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日経-2.11%とTOPIX-1.37%の乖離が語る半導体一本足の片肺急落|07月08日 日本株分析

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日経平均が-1,437.91円(-2.11%)で3日続落、約1カ月ぶり安値まで落ちた。数字だけ見るとえげつない急落やけど、値上がり銘柄は564もあってTOPIXは-1.37%に留まった。この乖離をどう読むかが今日のテーマ。

補足: 東証プライムの内訳は「値上がり564/値下がり960/変わらず34」。1,000社近く売られとるから確かに売り優勢やけど、日経-2.11%という数字が示す「全面総崩れ」ではない。半導体・電子部品セクター(東エレク・キオクシア・太陽誘電・アドバンテスト・レーザーテック・フジクラ・イビデン)に売りが集中した片肺急落。

さらに一歩引いた視点: 日経ETF(1321)のMA乖離(移動平均線からどれくらい離れているか)は短期+35% / 中期+37% / 長期+23%。まだ「過熱ゾーンからの調整開始」の段階で、深い押し目に入ったわけではない。

前回の仮説チェック

前回(7/7)の観測ポイント2つを検証する。

仮説①: 半導体・電子部品の下げはまだ途中で、今日で底打ち反発を狙うより一段の下げを待つほうが安全 トリガー: 東エレク・キオクシア・村田・太陽誘電のうち3つ以上が続落する(-2%以上) 結果: ✅ 確認された(東エレク-3.05% / 村田-2.01% / 太陽誘電-8.50% の3つが-2%超で続落。キオクシア-0.73%のみ小幅) 学び: 「反発を先回りしない」という保守ルールが正解の型に入った。ただし当てにいくのではなく、SOX-4.65%とKOSPI-6%というアジア全体の地合いが引き金だった事実を認識する

仮説②: 金利上昇と円安が続く限り、銀行株が一人勝ちの流れは持続する トリガー: ドル円162円台維持+米長期金利4.5%以上+MUFG・SMFG・みずほFGの3つ全部が個別で続伸する 結果: ❌ 否定された(みずほ+0.28%だけ、MUFG-0.38% / SMFG-0.01%。3行揃った続伸には至らず) 学び: 「銀行株一人勝ち」を仮説にしたが、日経-2.11%の急落地合いでは銀行も微マイナスに巻き込まれた。ただし「相対的に底堅い」ことは確認できた。仮説の粒度を「絶対水準(続伸)」ではなく「相対水準(日経比の底堅さ)」に修正する必要がある

主要指数

・日経平均 66,819.05円(-1,437.91 / -2.11%) ・TOPIX 4,006.43pt(-55.83 / -1.37%) ・グロース250 データ未確認(前引け時点-2.27%) ・東証プライム 値上がり564/値下がり960/変わらず34 ・売買代金 11兆1,412億円(引き続き過熱水準) ・ドル円 161.68〜162.18円台(介入警戒で上値抑制)

ここで一番大事な数字は「値上がり564銘柄」。日経-2.11%と聞くと「全部売られた」印象を持つけど、実際は4割弱の銘柄がプラス。日経がここまで崩れたのは、指数への寄与度が大きい半導体・電子部品が集中的に売られたから。TOPIXが-1.37%に留まったのはその証拠(TOPIX=時価総額加重で幅広い銘柄の平均、日経=値がさ株の影響が大きい)。

相場を動かした3つのポイント

① 米SOX-4.65%とサムスン決算「Beatなのに利確売り」の波及チェーン

昨日(7/7火曜)のNYで半導体指数SOXが-4.65%と急落した。マイクロン-4.7%、サンディスク-7.3%と半導体全般が売られたきっかけは、サムスン電子の第2四半期予備決算。営業利益89.4兆ウォンで前年同期比約19倍・過去最高、市場予想(84.4〜87.3兆ウォン)を上回るBeatやった。にもかかわらず株価は-6〜7%と急落。理由は「年初来+150%の急騰で好決算は織り込み済み → 材料出尽くしの利益確定売り」。「最高益+Beatでも売られる」というのが今のAI相場の重さで、「これから追加でどこまで上を追えるのか」という警戒感が強まった格好。この流れがアジア時間に直撃し、韓国KOSPIは終値-5.35%(日中値幅では6%あまり)と約1.5カ月ぶり安値まで落ちた。日本の半導体銘柄は太陽誘電-8.50%、東エレク-3.05%、アドバンテスト-4.69%、レーザーテック-4.65%、フジクラ-4.89%と広範に売られた。

