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『うちはAI顧問入れるほどじゃない』と言う中小企業に、最初に渡したい10問の自己診断

「うち、AI顧問入れるほどの規模じゃないんですよ」

地方の経営者と話していると、ほぼ毎回この言葉が出る。

社員数が10〜50名の会社。社長と人事担当者が兼任、もしくは社長ひとりで人事もやっている。AIには関心があるが、ニュースで見る派手な事例とは規模感が違いすぎて、自分ごと化できない。だから「うちはまだそんな段階じゃない」と判断して、相談すら遅れる。

これが、いま地方中小企業でいちばんよく見る詰まり方だ。

率直に言うと、この判断は半分正しくて、半分もったいない。

エンタープライズ向けの大型AIエージェント基盤を入れる話なら、確かに10〜50名の会社にはオーバースペックだ。けれど、「AIの判断パートナーを月に数時間借りる」レベルの話なら、社員数とは関係なく効く会社のほうがむしろ多い。

問題は、要る/要らないの判断が経営者の手元で言語化されていないことだ。

そこで、AI顧問が要るか・要らないか・要るとしたら何から手を付けるべきかを、10問の自己診断で見える化する。経営者ひとりで5分で答えられるように作った。

なぜ「自己診断」が最初の一手なのか

AI顧問サービスの問い合わせフォームから、いきなり「無料相談を予約しました」と進む経営者は、実はそれほど多くない。

多くの経営者は、こう考える。

  • 「AI、興味はある。けど、うちで何ができるか分からない」
  • 「相談していいレベルなのかが分からない」
  • 「相談する前に、自分でもう少し整理してから連絡したい」

この心理的なハードルを、自己診断シートが下げる。

10問に答えるだけで、自分の会社が「いますぐ顧問が要る状態」なのか「半年後に検討するべき状態」なのか「自社で進められる範囲だから不要」なのかが見える。

その上で、「要る」と出た会社だけが無料相談に進む。これは経営者にとっては時間の節約だし、顧問サービス側にとってもミスマッチが減る、お互いに健全な構造だ。

自己診断の使い方

10問あるが、それぞれに「はい/いいえ/どちらとも言えない」の3択で答える。

すべての項目に答えたあと、後半の判定セクションで自分の点数を出す。点数によって、「いますぐ相談」「半年後」「不要」のどれに当てはまるかを判定する。

紙に書き出してもいいし、頭の中だけで答えてもいい。所要時間は5分前後。

10問の自己診断

領域1:AI活用の現状

Q1:いまの会社で、AIツール(Claude/ChatGPT/Gemini/Copilot等)を業務で使っている社員は何人いるか?

  • 5人以上:はい
  • 1〜4人:どちらとも言えない
  • 0人:いいえ

Q2:AIツールを使うにあたって、「何に使うか」「どこまで使っていいか」の社内ルールはあるか?

  • 文書化されたガイドラインがある:はい
  • 暗黙の了解として運用している:どちらとも言えない
  • 特に決めていない/触る人任せ:いいえ

Q3:直近6ヶ月以内に、AIに関する相談相手がいて、判断や設計の壁打ちをしたことはあるか?

  • 外部の相談先(顧問・コンサル等)と複数回相談した:はい
  • 知人や社員と単発で話した程度:どちらとも言えない
  • ほぼ相談する相手がいない:いいえ

領域2:業務の詰まり方

Q4:採用業務(応募書類処理・面接・入社後フォロー)で、ひとりの人事担当者の業務量が限界を超えていると感じることはあるか?

  • 月に何度も感じる:はい
  • たまに感じる:どちらとも言えない
  • ほぼ感じない:いいえ

Q5:管理職と部下の1on1や、人材育成の場面で、「やったほうがいいのは分かるが、設計と運用が回っていない」と感じる領域はあるか?

  • 複数領域で感じる:はい
  • 一部の領域で感じる:どちらとも言えない
  • ほぼ感じない:いいえ

Q6:営業活動のうち、トップ営業の暗黙知(提案の組み立て・反論処理・商談議事録の活かし方)が、社内で言語化されないまま属人化していると感じるか?

  • 顕著に感じる:はい
  • 少し感じる:どちらとも言えない
  • 自社の営業はほぼ平準化されている/営業職がない:いいえ

領域3:意思決定と専門人材

Q7:AIに関する判断(どのツールを使うか・どこに導入するか・規制リスクをどう見るか)を、いまの社内で意思決定できる人はいるか?

  • 担当者がいる:はい
  • 社長が個人で判断している:どちらとも言えない
  • 判断できる人がいない/後回しになっている:いいえ

Q8:AI推進やDX担当として、専任の社員を採用する/配置する見通しはあるか?

  • 半年以内に採用予定:はい
  • 検討はしているが時期未定:どちらとも言えない
  • 当面は配置しない/配置できない:いいえ

領域4:直近の課題感

Q9:直近3ヶ月で、「AIに関連する判断を後回しにしたが、後回しにしたことで何かが詰まっている」と感じる場面はあったか?

  • 複数回ある:はい
  • 1〜2回ある:どちらとも言えない
  • ほぼない:いいえ

Q10:もし月数時間、AIに詳しい外部の専門家に「うちの場合どうですか」と聞ける環境があったら、いま聞きたい質問が3つ以上思い浮かぶか?

