S&P500が+0.05%で終わった日にアップル+3.5%とサンディスク-10.8%が同居した|7月24日 米国株分析
今日のアメリカ株は、指数だけ見れば「何も起きなかった日」でした。S&P500は7,411.98で+3.68ポイント(+0.05%)。ほぼ動いていません。
でも中身を開けると、真っ二つに割れていました。テクノロジーセクターが**-2.45%、不動産セクターが+2.32%**。11セクターのうち、はっきり下げたのはテクノロジー1つだけで、残り10セクターはほぼ横ばいからプラスでした。指数が動かなかったんじゃなくて、上と下が相殺されて動かなく見えただけです。
しかも面白いのは、その下げたテクノロジーの中も一枚岩じゃなかったこと。SanDisk(サンディスク、メモリ大手)が**-10.79%で叩き売られた同じ日に、Appleは+3.53%**で買われている。同じセクターの中で14ポイント以上の差がついた。「今日はハイテク株が売られた」という一言では、この日の相場を説明できません。
前回の仮説チェック
昨日(7/23)の記事で立てた3つの仮説を、今日のデータで答え合わせします。結論から言うと、**3つとも「確認されなかった」**です。
① 仮説: 7/24の寄り付きでTSLAが陽線引けすれば、RSI 28の売られ過ぎ反発が本物で「決算悪材料一巡」 トリガー: TSLAの終値が$319.69を上回る(陽線) 無効条件: TSLAが$314.11を割って引ける 結果: ❌ 否定された(無効条件が成立) 学び: TSLAの終値は**$313.03**(-2.08%)。$319.69を上回るどころか、無効条件の$314.11も割って引けました。RSIは27.99で2日連続の売られ過ぎ圏。ただMACDのヒストグラムは-8.37と前日よりさらに広がっていて、下げの勢い自体は衰えていない。「RSIが30を割った=反発の準備が整った」と読んだのは早すぎました。RSI 30割れは、反発の準備ではなく「まだ強く売られている最中」の確認でしかない場合がある、というのが今日の答えです。
② 仮説: WTI原油が$95を上抜けて固定すると、10年債利回りは4.75%を突破し、7月FOMC利上げ確率は40%を超える トリガー: WTIが$95以上で2営業日連続の終値 無効条件: WTIが$88を割って引ける 結果: ❌ 否定された(ただし結論だけは半分当たった) 学び: WTIは$95を上抜けるどころか反落しました。パキスタン(中国が支援)が仲介する米イラン交渉再開の報道が出て、$87.88〜$90.47のレンジまで戻っています(数値はソースによって幅があるので、$88割れかどうかは断定できません)。前日$92.19まで飛んだ地政学プレミアムが1日で剥がれた形です。ところが、利上げ確率のほうは38.8%まで上がった。原油が下がったのに利上げ観測は下がらなかった。これは後で詳しく書きますが、燃料が入れ替わっていたからでした。仮説の道筋(原油→金利→利上げ)は否定されたけど、結果(利上げ確率上昇)だけは別ルートで起きた。ここを混同すると「当たった」と勘違いします。
③ 仮説: 7/24〜7/28で金が$4,000を割ると、7月FOMC「据え置き+タカ派声明」を市場が織り込みに行く動きが加速 トリガー: 金が$4,000割れの終値 無効条件: 金が$4,100を回復して引ける 結果: ⏳ 未確定(トリガーも無効条件も成立せず) 学び: 金は**$4,044〜$4,057**あたりで、前日比+0.1%程度のほぼ横ばい。$4,000も割らず、$4,100も回復していません。前日あれだけ暴れた(-2.45%)のに、翌日はぴたっと止まった。大きなイベント(7/29 FOMC)の前は、心理節目を挟んだレンジで動きが止まりやすい。トリガーも無効条件も踏まない「どっちでもない」結果は、それ自体が「材料待ち」というシグナルです。
主要指数
・S&P500 7,411.98(+3.68 / +0.05%) ・Nasdaq 24,975.82(-161.87 / -0.64%) ・NYダウ 51,947.25(+235.60 / +0.46%) ・ラッセル2000 2,930.00(-10.16 / -0.35%) ・VIX(恐怖指数) 18.58(-0.12 / -0.64%)