→ 僕のルール:「Beatでも売られる」の型は「材料出尽くし+高値警戒」の合図で、Missとは根っこが違う。この型では反発を先回りせず「陽線1本」(ローソク足で陽線が1日入る)を確認してから初動を見る。特にKOSPIが同時進行で-5〜6%と落ちてる時、日本だけ先に反発する形にはなりにくい。

② ホルムズ海峡再燃と原油+3-5%——資源株に一瞬の光

イラン革命防衛隊がホルムズ海峡(中東の原油タンカーが必ず通る海の要所)を航行中の商船2隻にミサイル攻撃したと伝わった。米中央軍もイランへの一連の攻撃を発表し、米財務省はイラン産原油の販売許可を撤回。原油WTIは7/7クローズで+2.8%、日本朝以降は72ドル台まで一段高(+5%超の指摘もあり)。結果、日本ではINPEX(1605)が反発し、業種別では鉱業・海運が上昇した。ただし、株全体としては「地政学リスクオフ」の色が濃く、指数全体はマイナス圧力に。

→ 僕のルール:地政学起点の資源株ラリーは2〜3日で織り込み終わりの型が多い。深追いせず、翌日の中東ヘッドラインを最初に確認する。「原油上がってるから資源株買い」で入ると、緊張緩和ニュースで一発反落を食らうリスクがある。

③ 長期金利2.850%とETF分配金1.5兆円のダブルパンチ

日本国債10年利回りは前日(7/7)に一時2.850%まで上昇していた。これは1996年10月以来、実に約30年ぶりの水準。7/8はこの重さを引きずった格好で、株の相対的な割高感が意識されて売りが出やすい地合いだった。背景は「骨太の方針2026」(政府が毎年出す経済財政の方針書)で高市政権が「責任ある積極財政」への転換を打ち出したこと。国債の発行が増える懸念から国債の買い手控えが広がり、利回りが上がった(=国債価格が下がる=金利が上がる、はワンセット)。並行して、7/8と7/10で計約1.5兆円規模のETF分配金捻出売り(ETF運営会社が分配金を出すために保有株を売る操作)というテクニカル要因も重なった。

→ 僕のルール:金利上昇のシナリオは「10年利回りの水準」を毎朝チェックする。2.85%からさらに上を試すのか、いったん止まるのかで株の重さが変わる。翌日のさくらレポート(7/9夕方の日銀の景気認識)を確認してから、翌々日の姿勢を決める。

セクターの強弱——「何が買われて、何が売られたか」

売られたセクター: 半導体・電子部品・機械・自動車・防衛(利食い)。特に半導体は東エレク-3.05% / 太陽誘電-8.50% / アドバンテスト-4.69% / レーザーテック-4.65% / フジクラ-4.89% / イビデン-4.00% / KOKUSAI ELECTRIC-3.96%と広範に売られた。防衛の代表格・三菱重工(7011)は-4.69%で、7/6の「防衛工場の国有民営化」報道での急伸を吐き出した。

買われた(相対的に強かった)セクター: 鉱業・海運(原油高メリット)、通信(ディフェンシブ)、銀行の一角。地銀の愛媛銀行(8541)は+6.17%、三十三FG(7322)は+4.27%と底堅い動き。

構図としては「半導体・機械を売って、資源・ディフェンシブに逃げる」というリスクオフのローテーション。ただし全体としては売り優勢なので、逃げ場としてより「現金化」の動きも強かった印象。

売買代金上位・注目銘柄

・キオクシア(285A) 71,870円 -0.73% 売買代金3.6兆円 ← 首位。半導体地合いの中で相対的に底堅い ・太陽誘電(6976) 14,965円 -8.50% 売買代金3,887億円 ← 今日の急落主役 ・村田製作所(6981) 9,027円 -2.01% 売買代金3,843億円 ・NEXT日経レバレッジ(1570) 72,500円 -3.85% 売買代金3,209億円 ← 日経-2.11%の2倍連動 ・東京エレクトロン(8035) 67,350円 -3.05% 売買代金2,903億円 ・アドバンテスト(6857) 27,545円 -4.69% 売買代金2,885億円