  • すぐに3つ以上思い浮かぶ:はい
  • 1〜2個は思い浮かぶ:どちらとも言えない
  • 特に思い浮かばない:いいえ

判定の出し方

「はい」を3点、「どちらとも言えない」を1点、「いいえ」を0点で計算する。

合計点を出したら、以下に当てはめる。

判定A:合計18〜30点──「いますぐ相談」レイヤー

すでにAIを業務に使っている社員が複数いて、運用ルールも一部はあり、業務の詰まり方を経営者として認識できているレベル。

このレイヤーは、AI顧問サービスを入れる費用対効果が最も出やすい。判断の壁打ち相手がいないまま走り続けることのほうが、機会損失が大きい。

具体的に効くのは、こういう場面だ。

  • AIツールを契約したが、社内で誰も使いこなせないまま放置されている
  • AIで自動化したい業務が複数あるが、優先順位を決められない
  • 採用・マネジメント・営業の3領域で同時に詰まりが出ていて、どこから手を付けるか迷っている

判定Aに当てはまった経営者は、月数時間の顧問契約を持ったほうが、結果として早く・安く進む。

判定B:合計8〜17点──「半年後に再検討」レイヤー

AIへの関心はあるが、社内活用がまだ始まったばかり。ルールも判断者もこれから整える段階。

このレイヤーは、いきなり顧問契約を結ぶよりも、まず自社で1〜2人がAIを触り始める時間を作るほうが先だ。3〜6ヶ月触ってみて、「自社で何ができそうか/何が詰まるか」が見えてから、顧問サービスに進むほうが、得られるものが大きい。

具体的にやるべきは、こういう順番だ。

  • 経営者自身か人事担当者が、汎用AIの個人〜チーム向け有料プランを1つ契約する
  • 3週間、毎日30分だけ業務にAIを当ててみる(応募書類要約・議事録要約・メール下書きなど)
  • 触りながら詰まった点を、メモに残しておく

このメモが、半年後に顧問サービスへ問い合わせるときの最も役に立つ相談材料になる。判定Bは「不要」ではなく「準備期間」のレイヤーだ。

判定C:合計0〜7点──「いまは不要」レイヤー

AI活用がまだ始まっていない、社員数や業務構造的にAI顧問が刺さりにくいレイヤー。

このレイヤーで顧問契約を結んでも、効果が出る前に契約が形だけになりやすい。判定Cの場合は、無料の情報源(メルマガ・公開記事・無料配布のチェックリスト等)を活用しながら、AI活用の必要性が会社の中で出てくるタイミングを待つ。

不要なのではない。順番が違うだけだ。

自己診断で見落としがちな2つの落とし穴

10問はあくまで目安だが、診断時に気をつけたい点を2つ書いておく。

落とし穴1:「うちは小さいから」を理由に過小評価する

社員数10〜30名の会社で「規模が小さいから不要」と判断するケースが多い。

実際は、規模が小さい会社のほうが、判断の壁打ち相手がいない確率が高い。社長ひとりで採用・マネジメント・営業の全領域を見ているケースでは、AI顧問の価値は規模が大きい会社よりむしろ高い。

「うちはまだ小さいから」は、判断を後ろにずらす根拠にしないほうがいい。

落とし穴2:「いまは忙しいから」で診断自体を後回しにする

10問に答えるのは5分だ。

「忙しいから後で」と先延ばしにする経営者は多いが、実はそういう会社こそ判定Aに該当する可能性が高い。AI顧問の本来の価値は、忙しい経営者の判断時間を減らすことにある。

5分の自己診断を後回しにしているうちは、判断の壁打ち相手がいない状態が続いていく。

自己診断で「相談」と出たあとに渡せるもの

判定A(いますぐ相談)に当てはまった経営者が、無料相談に進む前に、自社でもう一段準備できるものがある。

3つだけ書く。

① 自社の業務を6つの役割で書き出す リサーチ/スクリーニング/面接設計/面接記録/フォロー/レポート(採用領域なら)。マネジメントなら別の6つ、営業ならまた別の6つ。役割を分解した上で、それぞれに使っている時間を書く。

② 直近3ヶ月で詰まった判断を3つメモする AI関連で「どう判断していいか分からなくて止めた」「決めたが自信がない」案件を3つ書き出す。これが顧問との初回ミーティングで、最初に持ち込む材料になる。

③ 半年後にどうなっていたいかを1文で書く 「半年後、自社の◯◯業務をAIで◯◯できている状態」を1文だけ書く。具体的でなくていい。漠然とした像でもいい。これがあるかないかで、顧問契約の効果が決定的に変わる。

このメモを持って無料相談に進むと、初回1時間で話せる内容が一段深くなる。

まとめ──診断は「相談前に整理する道具」

AI顧問サービスは、相談のハードルが高い商品だ。

「規模が違う」「うちはまだ早い」「何を相談したらいいか分からない」。この3つの心理的な躊躇が、検討すら遅らせる構造になっている。

10問の自己診断は、そのハードルを下げるための道具だ。点数を出すこと自体が目的ではない。自分の会社が、いまどのレイヤーにいるかを言葉にすることが目的だ。

判定Aなら相談、判定Bなら準備、判定Cなら様子見。これだけが分かれば、経営者の判断負荷は減る。そして判断負荷が減ること自体が、AI顧問サービスが提供する価値の本体だ。

地方中小企業のAI活用は、ツールの選定では決まらない。自社の現在地を、経営者が言葉にできるかどうかで決まる。

10問はそのための足場だ。最初の5分から、始めてみてほしい。

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