VIX(市場の不安の大きさを数値化したもの。数字が大きいほど怖がっている)は18.58と、前日の18.70からわずかに低下。前日は地政学ショックで+12.4%も跳ねましたが、今日は追加の恐怖拡大はありませんでした。20を超えると「警戒モード」と言われる水準なので、まだ手前です。
CNNのFear & Greed Index(強欲・恐怖指数)は、今日の確定値が取得できませんでした。CNN公式サイトが法的理由でアクセスをブロックしていて、検索で出てくる数値も41・39.7・37.1と食い違っています。ゾーンだけはどのソースも「Fear(恐怖)」で一致しているので、そこだけ参考にしておきます。
週間で見ると、S&P500 -0.6%、ダウ -0.4%、ナスダック -2.1%、ラッセル2000 -1.1%。1週間を通してもナスダックだけが突出して弱かったことがわかります。
相場を動かした3つのポイント
① メモリ半導体が総崩れ——震源はアメリカじゃなくて韓国だった
今日いちばん大きく動いたのは、メモリ(データを記憶する半導体)関連です。SanDiskが**-10.79%、Micron(マイクロン)が-6.99%。フィラデルフィア半導体指数(SOX、半導体銘柄の詰め合わせ指数)は-4.3%**と報じられました。
面白いのは、この売りの震源がアメリカじゃないことです。韓国のKOSPI(韓国の日経平均みたいなもの)でサムスン電子とSKハイニックスが急落し、それがアメリカのメモリ株に波及した。理由はNAND型フラッシュメモリ(スマホやSSDに入っている記憶装置)の平均販売価格が急落して、利益率が圧迫されるんじゃないかという懸念です。
つまりアメリカの投資家が何かを嫌ったんじゃなくて、アジア時間に起きたことを、アメリカ時間が引き継いだ形。だからセクター全体には広がらず、メモリという狭い範囲だけを直撃しました。
→ 僕のルール:アメリカ株の1セクターだけが大きく下げている日は、まず「震源がアメリカ国内か国外か」を確認する。国外発(今日なら韓国)なら、次に見るのは翌営業日のアジア時間。アメリカ側で理由を探しても出てこない。
② Intelは決算Beatなのに-7.89%——8日前のTSMCと全く同じ理由で売られた
今日のIntelの決算は、数字だけ見れば良かったんです。EPS(1株あたり利益)は$0.42で予想比+93.9%、売上は$16.1B(161億ドル)で予想の$14.45Bを大きく上回りました。次の四半期の見通しも悪くない。
それなのに株価は**-7.89%**($92.32)。
理由は、2026年の設備投資の見通しを**+$3B(30億ドル)上方修正して$20B超に引き上げた**ことです。「工場や設備にもっとお金を使います」と言った瞬間に売られた。
これ、7月16日のTSMC(台湾積体電路製造)と全く同じ型です。あの日もTSMCは決算をBeatしたのに、設備投資を+15%上方修正($60-64B)すると発表して半導体株全体が売られました。7営業日で2回目です。
半導体の決算では、EPSと売上のBeat/Missより、設備投資が増えるか減るかのほうが株価を決める局面に入っている。投資家は「AI向けの投資競争で、稼いだお金が全部設備に消えるんじゃないか」を警戒している、と読めます。
→ 僕のルール:半導体銘柄の決算は、EPS・売上の見出しだけで判断しない。設備投資(CapEx)のガイダンスが上がったか下がったかを必ず確認してから、株価の反応を予想する。同じ型が2回続いたら、それはもう偶然じゃなくてルールとして扱う。
③ 原油は下がったのに、利上げ確率は38.8%まで上がった
前日$92.19まで飛んだWTI原油は、今日反落しました。パキスタン(中国が後ろで支援)が仲介する米イラン交渉再開の報道が出て、地政学プレミアム(戦争リスクで上乗せされていた分)が剥がれたためです。$87.88〜$90.47まで戻りました。
普通に考えれば、原油が下がる=インフレ懸念が和らぐ=利上げの必要性が下がる、はずです。
ところが、CME FedWatch(市場が次の金利をどう予想しているかを確率で示すツール)が示す7月29日FOMCの利上げ確率は38.8%(据え置き61.3%)まで上がりました。1週間前は10.7%だったので、約3.6倍です。