売買代金上位を半導体・電子部品が独占してるのが、今日の相場の性格を一番よく表してる。「半導体を売った」だけで日経が-1,437円動いたレベル。

個別株で目立った動き

・太陽誘電(6976) -8.50%: 今日の急落主役。MA乖離が短期+338%まで過熱してたところに、SOX急落+アジア半導体売りが直撃した合成技 ・京進(4735) -10.06%: 7/7発表の1Q決算で売上Beatも営業赤字転落(季節要因+戦略投資)で反落 ・北川精機(6327) -11.28%、岡野バルブ(6492) -10.69%: 機械セクター全般の地合い悪化、個別材料明確ならず ・INPEX(1605) 反発: ホルムズ海峡緊張再燃で原油急伸メリット ・IGS(4265) +23.53%: ストップ高、前週急落からの急反発、材料明確ならず

ストップ高が7銘柄も出てるけど、多くは中小型グロースで材料明確ならず。日経急落の日にもこういう反発は必ずある、というのが「値上がり564銘柄」の正体の一部やと思う。

為替と外部環境

・ドル円 161.68〜162.18円台(介入警戒で上値抑制、荒い上下) ・ユーロ円 184.92円(-0.29%、円高優勢) ・米国前日(7/7火曜クローズ): S&P500 7,503.85(-0.45%)/Nasdaq 25,818.69(-1.16%)/Dow 52,925.15(-0.25%)/SOX 12,300.52(-4.65%)/VIX 16.13(+3.60%) ・中国 上海総合 -1.26%(7/7確定)/香港ハンセン -0.51% ・日本国債10年 2.850%(7/7に一時到達、30年ぶり水準) ・WTI 70.44ドル(+2.8%、日本朝以降72ドル台まで一段高) ・Gold 4,157ドル(利益確定売りで軟調)

一番の注目はSOX-4.65%とKOSPI-6%。「アジア半導体売り」が日本より先に起きて、それが東京にも波及したという因果関係を押さえておく。VIXが+3.60%と上がってるのも、リスクオフのサイン。

テクニカルで見る今の位置

TradingViewのチャートから、主要指標の位置を整理する。

・日経225 ETF(1321): RSI 45.11(中立、やや売られ気味へ)、MACDはDC継続(Histogram -651)、MA乖離 短期+35% / 中期+37% / 長期+23%。「過熱ゾーンからの調整開始」の段階で、まだ深い押し目には入ってない ・TOPIX ETF(1306): RSI 53.48(中立)、MACDは拮抗(Histogram -0.0)、MA乖離 短期+17% / 中期+16% / 長期+11%。日経より過熱度が低く、痛みも小さい ・太陽誘電(6976): RSI 44.31、MACDはDC継続、MA乖離が短期+338%と超過熱ゾーンからの急落。今日の-8.50%はまさに「過熱の反動+SOX急落」の合成技 ・東京エレクトロン(8035): RSI 48.50、MACDはDC継続、MA乖離 短期+87% / 中期+92% / 長期+42%。半導体4銘柄の中では中庸な調整

今日のテクニカルで一番大事な気づきは「日経は過熱ゾーンの調整が始まったばかりで、まだ深い押し目ではない」ことと、「TOPIXはそもそも過熱していない」こと。日経とTOPIXで受けたダメージが違うのは、テクニカル面から見ても筋が通ってる。

※テクニカル分析はTradingViewのリアルタイムデータに基づく。投資判断は自己責任で。

全体像:半導体一本足の片肺急落と、TOPIXが守った実力の底堅さ

今日の-1,437円は「破滅的な全面安」ではなく「半導体・電子部品への集中砲火」やった。指数寄与度の大きい東エレク・太陽誘電・アドバンテスト・レーザーテックが軒並み売られたから日経は-2.11%まで崩れたけど、TOPIXは-1.37%に留まり、値上がり銘柄も564社あった。ここに「破滅」と「片肺」の違いがある。因果としては「SOX-4.65%(米7/7火曜) → サムスン決算Missの警戒 → KOSPI-6%急落 → 東京の半導体売り」の連鎖に、「中東再燃・原油+3〜5%」「長期金利30年ぶり水準」「ETF分配金1.5兆円の需給悪化」が同日に重なった。

