7月7日、今日はAnthropicが2週間前に告知していた「Fable 5同梱プラン最終日」だ。明日7/8からClaude Fable 5はInput $10/Mtok・Output $50/Mtokの使用クレジット制へ全面移行し、Pro/Max/Team/Premium Enterpriseで「月額固定でどれだけ使ってもOK」の運用ができなくなる。
同じ週にもう1本、TSUMUGU顧客向けに動かないといけない締切が来る。IT導入補助金2026の3次締切が7/21(火)17:00。ここに間に合わせるなら、今週中に提案書・見積・事業計画書の初動を切る必要がある。
自分は地方中小企業向けに「採用AI内製化コーチ」をやっている立場で、この2つが同じ週に重なった意味を整理しておきたい。片方だけ動くと客に対して噛み合わない。
前回予告の検証(先に片付けておく)
前回7/6の記事で書いた「来週の注目ポイント」3つの続報から。
- ✅ ①Fable 5クレジット制切替(本日実施) — Anthropic公式ページに切替日が明記されていた通り、本日7/7が同梱最終日。詳しくは次の見出しで扱う。
- 🔮 ②EU AI Act Digital Omnibus官報掲載 — 7/7時点でも官報(Official Journal=EUの法律公示簿)に未掲載継続。6/29 EU理事会最終承認・6/16 欧州議会承認は済み、事務手続きだけの状態。Digital Omnibus合意でAnnex III高リスクAI義務は2026-08-02発効から2027-12-02に延期済み(Gibson Dunn解説確認)。一方でArticle 50の透明性義務は2026-08-02発効予定を維持しているので、透明性側の準備は8月に間に合わせる必要がある。官報未掲載の間は現行AI Actが有効という注意喚起も出ている。
- 🔮 ③産経「AI人事3.0」8/5セミナー同業講師陣ラインアップ — 続報なし。継続監視。
Fable 5、明日7/8から何が変わるのか
Anthropic公式ブログ「Redeploying Fable 5」ページに書かれている中身をまず整理する。
- 7/7まで:Pro/Max/Team/Premium Enterpriseの週間利用上限の最大50%をFable 5に充当可能(同梱扱い)
- 7/8以降:Input $10/Mtok(100万トークンあたり)、Output $50/Mtok の使用クレジット制へ全面移行
- Enterprise Standardは初日から要クレジット(猶予なし)
- API/Pay-as-you-goは元々従量なので変更なし
- 安全分類器も改良版に差し替え、ブロック時はClaude Opus 4.8への自動ルーティングに切り替わる
数字だけ見ると「そんなに高くないな」と思うかもしれない。ただ、Fable 5の使い方でOutput側($50/Mtok)が圧倒的に効いてくる。長文レポート生成、コード全体リファクタ、面接評価の詳細レポートみたいな「AIに書かせる」系のタスクを日次で回している現場は、明日から一気にクレジット消費が見える化される。
Cursorが7/6に立ち上げた「CFO Council」の初回ブログ内にこの構図の傍証がある。BCG分析でトークン使用量トップ層企業のYoY売上は+16.5%(下位層は+5.1%)、そしてモデル選択で「エージェントリクエストコストは9倍差」。McKinsey調査では組織の**88%がAIを導入しているが、EBITインパクトを追跡できているのは39%**だけ。「使い放題だから細かく見なくていい」という運用が、明日から「使い放題じゃないので細かく見ないといけない」に変わる。この転換が今日発生している。
TSUMUGU現場感:顧客の月次面談で新論点が1つ増える
自分がTSUMUGUで伴走している中小顧客は、Claude Codeを日次で回している現場が半分くらいある。求人票の一次ドラフト生成、応募者スクリーニングの一次仕分け、面接評価レポートの整形、それを全部Fable 5に投げていた。
明日以降、月次面談で「先月、Fable 5でいくら使ったか」を必ず聞く運用に切り替える。これは客が困っている質問というより、客が困っていることに気づいていない質問。ビリング画面を月末に見て「あ、思ったより減ってる」と気づく客が来週から出てくる。
対策として、既存客向けに1枚まとめた「使い分けルール例」を今週作って共有する予定。中身の草案は以下の粒度。
- ライトなタスク → Claude Opus 4.8:メール要約、議事録作成、応募者一次確認(機械的な照合)、社内問い合わせの一次回答
- 重い推論だけ Fable 5:求人票戦略設計、面接評価分析(複数観点の重み付け)、定着施策設計、業務プロセス再設計
これは自分の運用ルールでもあるが、客に共有する時は「モデル選択で9倍のコスト差」(Cursor CFO Council調査)を根拠に貼る。数字が乗っていると納得感が違う。試したのはここまでで、実際にどれくらいコストが下がるかは来週の実測を待つ。誇張せずに書くと**「今日から動く価値はあるが、効果の絶対値はまだ言えない」**が正直なところ。
もう1本の締切:IT導入補助金2026 3次締切が7/21
Fable 5の話と並行して、今週のTSUMUGU商談で外せないのがIT導入補助金2026の3次締切。中小機構の公示によると:
- 3次締切:2026-07-21(火)17:00
- 補助上限:通常枠4プロセス以上で数百万円規模(枠により変動)
- 補助率:通常枠1/2または2/3(低賃金雇用条件)、インボイス対応類型の小規模事業者は一部4/5まで上振れ
- 対象:通常枠・インボイス枠・セキュリティ枠、AI含むITツール導入