なぜか。今日発表された7月のフラッシュPMI(景気の体温計みたいな速報指標。50超えなら拡大)が、総合53.6(予想52.2・前回51.9)で8ヶ月ぶりの高水準、サービス業も53.6(予想51.5)と大幅に上振れたからです。
つまり、利上げ観測の燃料が入れ替わっていた。「地政学→原油高→インフレ再燃」から、「景気が強すぎる」へ。原油が下がっても利上げ観測が下がらなかったのは、そもそも見ているものが変わっていたからでした。
→ 僕のルール:ある指標(原油)が下がったのに、それに連動するはずの指標(利上げ確率)が下がらない時は、「連動が壊れた」と考える前に「燃料が入れ替わった」を疑う。同じ結果でも、原因が違えば次の展開はまったく別物になる。
セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」
上位3:不動産 +2.32% / 生活必需品 +1.02% / 金融 +0.76% 最下位:テクノロジー -2.45% その他:ヘルスケア +0.57% / 資本財 +0.35% / 一般消費財 +0.35% / 素材 +0.35% / 公益 +0.18% / 通信サービス +0.17% / エネルギー -0.01%
見ての通り、11セクターでマイナス圏にいたのはテクノロジーとエネルギー(-0.01%=実質ゼロ)だけ。下げたと言えるのはテクノロジー1つです。 2番目に弱いエネルギーですらほぼ横ばいなので、テクノロジーだけが完全に孤立しています。
※セクター騰落率は算出方法(GICSのセクター指数か、セクターETFか)で0.1〜0.2ポイント程度ぶれます。テクノロジーはソースによって-2.37%〜-2.45%の幅がありました。
これは「全面安」ではなく「1セクター集中砲火」の形。成長株(テクノロジー)から、割安株・ディフェンシブ株(不動産・生活必需品・金融)へお金が移動した、教科書どおりのローテーションです。ダウ+0.46%とナスダック-0.64%の差も、これで説明がつきます。
ただ1つ引っかかるのが、不動産が+2.32%で最強だったこと。不動産は借金をして物件を持つビジネスなので、普通は金利が上がると売られます。今日は30年債が5.17%と高い水準にありました。
考えられる説明は、原油反落でインフレ懸念が一時的に和らぎ、10年債利回りだけは横ばい〜わずかに低下したというものです。ただ正直に書くと、10年債の今日の方向はソースによって「-1bp(小幅低下)」と「急騰」で食い違っていて、僕の手元では確定できませんでした。なので、これは断定ではなく仮説として置いておきます。
Mag7(超大型テック7社)の動き
・AAPL $333.02(+3.53%)——今日いちばん強かったMag7 ・GOOGL $319.74(+0.65%)——前日-7.13%からいったん下げ止まり ・MSFT $381.70(+0.03%)——ほぼ動かず ・AMZN $232.11(-0.66%) ・NVDA $206.84(-0.92%)——半導体総崩れの中では健闘 ・META $595.19(-1.80%) ・TSLA $313.03(-2.08%)——前日-14.52%に続き続落
テクノロジーセクターが-2.45%だった日に、Appleは+3.53%。この差が今日の相場を象徴しています。
そしてNVDAが**-0.92%で済んだ**のも見逃せません。SanDisk -10.79%、Micron -6.99%、Intel -7.89%という総崩れの中で、NVDAはほとんど下げていない。今日の売りが「半導体全体」ではなく「メモリと設備投資の重い会社」に絞られていた証拠です。
個別株で目立った動き
急騰 ・Tenet Healthcare(THC) +17.17%——EPS $6.12(予想$4.23)と大幅上振れ、通期ガイダンスも$16.38-18.68 → $20.30-21.69へ大幅引き上げ ・Safety Insurance(SAFT) +41.49%——スペインのMapfreが$1.54Bで全額現金買収。1株$105で前日終値比44%のプレミアム ・World Kinect(WKC) +5.16%——調整後EPSが予想比+72%、通期ガイダンス引き上げ