こういう相場で僕が意識してるのは、「日経の下げ幅」で驚くんじゃなくて「TOPIXとの乖離」を先に見ることや。日経-2.11% vs TOPIX-1.37%の0.74ポイントの差が、今日の相場が「片肺型」だと教えてくれる。全面安の時は日経とTOPIXが同じくらい落ちる。片肺の時は必ずどちらかが軽い。この見分けが、翌日の反発シナリオを組み立てる出発点になる。

今日の迷い・判断メモ

迷ったポイント: 後場寄り(12:30)で日経が一時プラス転換した場面。前場-498円から後場-33円まで一気に戻したから、「ここで反発を追いかけるか、様子見か」で判断が分かれた

結局どう考えたか: 追いかけなかった。理由は3つ。①KOSPIが同時進行で-6%まで落ちてた、②米SOX-4.65%の翌日の反発を先回りしない、というのが前日の自分ルール、③MA乖離が+35%とまだ過熱ゾーン。この3つが揃ってるのに、「一時プラス転換」だけで追いかけるのは自分の型じゃない

後から振り返って: 判断は維持。大引けは-1,437円と、後場寄りからさらに-1,400円落ちた。「一時プラス転換」を追いかけずに済んだのは、前日仮説①(下げはまだ途中)を守れた成果や。ただし、「後場中盤の急落開始の正確な時刻」を特定できなかったのは反省点。次回は日中の分足データを取れるようにしたい

自分なら何を確認してから動くか

次にアクションを取る前に確認すること:

  • 今夜の米SOXの動き(-1%以上続落なら日本半導体の底打ちは遠い、+3%以上急反発なら明日の東京は買い先行の可能性)
  • 明日朝の中東ヘッドライン(緊張緩和か、それとも追加報復か)で原油シナリオが決まる
  • 10年国債利回りが2.90%を上抜けるか、2.75%まで低下するか(金利が止まれば株の重さは緩む)
  • 日銀さくらレポート(7/9夕方)の景気認識の方向

明日の観測ポイント

仮説: 半導体・電子部品の下げは3日目に入り、そろそろ反発 or さらなる下落を試すが、僕としてはまだ底打ち先回りはしない トリガー: 今夜の米SOXが-1%以上続落、または明日の東京で半導体4銘柄の3つ以上が続落 無効条件: 今夜の米SOXが+3%以上急反発し、明日の東京で半導体4銘柄が全部プラス → 僕のルール:3日連続の急落パターンでは、僕は反発を先回りせず「陽線1本」を確認してから初動を見る。特にMA乖離がまだ過熱ゾーン(+35%)なので、深い押し目は残る前提で構える

仮説: 長期金利2.850%からさらに上を試すか、いったん止まるかの分岐点。金利上昇が止まれば株の相対的割高感圧力は緩む トリガー: 10年利回りが2.90%を上抜けまたは2.75%まで低下、日銀さくらレポートで景気認識が引き上げ or 引き下げ 無効条件: 日銀総裁の突発的なタカ派発言、または財政拡張への追加ニュース → 僕のルール:金利のシナリオはさくらレポート(7/9夕方)を確認してから、翌日のポジションを決める

仮説: 原油高(WTI 72ドル台)が続けば、INPEX等資源株の追随買いは残る。ただし2〜3日で織り込み終わりの型が多い トリガー: WTIが75ドルを上抜け、またはINPEX(1605)が明日も出来高を伴って+3%以上上昇 無効条件: ホルムズ海峡の緊張緩和ニュース、またはWTIが68ドル台まで急反落 → 僕のルール:地政学起点の資源株ラリーは短命な型が多いので、深追いしない。明日の朝の中東ヘッドラインを最初に確認する

明日この仮説がどうなったか、また振り返る。気になることがあればコメントで。

今日の3語メモ

「日経-1,437円でも値上がり564銘柄」「TOPIX-1.37%と日経-2.11%の乖離0.74pt」「日本国債10年 2.850%(30年ぶり水準)」


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この記事はjiyon(@jiyon_kizuku)の相場振り返りシリーズです。 投資判断は自己責任でお願いします。データは2026年7月8日時点のものです。

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