ファーストリテイリングが並びました。

※ 各銘柄の売買代金の金額と正確な順位は、ランキングページが当日分に上書きされる作りで後から取得できませんでした。銘柄名のみの報告になります。

上位の顔ぶれが下落側と上昇側で混ざっているのが今日の特徴で、「全員で同じ方向に動いた日」ではなかったことがここからも分かります。

個別株で目立った動き

  • カバー(5253):ストップ高。新作「ホロライブドリームス」がApp Store・Google Play両ストアのセールス1位
  • SUMCO(3436):+3.84%。信越化学の決算でウエハー好調が意識された
  • キヤノン(7751):+4.95%。引け後に通期税引前利益を4,830億円→4,920億円へ上方修正
  • 日本航空(9201):大幅反発。原油安で燃料コスト懸念が後退
  • キオクシアHD(285A):-2.61%。ザラ場では一時-10.01%(50,400円)まで売られた
  • 綜研化学:ストップ安。大量取得行為への対応方針の導入発表が材料

ストップ高・ストップ安の全銘柄リストは確認できませんでした(大引け時点の集計に届かず、銘柄名まで取れたのは上記の2社のみです)。

面白いのは、同じ日にストップ高8銘柄とザラ場-10%の銘柄が共存していること。指数の+0.50%という数字からは、この振れ幅は絶対に見えません。

為替と外部環境

・ドル円 163.45〜163.71円(164円に届かず足踏み) ・ユーロ円 186.31〜186.64円 ・米国7/24 S&P500 7,411.98(+0.05%)/ Nasdaq 24,975.82(-0.64%)/ NYダウ 51,947.25(+0.46%) ・香港ハンセン 25,207.18(+0.98%) ・日本10年国債 2.780%(-0.035%) ・WTI原油 84.26ドル(7/27朝9:10時点、前週末清算値比-5.05ドル)

アメリカ市場が「ダウは上がってナスダックは下がる」という分かれ方をしていたのが、そのまま東京に持ち込まれた形です。ダウ的な(ハイテク以外の)銘柄は上がって、ナスダック的な(半導体・AI)銘柄は下がる。国は違っても、同じ物色の理屈が動いていました。

※ WTIは終値ではなく取引時間中の一時点の値です。金(Gold)の7/27の水準はデータが取得できなかったので、今回は載せません。上海総合指数も終値が取れませんでした(始値は-0.13%)。

テクニカルで見る今の位置

| 銘柄 | 終値 | 前日比 | RSI | |---|---|---|---| | 日経225 ETF(1321) | 67,280 | +0.60% | 68.13 | | TOPIX ETF(1306) | 424.3 | +1.63% | 61.22 | | アドバンテスト(6857) | 28,380 | -1.95% | 67.13 | | キオクシアHD(285A) | 54,550 | -2.61% | 72.26 | | SUMCO(3436) | 3,762 | +3.84% | 75.95 |

RSIは「買われすぎ/売られすぎ」を0〜100で表す物差しで、70を超えると買われすぎ、30を割ると売られすぎと言われます。

一番気になったのはキオクシアです。-2.61%も下げたのに、RSIはまだ72.26で買われすぎ圏にいます。つまり今日の下げは、直前の上がりすぎを少し戻しただけ。「大きく下げた=安くなった」ではないということが、数字ではっきり出ています。SUMCOも+3.84%でRSI 75.95と、こちらは上がりすぎの領域に入りました。

指数側は、日経225 ETFのRSI 68.13に対してTOPIX ETFは61.22。TOPIXの方がまだ余裕がある位置にいます。

※ ボリンジャーバンドと移動平均乖離は、取得したデータの単位の定義が確認できなかったため、今回は解釈をつけずに省略しました。分からない数字を分かったフリで載せない方針です。 ※ テクニカル分析はTradingViewのデータに基づきます。投資判断は自己責任で。

全体像:外から来た2つの風が、別々の場所に効いた日

今日は、外から来た2つのニュースが市場の別々の場所に効いた一日でした。

1つ目は「トランプ大統領のイラン攻撃見送り」。これが原油を5ドル下げて、燃料コストが軽くなる空運・ゴム・サービスといった29業種を持ち上げました。2つ目は「7/24の米半導体安」。これが東京の半導体を直撃して、株価の高い銘柄が多い日経平均だけを押さえつけました。