急落 ・Nebius Group(NBIS) -15.02%——2026年の設備投資を$20-25Bへ引き上げる懸念に加え、経営陣が90日で$140M超を売却していたことが嫌気された ・Bloom Energy(BE) -14.91%——燃料電池セクター全体の売り(FuelCell Energy -9%、Plug Power -4%) ・SanDisk(SNDK) -10.79% / Intel(INTC) -7.89% / Micron(MU) -6.99%
ここで気づいてほしいのが、急落側の1位と4位が、どちらも「設備投資を増やす」と言った会社だということ。NebiusもIntelも、業績そのものではなく設備投資の引き上げで売られています。今日の相場は「稼ぐ力」より「お金の使い方」を見ていました。
なお、STAKという銘柄が+256.8%〜+602.27%という異常な上昇を記録したという情報がありますが、ソースによって数字が2倍以上違ううえ、上昇の理由になるような発表も確認できませんでした。数字として採用しません。 こういうのは触らないのが一番です。
マクロ環境(大きな経済の流れ)
・米10年債 4.69〜4.71%(前日比の方向はソース間で不一致・未確定) ・米2年債 4.37%(前日4.31%から上昇) ・米30年債 5.17〜5.19%(金融危機以来の高水準との報道) ・ドル円 163.75〜163.81(2026年の年初来高値圏) ・DXY(ドル指数) 101.3〜101.46(+0.01%) ・WTI原油 $87.88〜$90.47(-1.87%〜-4.67%) ・Brent原油 $97.04〜$98.38 ・金 $4,044〜$4,057(+0.1%程度) ・銀 $58.54(+1.57%)
数字に幅があるのは、複数のデータ元で値が食い違っていたためです。無理に1つの数字に丸めず、幅のまま書いておきます。
経済指標(7月24日発表)
| 指標 | 実績 | 予想 | 前回 | |---|---|---|---| | S&Pフラッシュ製造業PMI(7月) | 53.8 | 54.3 | — | | S&Pフラッシュサービス業PMI(7月) | 53.6 | 51.5 | 51.2 | | S&Pフラッシュ総合PMI(7月) | 53.6 | 52.2 | 51.9 |
サービス業が予想51.5に対して53.6と、2ポイント以上の上振れ。総合も8ヶ月ぶりの高水準です。「景気が予想より強い」=「Fedは利上げを検討していい」という読みにつながりました。
FRB議長のKevin Warsh氏は7月1日のECBフォーラム(ポルトガル)で「Prices are too high(物価は高すぎる)」と述べ、7月中旬の議会証言でも「mission accomplished(任務完了)ではない」として、インフレ抑制へのコミットを続ける姿勢を示しています。
地政学のほうは、米イラン戦争が147日目。ホルムズ海峡(中東の原油が通る海の通り道)の通航船舶は7月21日時点で10隻と、平時の120〜140隻から激減したままです。戦争リスク保険料も船の価値の7.5〜10%(平時1〜3%)と高止まり。交渉再開の報道で原油は下がりましたが、現場の状況は改善していません。 ここは分けて見ておく必要があります。
テクニカルで見る今の位置
TradingViewの実データで、主要な銘柄の今の位置を整理します。
・SPY(S&P500):$738.93(+0.10%)/RSI 45.23(中立)/MACD 0.32・ヒストグラム-1.46(デッドクロス状態が継続) ・QQQ(Nasdaq100):$684.23(-1.12%)/RSI 39.29(やや弱含み)/MACD -6.04・ヒストグラム-3.31(デッドクロス) ・TSLA:$313.03(-2.08%)/RSI 27.99(売られ過ぎ圏)/MACD -16.10・ヒストグラム-8.37(深いデッドクロス) ・GOOGL:$319.74(+0.65%)/RSI 32.46(売られ過ぎに接近) ・NVDA:$206.84(-0.92%)/RSI 51.07(中立)/MACD 0.84・ヒストグラム+0.77(ゴールデンクロス状態) ・AAPL:$333.02(+3.53%)/RSI 65.23(やや買われ過ぎ寄り)/MACD 8.45・ヒストグラム+0.91
RSI(買われすぎ・売られすぎを0〜100で示す指標。70超で買われすぎ、30割れで売られすぎ)で見ると、SPYが45.23なのに対してQQQが39.29。この約6ポイントの差が、指数のレベルで見ても売りがナスダック側に偏っていたことを裏付けています。