- 交付決定予定:2026-09-02(水)
- 事業実施期間:〜2027-02-26
- 通常枠・インボイス枠・セキュリティ枠の4次締切:現時点で随時公表・未確定(別枠「複数者連携デジタル化・AI導入枠」の1次締切が8/25なので混同注意)
TSUMUGUの営業リストで「導入したいけど費用が」と言われて止まっていた案件を、今日か明日に3社選んで補助金締切の連絡を入れるのが今週の1本目のタスク。連絡文面は「補助金3次締切のご案内+見積スケッチ1枚」の2点でOK。断られてもリード温度感の再測定になるから無駄にならない。
業種の絞り方は前日レポートでも書いた通り「アルバイト・パート応募が命綱」の中小(小売・介護・飲食・スーパー)が本命。応募者離脱で採用が止まっていて、かつ補助金が使える予算感の案件。
RecUp導入事例と補助金を組み合わせた提案パターン
7/6のPR TIMESに、ある中小企業がAIスカウトツール「RecUp」を導入して月200通のスカウト送信で反応ゼロだった状態から初月20件の反響を獲得した事例が載った。ツール自体はAIが候補者プロフィールを分析してパーソナライズ文面を自動生成する構造。
この事例を提案書に転記する時のコツは、「RecUpが正解」ではなく「AIスカウト+定期チューニング+歩留まり計測」のフレームで提示すること。単発ツール導入だけだと3ヶ月で解約される典型パターンなので、伴走型で入るのが受注確率と継続率の両方に効く。
補助金3次締切と組み合わせた提案書の3パターン構成は以下。
- Aルート:補助金あり(7/21間に合わせる) — 見積構成に補助金申請支援を組込、着手金圧縮、事業計画書に定量KPI明記。TSUMUGU伴走12ヶ月契約とセット提示。
- Bルート:次回締切待機 — 提案自体は今週渡し、意思決定を8月に置く。7/21に無理して申請しない代わりに、4次締切の公表を待って動く。複数者連携枠(1次締切8/25)が使える座組なら別ルートで進める。
- Cルート:補助金なし・自己資金 — 補助金絡みの書類作業を省略、その分伴走の初動を7月中に前倒し。9月には社内運用開始。
3パターン見せると客の意思決定が早くなる。特に地方の10-30人規模の中小は「補助金あるなら動きます」がほぼ全員の一次反応。ここで「あります、7/21です、間に合わせるなら今週動きます」と即答できるかどうかで、8月の受注確率が変わる。
個人・副業層への意味:明日から1週間、消費実測をログる
Fable 5のクレジット制切替は個人でClaude Codeを日次で使っている副業層にも同じくらい効く。個人向けの実務アクションは1つ。
明日7/8から1週間、自分のFable 5消費を実測ログる。Anthropicのビリング画面かAPI管理画面でInput/Outputトークン量とクレジット消費額を毎日メモする。並行して「同じタスクをClaude Opus 4.8でやった場合の想定コスト」も概算しておくと、自分の運用パターンでの使い分けラインが1週間で見える。
見えたら、その使い分けルールがXでの発信ネタになる。「Fable 5とOpus 4.8を1週間ガチで使い分けたら○%コストが下がった」みたいな実測記事は来週の副業層のニーズにハマる。7/8〜7/14の1週間、Xやテックブログで「Fable 5クレジット制の実測」系の投稿が一気に増える見込みなので、そこに自分の実測を混ぜるとリーチが取れる。
使ってみた結果、正直な話
Fable 5の使い分けルールは、正直まだ今日の時点では**「試したら来週報告する」**フェーズ。同梱最終日である本日7/7までは、切替後のクレジット消費実感を出せない。7/8から1週間ガチで自分の運用に適用して、来週7/14前後の記事で結果を書く予定。
補助金3次締切と組み合わせた提案書のAルート/Bルート/Cルート提示は、既に6月末から2件で試している。返答は両方とも「Aルートで検討します」だったが、実際の7/21申請完了までは追い切れていない。ここも来週の記事で結果報告する。
「使ってみた結果」を全部詰め込みたいが、今日は切替日なので予測と設計だけになる。誇張せずに、予測と設計、実測と検証を分けて書くのを心がけたい。
来週の注目ポイント
- Fable 5クレジット制切替後の実測消費ペース報告 — 7/8〜7/14の1週間でXやテックブログに「1日でクレジット残量がこれだけ減った」共有が出てくる。なぜ注目か:TSUMUGU顧客月次面談で「モデルコスト設計」を語る実測データが必要。特にヘビーユース顧客(応募者スクリーニング日次実行)のクレジット消費実感が知りたい。
- IT導入補助金2026 3次締切7/21直前の駆け込みトレンド — 補助金申請支援業界の「今週の案件量」情報。なぜ注目か:TSUMUGU商談での「補助金前提提案」の受注確率がこの1週間で見える化される。
- EU AI Act Digital Omnibus官報掲載 — Article 50透明性義務の8/2発効を控え、公示のタイミングで最終順守要件が確定する。なぜ注目か:EU展開する採用AIツール(Workday等)の透明性順守動向がTSUMUGU客説明材料。高リスクAI義務は2027-12-02に延期済みだが、透明性義務側は8月準備が現実問題として残る。
今日はFable 5切替日と補助金締切7/21の重なりを軸に、TSUMUGU顧客向けの動き方を整理した。「使い放題じゃなくなる」と「補助金締切」が同じ週に来ているのは偶然だが、両方セットで動かないと来週から現場が噛み合わなくなる。今日1日で「補助金3次締切の連絡3社」と「Fable 5使い分けルール1枚」を仕込めるかどうかが、8月の売上に効く。動こう。