結果として、9割の銘柄が上がったのに指数は+0.50%という、ちぐはぐな数字が残ります。NT倍率は16.11から15.97へ低下。7/23に「日経+307円の中身はほぼアドバンテスト1社」、7/24に「日経-1811円の28.9%はキオクシア1社」と書いてきましたが、今日は上下が逆になっただけで同じ構造でした。3営業日連続で、指数と中身が食い違っています。

こういう相場で僕が意識しているのは、「日経平均が今日どうだったか」を相場の要約として使わないことです。今日みたいな日に「日経+320円だった」とだけ記録すると、半年後の自分は「まあまあ良い日だったんだな」としか思い出せません。でも実際は、9割が上がって1割が指数を潰していた日でした。この差を残しておかないと、記録する意味がないと思っています。

今日の迷い・判断メモ

迷ったポイント:記事の主題を「原油-5ドルで全面高」にするか、「9割上がったのに日経+0.5%」にするかで迷いました。ニュースとして大きいのは明らかに前者(中東情勢の転換)です。

結局どう考えたか:後者を選びました。原油とイランの話は、明日には他のどの解説記事にも載っています。僕がそれを繰り返しても、読む人にとっての価値がない。それより「値上がり1,397対値下がり139という全面高で、なぜ日経だけ+0.5%なのか」という数字の中の矛盾の方が、自分で数えないと出てこない情報です。3日連続で同じ「指数と中身のズレ」を追ってきた流れとも繋がります。

後から振り返って:主題の選択は維持します。ただ1つ反省があって、リード文で「1,097円振れた」という日中の値幅を出したのに、その振れの原因(前場の半導体売り)を書いたのが②のポイントまで降りてからでした。リードで数字の「異常さ」を出したなら、その理由を1〜2行で先に添えるべきだった。7/24の記事でも同じ反省をしていて、まだ直せていません。次はリード直後に因果の主語を置きます。

もう1つ:仮説②(ドル円164円の介入シナリオ)が「トリガー未発動」で終わったとき、一瞬「外れた」と書きそうになりました。でも164円に行かなかったのは相場の事実であって、仮説が間違っていたわけではない。条件付きの仮説は、条件が満たされなければ判定不能というだけです。ここを「外れ」と記録すると、後から自分の判断の質を測れなくなるので、⏳ではなく❌(トリガー未発動)と明記して残しました。

自分なら何を確認してから動くか

  • 今週はFOMC(結果は7/30 3:00 JST)と日銀の金融政策決定会合(7/31)が重なります。この2つが出るまでは新しい判断材料が揃わないので、それまでは値動きを見るだけにします
  • 半導体を見るなら、まず7/27夜の米SOX指数を確認してから。日本の半導体は米SOXに1日遅れて動く癖があるので、東京の寄り付きだけ見ても判断できません
  • キオクシアのRSIが72.26と、下げてなお買われすぎ圏にいることは頭に入れておきます。「下がったから安い」ではない位置です
  • 原油が84ドル台に居座るのか90ドル台に戻るのかは、数日かけて確認します。空運やゴムが上がった理由がここにしかない以上、原油が戻れば理由ごと消えます

明日の観測ポイント

仮説:半導体の売りは「1日限りのショック」ではなく、調整の2日目に入る トリガー:7/27夜の米SOX指数が続落 → 7/28の東京でも半導体売りが続く 無効条件:米SOXが+1%以上戻す、またはキオクシアが寄り付きから前日比プラスを維持する → 僕のルール:RSIが70超の銘柄が下げ始めた時は、1日で底が入ることは少ないと考えています。反発を確認してから動く方が、拾いに行くより取りこぼしが少ない。

仮説:NT倍率15.9台への低下=TOPIX優勢が「トレンド」として定着しつつある トリガー:7/28もTOPIXが日経を上回り、NT倍率が15.9台以下で引ける 無効条件:日経が半導体主導で急反発し、NT倍率が16.1以上へ戻る → 僕のルール:3日ルールで「傾向」を確認したら、4日目・5日目は「トレンド化」の判定に入ります。ここで崩れなければ、指数を見るときの基準をTOPIX側に置き換えます。

仮説:FOMCと日銀会合を控えて、売買代金が細る トリガー:売買代金が9兆円を明確に下回る 無効条件:9兆円台後半〜10兆円超を維持 → イベント前でも資金が動いている → 僕のルール:イベント前に商いが細った相場での値動きは、材料より需給で振れやすいので、その日の上下を意味づけしすぎないようにします。

明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで。

今日の3語メモ

「1397対139」「原油-5ドル」「NT倍率15.97」 — この3つを覚えておけば、7/27の日本株は思い出せます。


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この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年7月27日時点のものです。

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