そしてNVDAだけがMACDでゴールデンクロス(上向きのサイン)の状態を保っている。半導体が総崩れした日にこれは目立ちます。
TSLAで気になったのは、RSIが27.99と売られ過ぎ圏に入っているのに、MACDのヒストグラムが-8.37と前日よりさらに広がっていること。「売られ過ぎ」と「まだ売られ続けている」は両立します。 RSIだけ見て「そろそろ反発」と判断すると、昨日の僕みたいに外します。
※テクニカル分析はTradingViewのリアルタイムデータに基づく。移動平均乖離とボリンジャーの数値はチャート設定済みのカスタム指標のため、標準的な定義と異なる可能性があり、ここでは記載を省いています。投資判断は自己責任で。
全体像:指数は動かなかったんじゃなく、相殺されていた
今日の因果チェーンを整理すると、こうなります。
韓国のメモリ株安(サムスン・SKハイニックス)→ 米メモリ半導体(SanDisk -10.79%、Micron -6.99%)→ そこにIntelの設備投資+$3B上方修正が追い打ち → SOX -4.3% → テクノロジーセクター -2.45% → ナスダック -0.64%
その裏で、もう1本の流れが走っていました。
原油反落(米イラン交渉再開報道)→ インフレ懸念が一時的に緩む → 不動産 +2.32%・生活必需品 +1.02%・金融 +0.76% → ダウ +0.46%
この2本がぶつかって、S&P500は+3.68ポイントで止まった。「動かなかった日」の正体は「同じ大きさの上と下が同じ日に起きた」でした。
こういう相場で僕が意識しているのは、指数の変化率がゼロに近い日ほど、中身を開ける価値があるということです。-2%の日は誰でも中身を見ます。でも+0.05%の日は「今日は何もなかった」で流してしまう。今日みたいに、その中でApple +3.53%とSanDisk -10.79%が同居している日を見逃すと、来週メモリ関連が続落したときに「いつから始まったんだっけ」がわからなくなる。始まりは、たいてい静かな日に起きています。
もう1つ。今日は「テック売り」という言葉が使えない日でした。売られたのはメモリと設備投資の重い会社で、AppleもNVDAも売られていない。ひとつのラベルで括った瞬間に、見えなくなるものがあるというのを、今日はっきり見せられた気がします。
今日の迷い・判断メモ
迷ったポイント:不動産セクターが+2.32%で最強だったのを、どう読むかで完全に手が止まりました。30年債が5.17%と金融危機以来の高水準にある日に、金利に一番弱いはずの不動産がトップに来ている。最初は「データが間違ってるんじゃないか」と疑いました。
結局どう考えたか:10年債の方向を確認しに行ったんですが、ここでソースが割れていて(片方は-1bp、もう片方は「急騰」)、確定できませんでした。原油が反落したことでインフレ懸念が緩み、長い年限(30年)は高いままでも、10年は横ばい〜低下していたんじゃないか、という説明で一応筋は通る。でも裏が取れていないので、記事には「仮説」と明記して書きました。わからないものを、わかったように書かないというのを優先しました。
後から振り返って:この判断は維持します。ただ、今後こういう「セクターの動きとマクロの動きが噛み合わない」場面に出くわしたときのために、10年債と30年債を分けて見る癖をつけたほうがいいと思いました。今まで「金利」と一括りにしていたけど、今日みたいに年限で方向が違う日があるなら、その一括りが判断を鈍らせます。
自分なら何を確認してから動くか
今日の相場を受けて、自分が次に何か動く前に確認することを3つ挙げます。
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メモリ関連(MU・SNDK)が7/27に反発するかどうか。1日で終わるイベントか、価格サイクルの転換かで意味がまったく変わる。反発なら「韓国発の1日ショック」、続落なら構造の話。3営業日見るまで判断しない。
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7/29 FOMCの前に新しいポジションを増やさない。利上げ確率が1週間で10.7%→38.8%に動いている状況は、市場自身が読み切れていないということ。読み切れていない場面で自分だけ読めると思わない。
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半導体決算を見るときは、EPSより先に設備投資のガイダンスを見る。TSMC(7/16)とIntel(7/24)で2回続いた型なので、来週の決算でも同じ順番で確認する。
明日の観測ポイント
① 仮説: 今日のメモリ半導体の下げが「韓国発の1日イベント」なら、週明け7/27にSanDisk・Micronは反発する。3営業日続落なら、NAND価格サイクルの転換という構造要因に格上げ トリガー: 7/27にMU・SNDKがともに陽線引け → 1日イベント確定 無効条件: 7/27〜7/29でMU・SNDKが3営業日続落 → 構造要因へ格上げ → 僕のルール:1日目はたまたま、2日目は気になる、3日目は傾向。1日目で結論を出さない代わりに、3日目には必ず判断する
② 仮説: 7/29 FOMCで利上げ(3.75-4.00%)が実施された場合、今日いちばん買われた不動産(+2.32%)が最も大きく巻き戻される トリガー: FOMC当日〜翌日に不動産セクターが-2%以上 無効条件: 利上げが実施されても不動産がプラス圏を維持 → 「すでに織り込まれていた」証拠 → 僕のルール:イベント直前に急に買われたセクターは、イベント後の値動きでその買いが「先回り」だったのか「勘違い」だったのかがわかる。答え合わせの場所として見る
③ 仮説: Intelの-7.89%が「設備投資の上振れを嫌う」という一貫したルールなら、来週決算を出す半導体・AI関連も同じ反応をする トリガー: 来週の半導体決算で「Beat+設備投資引き上げ」の銘柄が下落 → ルールとして確認 無効条件: 「Beat+設備投資引き上げ」で上昇する銘柄が出る → Intel固有の事情だった → 僕のルール:同じ型が2回続いたら仮ルールにする。3回目で検証して、通ればルールに昇格させる。今はTSMC(7/16)とIntel(7/24)で2回目
来週の主な予定
| 日付 | 内容 | |---|---| | 7/27(月) | 耐久財受注(6月速報、予想+1.6%) | | 7/28(火) | 消費者信頼感指数(7月) | | 7/29(水) | FOMC政策金利発表(ドットプロットなし。声明文と議長会見が焦点) | | 7/30(木) | PCE物価指数・個人消費(6月)、米GDP速報(Q2) | | 7/31(金) | ミシガン大消費者信頼感確報(インフレ期待含む) |
同じ週に英国の中央銀行(7/30)と日銀(7/31)も会合があります。主要3中銀が1週間に集中する週です。
明日この仮説がどうなったか、また振り返ります。気になることがあればコメントで教えてください。
今日の3語メモ
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「相殺されたゼロ」:S&P500 +0.05%は「何も起きなかった」ではなく「テクノロジー-2.45%と不動産+2.32%が同じ日に起きて打ち消し合った」結果。指数の変化率がゼロに近い日ほど、中身を開ける価値がある
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「CapExで売られる」:Intelは決算をBeatしたのに、設備投資を+$3B引き上げたことで-7.89%。7/16のTSMCと同じ型が7営業日で2回目。半導体決算は「いくら稼いだか」より「いくら使うと言ったか」で株価が決まる局面に入っている
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「ラベルを疑う」:テクノロジー-2.45%の日に、SanDisk -10.79%とApple +3.53%が同居した。「ハイテク株が売られた」という一括りでは説明できない。ひとつのラベルで括った瞬間、見えなくなるものがある
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この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年7月24日時点のものです。
